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2016 埼玉県立大学 一般入試 小論文 模範解答

埼玉県立大学 一般入試 小論文 過去問演習6年分パック講座


問題1.
選択肢:③
ロイヤル島においてオオカミが絶滅すれば、モミの木がヘラジカによって失われ、最終的には生態系の崩壊につながる恐れがあり、不介入の規定に反することになっても、オオカミの保全をするべき緊急性が高いから。(98字)

問題2
課題文によれば、かつては氷の橋ができることによって、ロイヤル島は孤立せず、オオカミの交配も自然に行われていた。そのため独自の生態系が維持され、遺伝的救済を行う必要がなかった。しかし、人間の活動による気候変動の結果、氷の橋の形成頻度が低下し、ロイヤル島の生態系崩壊の危機をもたらした。
このように人間が生態系に与える影響は大きい。したがって、自然の自己回復力に期待した不介入や絶滅後の対応だけではなく、人間の活動により生じた生態系の危機に関して、その解決・回復に向けて、課題文中の遺伝的救済のような具体的な対策を講じることが必要だと考える。さらに、生態系保護を達成していくために考えられる対策が、将来的にどのような影響を生態系に及ぼすのかも慎重に見積もることが必要である。なぜなら、たとえ法律上の規定に抵触しても、一度失われると回復が難しい不可逆的な生態系の保護が常に優先されるべきだと考えるからだ。(398字)


問題1
消費社会において、人々は消費を通じて自らを解放し、自己実現を行う能動的消費者である一方で、絶えず消費者の役割を果たすよう誘惑、強制、疎外され、強いられたニーズを持たされる不自由な受動的消費者でもある。(100字)

問題2
「消費主義のイデオロギー」とは、消費が満足感や喜びをもたらし、自己実現を可能とするものであり、かつ大量消費を自らの意思による選択だと信じるような、消費を美徳として認める思想・意識の傾向である。このイデオロギーを生み出した豊かな社会には大量のモノが存在し、物質的ニーズはほぼ満たされている。こうした社会においても、売り手側はモノをさらに売ろうとし、より魅惑的な外観を持つ商品との交換を人々に促す。したがって、売り手側の作戦は、漠然とした憧れや別の誰かになりたいという消費者の願望を、新商品によって満たすことを促す心理的作戦である。その結果、現代の消費文化において、消費者は主体的に自由な消費行動を行い、アイデンティティを消費によって確立しているように見える。しかし、実は、偽物のニーズを生む巧妙な資本主義システムによって、非主体的な消費行動へと駆り立てられるよう消費者側の意識はコントロールされている。(400字)


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