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2021年度 宮城大学 一般選抜 前期日程 論説問題 模範解答
【オンライン指導 個別指導 添削指導】総合型選抜(AO入試)/学校推薦型選抜(推薦入試)・小論文対策専門塾・予備校 『潜龍舎』
問1
(1)中国、インド、ロシアをはじめとした多くの国においては、穀物生産量、需要量ともに増加し、両者のバランスも、生産量と需要量がほぼ同じか、生産量が上回るかのどちらかである。他方で、アフリカにおいては、需要量が生産量を上回っており、今後その差がさらに拡大するため、食糧不足がより深刻になると考えられる。(147字)
(2)日本の穀物生産量と需要量は、各国と比べてほとんど変化がなく、しかも需要量が生産量を上回る状態が続く。また、資料1より、アフリカにおける穀物需要の高まりが原因となり、品薄や価格の高騰が生じる可能性がある。そのため、日本がこれまで輸入できていた量の穀物を確保できなくなる恐れがある。(139字)
問2
資料2より、農業就業人口の減少と、65歳以上の割合の増加が一貫して読み取れる。資料3は、1951年以降、単位面積当たりの収量の増加と労働時間の短縮を示している。資料4は、米生産費のうち、薬剤費、農機具費、光熱動力費、賃料料金の割合の増加を示している。以上より、日本の農業は、人手不足と高齢化が深刻化し、それに対応するための機械化と効率化が進められているが、その分費用がかさんでしまっている。(191字)
問3 資料の見解の要約
資料5は、スマート化技術の開発・普及によって、農作業の省力化や農業生産の安定化・高品質化が可能になりつつあると述べている。資料6では、生活や産業の基盤をなしていた里地・里山が維持されなくなった結果、そこで行われてきた農林水産業にも悪影響が生まれ、それを防ぐさまざまな取り組みが必要だと述べられる。資料7では、農業を収益の出るビジネスにするには、規模の拡大、効率化、ブランド化などが必要だとされる。(198字)
問4
今後の日本の農業の課題として、資料5で述べられたスマート農業のさらなる技術開発と普及に取り組むべきだと考える。ドローンによる農薬の散布や、給排水の自動制御、アシストスーツによる肉体的負担の軽減などによって、農作業の効率化や省力化を進めることができれば、農業従事者の高齢化や人手不足の対応策にもなりうるからである。ただし、生産者個人がこうした設備や技術を導入する場合、初期コストや操作方法の習得、機器の維持などの負担が大きくなる恐れもある。そのため、農業のスマート化にあたっては、個々の農家任せにせず、補助金制度や操作法の講習会といった機会を設けるなど、行政も一体となってその推進に取り組むべきである。(300字)