![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93859900/rectangle_large_type_2_91704d5466c4a5f5f732e6c453b068fd.jpeg?width=1200)
2022年度 早稲田大学 スポーツ科学部 一般入試 小論文 模範解答
【オンライン指導 個別指導 添削指導】総合型選抜(AO入試)/学校推薦型選抜(推薦入試)・小論文対策専門塾・予備校 『潜龍舎』
オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」
図によれば、ヒトの二足走行の100m走の世界記録は、100年近い蓄積があるなかで徐々に短縮され、20世紀後半からは10秒を切るまでになった。しかし、その短縮の幅はとりわけ近年においては非常に狭くなっている。これに対して、四足走行の世界記録はまだ10年ほどのデータしかないが、その短期間において大きく短縮され、18秒を超えていたところから16秒を下回るまでになっている。
以上を踏まえると、二足走行の世界記録を縮めることはきわめて困難であるのに対して、四足走行の記録を縮めることは、より大きな可能性を秘めていると言える。なぜなら、図が示すように、ヒトが四足でもかなり速く走れることは確かであり、直立二足歩行に適した身体を持つヒトでさえ、四足走行に短期間で大幅な改善が見られたからである。もちろん、現段階ではどこまで速くなるかは不透明である。しかし、数年で2秒以上も短縮されたという事実は、四足走行について、フォームなどの研究が発展途上であり、その進展を通じて今後さらなる短縮が見込まれることを示している。
そこで、四足走行の研究を促進するために、四足走行の普及を行うべきであると考える。たとえば、四足走行を陸上競技の種目に加えたり、小中学校の授業や運動会に取り入れたりすることで、子どもから大人まで、四足走行に慣れ親しみやすい環境を作ることが考えられる。その結果、四足走行が社会的に広く認知され、競技人口が増えるようになれば、四足走行の研究もさらに進むと思われる。
また、こうした普及に向けた取り組みと並行して、競技および研究の組織化も必要である。たとえば、総務、財務、広報などのマネジメントを行う部署や、監督・コーチといった指導スタッフはもちろん、技術・戦術を高めたり、医療的なサポートをしたりする人員も必要である。
以上のように、ヒトが持つ潜在的な能力の解明に向けて、四足走行を普及させ、その研究を発展させていくために、長期的な視野を持った環境と体制の整備を行うべきであると考える。(830字)