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2022年度 埼玉大学 工学部環境社会デザイン学科 学校推薦型選抜 小論文 模範解答

問1⑴
レジリエンスの強化により、災害による影響が減るだろう。これにより、B がA に向かって上方へ移動する。また、回復にかかる時間が短縮され、回復可能な水準が高まると想定されるので、C もA に向かって左上へと移動する。(103 字)


問1⑵
対策1)
海岸堤防のかさ上げや津波が越流しても壊れにくい構造への改良により、市街地への津波の浸入による被害を軽減できるだろう。これらの対策は、災害そのものの影響を減らし、システムの頑健性の維持に寄与するはずである。
(102 字)


対策2)
都市・交通基盤の整備、リダンダンシーの確保により、災害時に復旧のための支援物資を届ける経路の寸断が回避できるだろう。この対策は、復興作業の進捗に好影響を及ぼし、システムの回復力の向上に資するはずである。
(101 字)


問2
震災を例に挙げよう。早期復興のために、新規建造物の耐震・免震構造を義務付け、既存の建物にも耐震補強の支援を国や自治体が行うべきである。というのは、建物の倒壊による交通遮断のせいで、復旧に必要な物資輸送が滞るからである。(109 字)


問3
(ⅰ)
これは「第2種の安全」に該当する。というのも、当該の児童生徒は、指定されていた避難所から状況に応じた判断で離れたことにより、被害を免れたからである。(74 字)

(ⅱ)
これは「第1種の安全」に該当する。というのもこのケースでは、被害を最小限に留めることができたのは、対応マニュアル通りの行動のおかげだったからである。(74 字)

(ⅲ)
これは「第1種の安全」に該当する。というのも、川へと機体が着水した後の乗客の避難誘導は決められた手順に従っており、それにより犠牲者を出さなかったからである。(78 字)


問4
私は、津波を例にとって、住民が一個人として災害に遭ったさいに臨機応変に対応できる力を培うためにすべきことを説明したい。まず、津波の水害としての性質を知っておくことが必要である。たとえば、水は低いところへ流れていく性質をもつので、避難者は海岸から遠く離れるよりも、たとえ海岸に近くとも高いところへ向かうべきである。自分がどこへ向かうべきか事前に知っておけば、災害時にパニックに陥らず、冷静な判断が可能だろう。次に、非常持ち出し袋を用意しておくべきである。津波ではとりわけ迅速な避難が要求されるので、持ち出すべきものについて悩んでいる時間はない。事前に最低限持ち出すものを一つにまとめておくことで、いざというときに焦るリスクを回避できる。また、持ち出すものを選ぶ事前作業自体が、避難について想像をめぐらせる契機ともなるだろう。このような具体的な事前準備によって、災害時の臨機応変な対応力が培われると思われる。(402 字)

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