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2022年度 下関市立大学 前期日程(全学科共通 小論文「論述(長文理解)」 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」




設問1
フリーライダーの視点から見た労働組合の問題について、筆者はふたつの観点で論じている。ひとつは、非組合員が組合費を払わずに組合によるサービスを享受できてしまうという問題である。たとえば非組合員は、組合員と職場環境を共有している以上、その職場環境の改善の恩恵を受けることができる。組合による労働環境の改善へのこうした「ただ乗り」は不公正である。もうひとつ筆者が指摘している問題は、この不公正さから生じる、組合脱退
者の必然的な増加である。たとえフリーライダーの割合が少なくても、ただ乗りによる不公正な状況への不満により組合を離れる者が出てくる。この脱退はさらにその他の組合員の脱退を誘発する。そうして、組合の加入者数も収入も減少してしまう。このふたつの問題は、組合を組合員のニーズに応える組織へ変えても解決されないので、労働組合の問題がインセンティブの問題にとどまらない難しいものであることが分かる。(397 字)



設問2
私の身近に発生しているフリーライダーの事例は、文化祭の準備に協力的でないうえ、文化祭当日、クラスの催し物の手伝いもせず遊びまわるクラスメイトである。彼らが非協力的である分催し物の準備が進みにくくなるし、協力的な人も馬鹿らしく感じられて作業はさらに非能率的になる。また、皆で協力して楽しむという文化祭の目的から外れるので、多くの人にとって文化祭を楽しむモチベーションも低下する。こうした悪影響を減らす方策として、担任教師による文化祭の意義の説明が効果的である。というのも、私の見るところ文化祭のフリーライダーは、文化祭の楽しみ方を理解できていないからである。当日に催しを楽しむというのは文化祭の副次的な意義にすぎない。むしろ、文化祭の意義は、クラスの皆で共に催しを考え、共に準備し、当日の来客対応にあたるという協同作業にある。したがって、準備自体も楽しいイベントだという周知徹底が必要である。(395 字)

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