2021 群馬大学 共同教育学部 一般入試 小論文 模範解答

小論文1
問一:200
インターネットで情報を得ようとするとき、グーグルなどの検索エンジンは、私たちの過去の検索や履歴に基づいたものを表示する。そうすると、私たちは知らず知らずのうちに自分の好みに近いものしか目にしなくなる。その結果、いいとこ取りをしていることを自覚しないまま、自分の政治的見解や文化的思考、科学への信念について批判的に吟味し、場合によってはそれを捨てたり変更したりする柔軟な態度が失われてしまう。(195字)
 



問二:400
気づかないうちに自分の立場に近いものばかり摂取した結果、柔軟な態度を失うことを避けるために、私は、自分の立場とは違う人の考えに触れる機会を積極的に作る必要があると考える。いいかえれば、日ごろから能動的な情報の摂取を心がけるべきである。
たとえば、本を選ぶとき、自覚的に興味があるものだけでなく、普段読まないようなジャンルやタイトルのものもあえて手に取ってみるとか、SNSにおいても、自分の考えに近いアカウントだけをフォローするのではなく、反対の立場の人もフォローし、多様な意見を目にする環境を意図的に作るといったことを実践している。
これは手間のかかることであり、忘れてしまうこともあるが、ワンクリックで済ませるところを、あえて別の検索結果を見てみるといった小さなことから始め、日頃からの心がけによって継続していくことができる。(360字)
 
小論文2
問:400
私は、子どものころの著者に対して、「とても面白い目標だから、もっと話をきかせてほしい」と声をかける。一般に、子どもが自分の夢を口にしたとき、周囲の大人がどのように反応するかは、その子の将来にとって重要な要素であり、まずは積極的に褒め、子どものやる気や自己肯定感を高めることが必要だろう。さらに、自分の夢について語らせることは、子どもが自分の思いを言語化する機会を持つことである。言葉にして他人に伝えようとするなかで、子どもは、自身が気づいていなかったことや、いまの自分に足りないものに気づくだろう。同時に、自分の興味が最も強いのはどこなのか、どうすれば夢の実現に近づけるのかといったことを具体的に自覚することにもつながる。こうして、他者と対話するなかで、子どもは自分の考えを明確にし、自己知をブラッシュアップしていく。私は、その手助けになるような言葉をかけていきたい。(384字)
 

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