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NFTマーケットプレイスの闇

NFTマーケットプレイスが注目されて数か月が経ったけれど、まだまだNFT商取引が一般的とは言えないように見える。楽天がNFTマーケットプレイスに参入するとして、報道があった。

発表の時とは変わって静かにサービスローンチしたように思う。

楽天のIDを持っていれば、そのIDとパスワードでログインできる。新たな利用規約に同意する必要はあるけれど、楽天のサービスを使ったことがあれば戸惑うことは無いと思う。

並んでいるNFTを見たけれど、日刊スポーツとウルトラマンの写真コンテンツが売り切れで並んでいた。これをコレクションアイテムとして買うことができて、売却することもできる。

詳しくは分からなかったが、出品できるNFT作品は楽天NFTが用意したもののように見える。安心できる反面、スケールしていかないように思えた。ウルトラマンのコレクションアイテムは、随分高値で取引されているようだけど、この先の展開は、どうなるのだろうか。


自由にできるNFTマーケットプレイスはカオスな状況を示している。「THE FASHION LAW」の記事は、NFTマーケットプレイスの無法地帯について警鐘を鳴らしている。

この記事で指摘しているのは、NFTが、クリエイター、ブランド、消費者を熱狂させているということ。そうした熱狂はマーケットプレイスに流通するNFTに偽物を混入させる。それはまるで嵐のようだとしている。

NFT marketplaces are facing off against a perfect storm of fakes.

他人の作品や商標を勝手にNFTとして鍛造(ミント)し、マーケットプレイスに流通させているという。場合によっては偽造が申し立てられている。

Shedding light on the issue of infringement when it comes to the explosive rise of NFTs, OpenSea stated in a string of tweets in January that it has experienced a “exponential” increase in “misuse” of its free minting tool, and that “more than 80 percent of the items created with this tool were plagiarized works, fake collections, and spam.”
OpenSeaは、1月に一連のツイートで、同社の無料造幣ツールの「悪用」が「指数関数的に」増加し、「このツールで作成されたアイテムの80%以上が盗作、偽コレクション、スパムだった」と述べ、NFTの爆発的増加に関する侵害の問題に光を当てています。
※このツイートは記事に画像が掲載されている。


Aja Trierの作品が無許可で鋳造されていたという。

アート作品だけに留まらず、シャネルやシュプリームなども無許可で鋳造されているという。

ジャック・ドーシーのツイートを売却したNFTプラットフォームの共同創業者は、次のように語っている。

Cameron Hejazi told Reuters that the sale of certain NFTs – namely, ones that consist of “unauthorized copies of other NFTs,” “content that does not belong to them,” and “sets of NFTs which resemble a security” – is a “fundamental problem” in the fast-growing digital assets market.
Cameron Hejaziはロイターに対し、特定のNFT、すなわち「他のNFTの不正コピー」、「所有権のないコンテンツ」、「証明書に類似したNFTのセット」からなるNFTの販売は、急成長するデジタル資産市場における「根本的な問題」であると述べています。

プラットフォーマー側としては、手が付けられないということを言っているのだろうか。急成長する商習慣、その黎明期にはつきものと取れるような発言だろう。

メディアは、このような状況について法律の不備であると主張している。

The Wall Street Journal, for instance, recently stated that “government policies haven’t caught up to this technology, so it isn’t entirely clear what legal consequences there might be for someone who creates an NFT of someone else’s art.”
例としてウォールストリートジャーナルは最近、「政府の政策がこの技術に追いついていないため、他人のアートのNFTを作成した人にどのような法的影響があるかは完全には明らかではない」と述べています。

また、ウォールストリートジャーナルの次の指摘は引用するまでもなく、以前から言われていたこと。

“It is possible for anyone to make an NFT of any image or video, even if he or she doesn’t own the copyright for the image.”
誰でもが、そのイメージやビデオの著作権を保持していなくても、そのイメージやビデオのNFTを作ることができる。


結局のところNFTとは何かということが論点になっているのだろう。現物と紐づけられたNFTは現物の何を、どのような権利を侵害しているというのか。記事では弁護士のコメントを引用しつつ、NFTを鋳造できる権利も知的財産に付随しているという論調が続く。そして個人が参加するNFTマーケットプレイスは、不正に関して草の根的な削除依頼が対応方法として紹介されていた。もぐらたたきのようである、と。

こうしたことはホームページ(WWW)の黎明期でも起きていた。削除依頼というか、リンクを外してほしいとか、使われながら暗黙のうちに慣習として整備されてきたように思える。

オープンシーにしてもセントにしても、不正取引を監視する人員を増加し、不正に当たっては厳密に対処するとコメントしている。そういえば、メルカリも、不正な出品を監視する人を雇っていたような気がする。

冒頭の楽天NFTを鑑みると、これってNFTである必要があるのだろうか。デジタルトレーディングカードのショップのように見えてしまう。今後の展開についても注視していきたい。



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Tsutomu Saito
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