
2022年度 高崎経済大学 地域政策学部 一般入試 前期試験 小論文 模範解答
問1
日本の食が「優等生」に見えるのは、図1が示すように日本の肥満率がOECD諸国のなかで非常に低く、図2が示すように食肉消費量も他の先進国と比べて多くないからである。(79字)
問2
食の安心という表現は、安全に関連した半ば心理的な内容を指すこともあれば、低い食料自給率を踏まえて、安全な食の量的な確保を指すこともある点において曖昧である。(78字)
問3
筆者は、食のことは政府に任せていればよいというパターナリズムが、複雑化する食の現状と相まって、人々の食への関心と行動を阻害していると述べる。私はこれが脳と食を取り巻く課題だと考え、こうした他人任せの状態から脱し、私たち一人ひとりが食について主体的に学ぶことが必要だと考える。
食の課題について学ぶ際には、私たちの手元に届く食品について知るだけでなく、食を生産する農業も一体的に把握しなければならない。なぜなら、食と農を取り巻く状況は、それぞれを結びつける要素が関連しあい複雑なシステムを形成しているからである。
具体的には、私たちの日々の生活のなかに野草や果実の採集、家庭菜園、市民農園や体験農園、農村での農作業交流など、みずからの食の生産とじかに接する機会を作る。こうすることで、私たちの日常的な考え方に食と農の問題を埋め込み、行動規範を変革していくという草の根の試みが重要である。(390字)