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2023年度 岡山大学 歯学部 歯学科 学校推薦型選抜 小論文 模範解答

問1.
少数派の者が、多数派の者たちと同様に考えたり行動したりすることを暗黙のうちに強制されること。(46字)

問2.
Aの鉛筆の方が長いと確信できるにもかかわらず、多数の者がBと回答する事態が不可解であると感じたため。(50字)


問3.
 同調圧力の良い面として、集団の意思決定がスムーズに行われる点が挙げられる。というのも、適度な同調圧力があれば、周囲の意見や行動に対して信頼感が生まれ、協力し合う雰囲気が醸成されると考えるからだ。
 他方で同調圧力の悪い面として、多様な意見や考え方が許容されなくなる点が挙げられる。というのも、少数意見を持つ人は同調圧力によって「多数意見に合わせなければならない」といった無言のプレッシャーを感じやすくなり、多数派の意見とは異なった考え方を示すことができなくなるからである。
 それでは、同調圧力によって生み出される弊害に対してどのような対応策が考えられるだろうか。同調圧力によって生み出される弊害として、多様な意見や考え方が許容されなくなり、集団の意思決定が偏ったものになる点が挙げられる。その結果、多様な考え方や意見が本来吟味されるべきであったにもかかわらず、同調圧力によってその集団が誤った判断を行う可能性を回避できなくなる。したがって、集団の意思決定の場などにおいて同調圧力が生じることを抑止するために、集団における立場や年齢などにかかわらず、どのような人も自由に発言することが可能な、安全な議論の環境を整える必要があると考える。
 また、「多くの人がこのように考えているから、自分もそのようにしよう」と考えるのではなく、集団における一人ひとりが個人の基準や価値観にもとづいて判断をすることができる雰囲気や文化を醸成する必要があると考える。というのも、同調圧力は「多数派の意見」を判断基準にすることによって生まれるからだ。したがって、個別に意思を確認することのできる手段や場を確保することが同調圧力による弊害への対応策として有効だと考える。たとえば、個別の意見や考え方をアンケートとして集めたり、個別に気軽に話し合う機会を設けたりすることなどが考えられる。(777字)


問4.
 所属する高校において、私は他の生徒の代理として普段は参加することのないある委員会に参加した。この委員会では、議題について委員長が案を述べ、その案について誰も意見を述べたり、検討されたりすることもなく、決が採られる進行が続いた。議題のなかには、議論を行う必要のあると思われるものもあった。本来であれば、委員会という議論を行うべき場において、形式的に議事が進行する事態に異を唱えることもできたはずである。しかし、形式的な議事の進行が当然であるとされる同調圧力を私は感じ、私も他の生徒たちに追随することとなってしまった。
 この委員会においては、同調圧力に従っても問題はなかったのかもしれない。しかし、集団の意思決定を行う重要な場などでは、このように同調圧力に任せて自身の行動を多数派に容易に合わせてしまうことは不適当だと後になって反省をした。というのも、自身の意見や考え方を表明しなければ、自分がそこにいないことと同じになってしまうからだ。
 また、同調圧力によってなされた集団による決定が誤っている場合も考えられる。したがって、多様な考え方や意見が広く開示されたうえで、議論が行われる必要があるといえる。そのためにも、同調圧力を感じた際の対応のあり方を学んだり、同調圧力が発生しないような仕組みを整備したりすることが、集団において健全な議論を行うために不可欠だと考える。(580字)

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