2021年度 大阪教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程 小中家政教育コース 小論文 模範解答

設問1

問1

図1より我が国においては1973年以降、出生数が減少する傾向が確認できる。また、この傾向に伴い合計特殊出生率も低減し、団塊の世代が出産適齢期から完全に抜けた1989年には1966年のひのえうまの数値1.58をも下回る1.57となり、少子化問題が深刻化した。その後も徐々に合計特殊出生率は減少していき、2005年には過去最低の1.26にまで減少した。その結果、第二次ベビーブーム時には約200万人いた出生数も2019年には約86万人まで減少している。(199字)


問2

待機児童が解消しない理由は、第一に共働き世帯の保育需要が高まっているからだと考える。というのも、政府や各種企業による男女共同参画社会形成の推進もあり、出産後も働き続ける人が増加することによって、保育園などの保育利用率が高まり、保育需要を満たすことができない子どもたちが待機児童となっていると考えられるからだ。また、女性の社会進出の影響のみならず、景気の低迷により、子育て世帯の平均所得が落ち込んだことなども背景にあると考えられる。第二に、人口も多く保育需要の高い都市部においては、保育園等の保育施設のインフラ整備が進展していないことが考えられる。というのも、都市部では土地や家賃が高く、保育施設のための用地の確保が難しいうえに、人手不足の保育士も集まりづらいと考えられるからだ。したがって、待機児童を減らすには受け皿を増やすのが近道であるものの、保育士や用地の不足が足かせとなっていると考える。(397字)


設問2

A:炊く B:蒸す C:日本酒 D:餅


うるち米ともち米とは飽和吸水量に差異があり、うるち米が米重量の20~25%であるのに対して、もち米は40%程度である。つまり、うるち米よりももち米のほうが水分を吸収しやすいといえる。したがって、米の吸水量に差異があることによって、異なる調理法が求められると考えられる。たとえば、うるち米に水を加え、炊いて加熱調理するのは、うるち米がもち米に比して水分を吸収しないからであり、十分な水分の吸収がふっくらとした食しやすいご飯を作るために必要であると考えられる。他方で、もち米は米の倍の水分を吸収する。したがって、炊飯すれば米が水面から出てしまうため、均一な糊化が難しく、柔らかくなりすぎると考えられる。それゆえ、必要な熱と水分を加える「蒸す」調理法が用いられていると考える。また、もち米は吸水だけの水分では固くなることが予想されるため、蒸している途中に2~3回の振り水をする必要があると考える。(392字)


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