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ポラリス保健室だより 2月

花粉症のシーズン突入

立春を迎え暦の上では「春」という季節になりました。
毎年この時期が憂うつで仕方がないという方は多いと思います。
今や4人に1人が花粉症といわれています。
鼻水がとまらず、クシュクシュ、ムズムズ
目がショボショボ、涙がとまらない
喉はイガイガ、かゆい
集中力は欠如し、イライラもつのる。
しかも、症状は突然始まるという印象が強いのではないでしょうか?

花粉症もアレルギーの1つです

アレルギーというと身体が受け付けない、拒否反応というイメージがあると思いますが、アレルギーとは、「免疫機能が過剰に反応してしまい、身体に症状がでてしまうこと」をいいます。
ギリシャ語のallos(other,変じた)とergo(action,作用・能力)とに由来し「変じた反応能力」ないしは「変作動」という意味だそうです。
花粉症も花粉に身体の免疫機能が過剰に反応してしまい、クシャミ、鼻水などの症状がでてしまうアレルギー反応の1つです。

花粉症発症のメカニズム

人間には、ウイルスや細菌も含め外部刺激から守るためのバリア機能(免疫機能)が備わっています。この免疫の働きによって人間の身体は病気になりにくくなっているわけです。
本来、花粉は人間の身体に病気を引き起こすウイルスや細菌ではないのですが、人間の身体の中にあるものではありません。ですから、人間の身体は花粉を「異物」と認識しして、身体の外へ追い出そうとするわけです。その時に作られるのが「抗体(IgE抗体)」と呼ばれるものです。
IgE抗体は花粉の種類ごと、花粉に接触するたびに作られ身体に蓄積されていきます。ある一定の抗体量が作られると、次に身体に花粉が入ってきたときに免疫機能が発動します。

花粉症になった?

花粉症の三大症状は、クシャミ、鼻水、鼻づまりですし、咳がでる方もいるので、ウイルスなどによるいわゆる風邪との区別がつきにくいですよね。
風邪症状との違いは、
・鼻水はサラサラとした透明なもの
・微熱が出る方もいるが、高熱は伴わない
・晴れている日や雨上がりの日に症状が悪化する傾向がある
・症状が1週間以上続く(花粉の時期が終わるまで続く)

といわれています。
しかし、必ずしも断定できるものではありませんので、医師の診察を受けることをおすすめします。
アレルギーの検査などを受けることで、花粉症かどうかはわかります。

花粉症対策

症状緩和のためにはどうすればいいでしょうか?
1.花粉が身体に侵入するのを防ぐ
 花粉との接触を避けることで症状が現れるのを防ぐことができます。
 洗濯物や布団はできるだけ外干ししない。干したのなら取り込むときには 
 できるだけ花粉を取り除く。
 外出先から戻ったら、衣服についた花粉をできるだけ取り除く。
 花粉がつきにくい素材の衣服を身につけることも有効です。
 マスク、めがね、帽子を着用する。
 外出先から戻ったら、洗眼、鼻うがい、のどうがい、洗髪をする。
2. 症状がほんの少しでも出始めたら薬の服用を始める
 症状の出現開始を遅らせたり、症状の重症化を防ぐことが期待できます。
 医療機関に受診をして薬を処方してもらうことをおすすめします。
 ドラッグストアなどで購入する際には、必ず薬剤師に相談した上で購入し 
 ましょう。
3. バランスの良い食事、禁煙、節酒、質の良い睡眠の生活習慣を意識する
 免疫力を向上させることで、症状の緩和につながります。
 毎日の生活を整えていくことで免疫力は高まっていきます。

花粉症の治療法

大きく分けて、症状緩和が目的の“対症療法”と呼ばれるものと、対症療法の効果があまり期待できない場合に適応となる“根治療法”の2タイプの治療法があります。
対症療法は、症状があるときに症状を抑える、緩和する治療法です。
目薬や点鼻薬、飲み薬、レーザー治療などがあります。
根治療法は、アレルゲン免疫療法と呼ばれるもので、アレルギーの原因となるアレルギー物質(アレルゲン)、ここで言えば花粉のアレルギーを起こす成分をごく少量ずつ投与することで、アレルゲンに対して体が反応しないようにするための治療で、以前は「減感作療法」とも呼ばれていました。
アレルゲン免疫療法に使われる薬は、注射によるものと舌下製剤(ラムネ状の薬を舌下に投与する)によるものの2つのタイプがあります。
どちらも治療期間が2年以上(3〜5年が推奨)必要になります。
いずれにせよ、アレルギーの専門医に相談し、治療法をしっかり理解し、自分で選択していくことが大事です。

健康管理(疾病予防)に主体的に取り組みましょう

花粉症に限らず、日本では「国民皆保険制度」のため、
「誰でも」「いつでも」「どこでも」
「同じレベルの治療」が「同じ費用負担」
で受けられるしくみがあります。そのためか、病気にならないように予防するという意識がやや薄く、
治療を受ける際も、医師の言うとおりやいわれるがままの治療(おまかせ治療)を選択しがちです。
医師が治療を行う際には、インフォームドコンセント(説明と同意)といって患者さんに対してその治療に必要な情報を理解できるように説明し、治療を行う許可を得なければなりません。
「自分の身体は自分がいちばんよくわかっている」
自分の専門家は自分自身です。
病気や治療についての知識を日頃から身につけ、予防や主体的な治療選択ができるようにヘルスリテラシーを高めていきましょう

【参考文献】
日本アレルギー学会・厚生労働省アレルギーポータブル https://allergyportal.jp/

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