留置場ってどんなところ?(地獄の沙汰も金次第)
警察官時代の1年半、留置場で看守をやっていました。今回はその体験談です。
生きた証拠
留置場とは何か。
逮捕された人(被疑者)が入るのが留置場です。
被告人(起訴された被疑者)も一部います。
拘置所に移送になるのを待っているのです。
これらをまとめて留置人と呼んだりもします。
「留置人」とは留置場にいる人、という意味で法律的な身分ではありません。
私は警察官時代の1年半を留置管理課の看守係として過ごしました。
その時の体験談です。
留置場内で留置人は様々なことが制限されます。
食事は朝昼晩、みんな同じ時間に同じ物を食べます。
メニューは貧相なものです。
もちろん無料ですね。
税金です。
そもそも金なんて持ってない連中がほとんどですし。この辺は様々な意見があるかと思います。
語弊があるかもしれませんが、私なりに一つ言えるのは、彼らは生きた証拠であるということです。
彼らの供述が秘密の暴露や調書となり裁判での証拠となります。
それなくしては事件の真相は分かりません。
ですので、自殺されたり、逃走されたりするのはもちろんのこと、怪我をされることもあってはならないのです。
留置場にはどうしようもない人間もたくさんいました。
しかし、私は捜査機関に属する者として、この連中は人としてはともかく、「生きた証拠」だから適切に管理しなければならないという考えを持つようにして勤務していました。
そう思わないとやってられないという部分もあります。
例えば、ケツの粉瘤が破裂したために、1日に何度も軟膏をケツに塗ってあげなければいけない被疑者がいました。
でっぷりと太ったおっさんで詐欺の被疑者。
ゴム手袋をして、1日に何度もそいつのケツに軟膏を塗ってやってる時などは「俺はこんな事をやるために警察官になったわけじゃない!」と内心では思います。
そう思いながら、「生きた証拠だから適切に管理しなくてはいけない。それが俺の任務なんだ。そう、生きた証拠。生きた証拠。」と心を落ち着けていました。
地獄の沙汰も金次第
留置場では、週に1回、警察署内の売店の煙草やお菓子などの購入が書面で申込みできます。
警察署内の食堂のカツ丼やカレー等を正規の食事に加えて食べることもできます。
それもこの時申込みます。
だから、金のある奴は毎日カツ丼や牛丼を食べたり、房の中でお菓子をボリボリ食えるのです。
金の無い留置人は、提供される貧相な食事だけ。
自分は貧相な食事だけで毎日カツ丼を隣で食べられたらたまらないですよね。
留置場まで来ても、金によって残酷なまでの差が生まれます。
まさに地獄の沙汰も金次第です。
今回は以上になります。
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