警察官の仕事ってどうなの?(命を削って働く)
交番で当直勤務すると身体はどうなるのか?
是非読んでいってください。
命を削って働く
交番勤務は当直→非番→週休のサイクルで仕事をする3交代勤務です。
「3日に1回しか働いてないじゃん、楽そう。」と思いませんか。
しかし、実際は交番で当直が終わり非番になると体はボロボロです。
冗談抜きで、「命を削って働いている」と実感できるくらいでした。
当直中は常に緊張を強いられ、張り詰めた糸のようになっていることが多いです。
例えば人身事故現場などでの交通整理中です。
人身事故現場では、大破した車があったり、停車したパトカーが赤色灯をつけて何台も停車していますよね。
こんな時、運転中でも「何があったんだろう?」と気を取られませんか?
こういう脇見運転している車が、付近で交通整理中の我々に突っ込んで来たらもう終わりです。
そう、ゲームオーバーですね。
実はこれ、殉職で最も多い原因なんです。
ナイフで刺されて殉職する警察官なんてほとんどいません。珍しいからすぐに全国ニュースになるんです。
臨場指令
事件事故の現場にいなくても、交番で座って書類作成をしている時も気が抜けません。
自分の交番の管内で事案がいつ入るかわからないからです。
次々と無線に流れる事案を聞きながら自分の管内の事案だったらすぐに現場の住所を正確にメモしなければなりません。
もちろん聞き逃した場合、もう一回指令台に聞き直すことは可能です。
しかし、そんなことは滅多にあってはいけません。
個人的には、100回のうち1回位であれば許容範囲って感じです。
もちろん臨場指令はパトカー運転中でも容赦なく来ます。
1人で運転中の場合は路肩に停めて、すぐにメモしなければなりません。
交通量が多くて停車に手間取ることもあります。
しかし、焦って乱暴な運転は決してできません。市民は警察官を見ています。
見ているのは市民だけではありません。
新人の1年間くらいは、恐い上司が隣でこちらの一挙手一投足を窺っています。
「指令が速くてメモできませんでした」なんてことは、警察官人生で初めての指令でも許されません。
容赦なく怒声が飛んできます。
手が出る警察官もいます。(少なくとも私が現役だった10年前まではそれなりにいました。)
私の後輩の巡査は機嫌の悪い係長(警部補)に3回頭を殴られて、たんこぶができていましたね。
殴られた理由は臨場指令をメモできなかったことです。
私の前で殴られていたのですが、助けようはありませんでした。私もたかが巡査長でしたから。
まぁ、そんな感じで上司と狭い箱の中で24時間です。
仮眠は4時間ありますが、状況によっては寝ないで当直を過ごします。
更に着ているのは普通の服ではありません。
警察官の制服です。
街に一步出れば見られている感がハンパありません。
眠くてもあくびなんか決してできないのです。
改良はもうやめて!
更に身体を痛めつけるのが、装備品です。
まず耐刃防護衣。
これが事件の度に改良が施されて、どんどんと重くなっていきます。
警察官が脇腹を刺された事案がどこかの県で発生すると、「脇腹も守らなくていけない!」ってことで改良されます。
私が警察官になったばかりの頃は鉄板一枚をチャックで前に挟むだけの防護衣でした。
改良が進む度に金属の部分が増えていきます。
「よし、これで更に安心だ!」なんて思いません。
心の中では「重くなるから、改良はもうやめて!」って感じです。
私が辞職した頃は、さながら中世ヨーロッパで騎士が使っていたような鎖かたびらのようなモノになっていましたね。
背中も脇もびっしりチェーンが詰まった防護衣です。
非番に更衣室でその防護衣を床に降ろす時は、本当に「ガシャッ」という音がします。
音でその重さを実感するとともに、外した時は凄まじい解放感でしたね。
他にもけん銃、警棒、無線機などをぶらさげた帯革を腰につけて1当直過ごすと、腰がひん曲がりそうなくらい痛くなります。
さらにけん銃のホルスターがどうしても骨が出っ張った所を圧迫してしまい、交番勤務していた3年半、ずっと青あざになっていました。
身体のメンテナンス
さて、私はシャワー派で、ほとんど風呂は入らないのですが、警察官のころは週休に必ず長風呂に入ってゆっくりと腰を温めていました。
整骨院、接骨院なんかもよく行っていましたよ。
非番、週休は主に身体のメンテナンスをして過ごしていましたね。
警察官の頃の生活は、仕事のために身体を休ませる、という感覚でした。
今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。