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2022年度 東京学芸大学 A類 初等教育専攻 国語コース・B類 中等教育専攻 国語コース 学校推薦型選抜 小論文 模範解答

2022 年度 東京学芸大学 学校推薦型選抜 A 類国語コース、B 類国語コース 模範解答

問1
 多文化共生社会は、文化や宗教といった背景の異なる人間たちによって構成される。背景が異なれば、ものの見方や感じ方もまた多様である。成熟型の社会では、多様性が社会の持続可能性を約束すると理解されているので、さまざまな感じ方が無理に狭い範囲に強制されないし、そうした感性を表出することも自由である。しかしそうである以上、成熟型の多文化共生社会では、さまざまな意見がまとまりを欠いた状態になりやすい。そればかりか、そうした状態は容易に意見対立を招くだろう。筆者はそれを「みんなちがって、たいへんだ」と表現している。しかし、多様な意見をひとつに強制したとしたら、その社会は共生社会ではなくなる。だからこそ、多文化共生社会では、文化を超えて、さまざまな意見をうまくまとめる調整能力が要求されている。こうして、「異文化理解能力」とは、多くの人間同士の関係を取りもちつつ、合意を形成する能力と解されている。(395 字)

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