
2020年度 兵庫医科大学 看護学部・リハビリテーション学部 学校推薦型選抜 (専願公募制前期日程) 小論文 模範解答
【オンライン指導 個別指導 添削指導】総合型選抜(AO入試)/学校推薦型選抜(推薦入試)・小論文対策専門塾・予備校 『潜龍舎』
https://www.yu-hikai.com/ao
図1では、画面上部に書きなぐるようにして描かれた雷雨によって、空の暗さや、雨が家の屋根を叩く様子が表現されている。また、画面下部に描かれたトラックも、車体が不自然に長く、画面をはみ出してしまっているなど、通常の形とは異なっている。これらは、N男くんの喘息の苦しさを反映したものだと思われる。反対に、図2では、N男くんの体調が落ち着いたため、公園にある遊具や噴水などが、ひとつずつ判別可能な仕方で丁寧に描かれている。
以上を踏まえて、発作がおさまった直後のN男くんに接する際に、私は、図1を描いたときの彼の気持ちや体調に寄り添うことを第一に考えたい。この絵はたしかに奇妙な印象を与えるが、そのときのN男くんの身体の状況が自然に現われたものである。それゆえ、図1を否定したり責めたりするのではなく、N男くんの喘息の苦しみをいたわりながら、どのようなものを描こうとしたのかを優しく尋ねていくことが大切である。そうした対話を通して、絵に対する興味や関心をN男くんと共有するとともに、N男くんに自信や達成感を経験してほしいと考える。(460字)