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2020 立教大学 自由選抜入試 異文化コミュニケーション学部 小論文 模範解答
問1
i:一方では欧米列強による統治を悪と見なし、そこからの脱却を称揚するが、他方で、アジア地域は日本を中心にまとまってこそ繁栄がありうるのだから、日本による統治は正義であり、そこからの独立は許されない(96字)
ii:筆者が指摘する「日本のアジア主義の双面性」は、アジアで同種の独立運動が複数起こっても、その相手が欧米であるか日本であるかによって正反対の評価を下す不公平を表す。私は、こうしたダブルスタンダードは、当時の日本の帝国主義的な政策と通底するものであると考える。すなわち、日清戦争や韓国併合、満州事変などに代表される朝鮮半島および中国大陸への拡張政策と、第二次世界大戦における東南アジアへの侵攻も、行為の内容は欧米列強と同じであり、現代では侵略行為という評価で定まっているが、当時の日本では欧米からのアジア解放を建前としており、「大東亜共栄圏」や「八紘一宇」といったスローガンによって正当化された。(295字)
問2
外来語として他言語に定着した日本語の例として、私は「絵文字」を挙げる。絵文字は、1990年代後半に日本の携帯電話の機能として生まれ、感情や表情を手軽に表すことができるため、広く使われるようになった。現在では、複数のモバイルOSに組み込まれることで、世界中で使用されている。それに伴って、“emoji”も英単語として定着・普及した。
この単語が英語に定着した理由は、絵文字そのものの便利さに加えて、他の英単語との類似にあると思われる。つまり、“emoji”は、「感情」を意味する“emotion”や、絵文字と同様の機能を持つ「顔文字」を意味する“emoticon”と似た綴りをしているため、英語圏の人々にとって馴染みやすく、新たな英単語として受容されたと考えられる。(298字)