2018 奈良県立医科大学 医学部 看護学科 小論文 模範解答 【小論文Ⅰ】
2018年度 医学部看護学部 小論文 模範解答
小論文Ⅰ
問1.
1)
食事や呼吸に不自由があるとさらに状態が悪化したり、重篤化する恐れがあり、医師や看護師のサポートが必要となることが予想されるため、①に比べ②の場合のほうが多数、医療機関を選択したと考えられる。(95字)
2)
意識がなかったり、身の回りの助けが必要になるほど、医師や看護師、介護士など専門スタッフによるサポートが必要となる。それゆえ、自宅における治療や介護が難しい場合ほど、居宅の割合が小さくなる。反対に、サポートを必要としない場合ほど、居宅の割合が大きくなり、図1のような居宅の割合の差が表れたと考えられる。(150字)
3)
図2からは、高齢者の半数以上が自宅で最期を迎えたいという希望を持ちながら、近年は8割近い高齢者が病院で亡くなる事実があることがわかる。多くの高齢者の希望が叶えられていない現状がある一方で、図1から状況によっては、家族など介護をする側にも自宅療養を実現できない理由があることが推察できる。それは、介護の負担や症状急変時の対応の不安、経済的負担等の問題である。それでは、こうした現状において、人生の最終段階にある人の希望に沿うためにはどのような対策が必要だろうか。
終末期にある高齢者の希望を叶えるためには、高齢者を自宅で最期まで療養する方策を立てるべきだと考える。なぜなら、最期を迎えたい場所として自宅を望む人が半数以上いるからだ。したがって、高齢者の自宅療養を妨げる問題を解消する施策が必要だと考える。たとえば、家族の介護負担を低減するために、医療や介護スタッフ人員の増強や待遇の改善が挙げられる。また、終末期にある高齢者に対して、社会保障政策として公的援助を行うべきだと考える。というのも、高齢者の家族の経済的負担も憂慮されていると考えるからだ。さらに、高齢者に対して定期的な健康診断をより積極的に行っていくべきだと考える。なぜなら、現状は健康であっても、将来的、あるいは進行中のリスクを回避、軽減し、最終的に自宅で穏やかに死を迎えられることが望ましいと考えるからだ。(584字)