服が変わったら、自分が解放された話
こんにちは、ちひろ@自由七科です。
「たくさん持っているのに着る服がない」「何を買ったらいいか分からない」など、服に関する悩みは様々。でも分析してみると、大体3つの要因に分かれるそう。その3つとは「好き迷子」「ベーシックアイテム不足」「コーディネート下手」。
自分の悩みの原因を明確にしながら、自分らしい装いをつくっていく自由七科のスタイリング講座。私も第2期を受講し、先日修了しました。今回はそこで起きた自分の変化について綴ってみます。
「私は好き迷子」ダサい自分を認める
私が今回受講した理由は、服がなさすぎるから。出産、引っ越しを経て断捨離を繰り返した結果、気づいたら公園に着ていく服しかなくなっていたという話を以前書いた。
初回の講義でファシリテーターの南部彩子さんからズバリ言われた一言。
「典型的な好き迷子ですね。」
目の前の画面に映し出されているのは、好きでもない自分の服がプロットされたマトリックス。好き×使用頻度で自分のワードローブを棚卸しするワークだ。かつて好きだったはずの服さえ、「好き」と思えない。流行りが変わったからなのか、しっくりこない。
でも自分が「好き迷子」だったとは。「いや、自分の好きな服ぐらいわかってますよ。」という気持ちでいたけれど、子育てに専念してたとはいえ、1枚も好きな服がないという現実。「この講座の企画から関わってるし、服は自分を表現するものと思ってる。だから好き迷子なわけない。」そんな誰に対してかもわからないプライドを、まず捨てることから第1回目はスタート。
服と思いを行き来して、自分の装いをつくる
講座では、服の知識よりも先に、自分はどんな装いをつくりたいのか、ということを掘り下げていった。「自分」と一言で言っても、自分の中にもいろいろなモードがある。仕事中の自分、家族で外出するときの自分など。その中でフォーカスしたいモードを決めて、つくりたい印象を言葉にしていく。その後に服の知識を入れる。そして、服やアイテムの写真を使って、先に言語化しておいた思いを表現するスタイリングを考える。
「言葉」という抽象と、「服」という具体を行き来しながら、自分の装いをつくっていくのがこの講座の特徴だ。言葉が上手く出ないときは彩子さんが、服がイメージできないときはスタイリストの梨沙さんがそれぞれサポートしてくれる。
今やおしゃれに見せるティップスはネットに溢れかえっていて、自分に合ったものを選ぶことに苦労するぐらいだ。梨沙さんのプロのアドバイスを聞いていくことで、溢れる情報から自分に必要なものをピックアップする視点が身についたと思う。
学びを活かして捨てる寸前の服も復活
私の場合、新しいニットを買ったことが学びを加速させた。それまでもプチプラのアクセサリーを買い足したりはしていたのだが、やっぱり新しい服の威力はすごい。たった1枚のニットだけど、それを買ってから試行錯誤の幅がぐっと広がった。子どもが寝た後に、クローゼットをひっくり返し、手持ち服でどんなコーディネートができるか実験しまくった。講座で習ったベーシックアイテムの使い方を実践すると、もう捨てようと思っていた服も活かせることがわかった。着ては脱いでを繰り返す真夜中の一人ファッションショーは、まさしく服を楽しんでいる瞬間だった。
ようやく取り戻せた自分の「好き」
この講座ではどんな装いで参加するか、毎回テーマが与えられる。最終回は「今年の自分」。私は前述の新しいニットを使ってコーディネートを組んだ。
ところが、最初は新しい自分を見るような気持ちだったのに、だんだんと既視感が湧き上がってきた。産前、大好きな仕事をしていたときの自分だった。新しい服を着てはいるが、確かにこんな格好をしていた。初回、好き迷子だった私は、ようやく自分の「好き」を取り戻せたような気がした。
言葉よりもシンプルで雄弁な装いの力
受講していた約1ヶ月半は、服がないなりにいろいろトライをした。お気に入りだった革靴を数年ぶりに引っ張り出してきたり、美容院に行って髪型を変えたりといったふうに。
ほぼ在宅ワークだけど外出するときには、その日の装いを写真に撮って講座のグループLINEにシェアした。そういう過程で、「お母さんはお母さんらしく振る舞うべき」という社会通念に、自分が無自覚に囚われていたことに気づいた。好き迷子の根本的な原因はここにあった。
そんな母の変化を娘たちも察知したようで、「私たちといるときとは違うオシャレがお母さんにはある」ということが、彼女たちにも伝わったみたいだ。そして、それを母が楽しんでいることも。「母以外の自分も大切にしたい」という思いを、装いは言葉よりもストレートに子どもたちに届けてくれているように感じる。
「好き迷子」から始まった今回の講座。服の講座だと思っていたら、思わぬしがらみに気づく貴重な学びとなった。
▼スタイリング講座第3期も準備中。日程が決まり次第、お知らせします。
▼待ちきれない方は、講師のお二人のnoteもチェックしてみてくださいね。