2020年度 大阪教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程 小中家政教育コース 小論文 模範解答

設問1

問1

生活することは生の宿命である。というのも、生活とは人間と環境との相互作用によって生み出される営みであるからだ。それゆえ、人間は自己の生命を維持するために、さまざまな環境と関わりながら生きていかざるを得ない。特に衣食住は、人間からの距離に差異があるものの、人間の生命を維持するために欠かせない重要かつ基本的なことであるため、いずれも人間の生を支えるという点において同じ「生活」であると考えられる。(197字)



問2

住居が持つ保護的機能とは、人間の生活を外界から保護するというシェルターとしての役割である。というのも、住居によって人間は雨や風、暑さや寒さなどの自然の力から保護され、さまざまな行為を円滑に進めることができるからだ。また、これらの自然力のほかにも、外界には猛獣、毒をもった動物、敵対関係にある人間などが存在し、住居はこれらの外敵からも人間を保護してくれる。住居の社会的機能としては、家族や地域社会とのコミュニケーションの確立などがあげられる。なぜなら、ある特定の場所の居を構えることは、地域社会の人々との接点として住居が基盤を成すとともに、住居があることによって家庭が形成され、生活における人的接触の中心的な場となるからだ。住居の精神的機能とは、住居が人々の安息の場となり、精神的なやすらぎをもたらす点にある。というのも、住居においてわれわれは家族とのだんらんを過ごしたり、睡眠や休息をとるからだ。(398字)



設問2

問1

図1からは、平成10年には三千件あった食中毒の事件数が平成30年には半数の千五百件以下まで低減した点が読み取れる。また、それに伴い食中毒患者数もおよそ四万五千人から二万人を下回るまで減少していったことが確認できる。図2からは、近年はウイルスや細菌による食中毒患者が千人単位で発生する点が読み取れる。特に12月から翌年3月までウイルスや細菌を原因とする食中毒患者数が他の月に比べて増加することも確認できる。(199字)



問2

図2より食中毒患者の発生の要因となっているのは、細菌やウイルスが主であることがわかる。食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食物に付着し、体内へ侵入することによって発生する。したがって、食中毒を防止するためには、細菌やウイルスへの対処が必要になるといえる。そこで、家庭および個人において食中毒に注意するために必要なことは、大きく3つあると考える。第一に、調理時などに手を洗浄することが挙げられる。というのも、食中毒の原因菌やウイルスが食物に付着することを防止しうるからだ。第二に、食品を加熱調理することである。なぜなら、ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するからだ。第三に、食品は新鮮なうちに調理し、料理は作ったら直ぐに食べるようにしたり、調理済みの食品や弁当なども購入後、すぐに食べるようにすることである。というのも、時間の経過とともに細菌は増殖するからだ。(385字)


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