星が見えにくくなる原因についての考察
星が見えにくくなっている。
ということをお話しすると、「なぜ?」という疑問を持たれる方が多いです。それは当然だと思います。
その原因が、LEDの普及に伴う照明の使い方の変化によるものです。というおはなしをすると、「ほんとにそうなの?」という疑問を持たれる方が多いです。
これは、環境省に問い合わせても「そうだ」と言いますし、世界的に「LEDの普及に伴う光害」として問題視されている内容なので、疑う余地はありません。
スミソニアン自然史博物館でも2023年から2025年まで特別展が開催されているくらいです。
↑ 2025年末までの開催です。
が、なかなか信じてもらえません。
温暖化のせいじゃないの?とか、天候が?とか・・・
というわけで、ちょっと調べてみました。
確かに温暖化もLEDの普及も、この数年で見れば、大きく環境が変わったところだと思います。
論文等の出展までは追いかけていませんが、ネット上の情報をまとめると、以下のようになりました。
大気組成が星の見え方に影響を与えるか?
大気を様々な光が照らすことによって、(空気=)空が明るくなって、星が見えにくくなる。ので、影響しているのは、大気と光ということになります。
それぞれについて、ちょっと調べてみました。
大気の成分のほとんどは、この5つの成分です。温暖化の原因になっているCO2は増えていますが、その他のガスとともに、光学的な影響はほとんどありません。水蒸気に関しては、気温の上昇とともに、大気中の水蒸気は増える可能性を持っています。ただ、光への影響については、湿度が低い場合には、少ないということです。湿度が高くなると、結露しやすく、結露すると光をさえぎる粒になるので、星の見え方に影響を与えます。
この数年で、温暖化とともに湿度が高くて大変だ・・・ということにはなっていませんので、大気の変化についての影響はあまり大きくないということがわかりました。
LEDの普及が星の見え方に影響を与えるか?
LEDについても、調べてみました。
まずは消費電力が少なくなったことは、みなさんご存知だと思います同じ明るさであれば、1/8の消費電力だそうです。こうなると、2倍の明るさのものをつけても、1/4で省エネだよね。ということになり、どんどん明るいものを付けるようになります。また、LEDの青白い光は、空気を照らす能力としては、電球色のオレンジの光よりも高いので、同じ明るさでも空に対する影響は大きくなります。さらに、LED照明は形状の自由度が高くなりますので、電気料金のことも合わせて、今までつけていなかったところにも、つけようということになります。
LEDの普及に伴って、意図せず照明の使い方が変化していることによる影響は、想像以上に大きいことがわかりました。
LEDの普及に伴う影響が80%以上という記述もありました。
夜空の明るさ調査の結果との関連
この結果を、2024年夏の夜空の明るさ調査の結果に結び付けて見ると、そこにも明確な答えがありました。
2024年の夏の測定から、てしかが星空愛好会のメンバーの協力で、摩周湖・硫黄山・藻琴山展望駐車公園のデータを新たにとっています。
摩周湖とぽらりすについては、6年前のデータがあります。
それと比べると、かなり落ちていることがわかります。
硫黄山と藻琴山展望駐車公園については、過去のデータはありませんが、「22」という数字は、測定上の限界に近い値なので、同じくらいの22程度であったと予想でき、そこからの落ち方が、ぽらりすや摩周湖よりも小さいということができます。
大気が原因であれば、それほど違いが出ることが説明できませんが、LEDの普及に伴う意図しない照明の使い方の変化が原因であれば、弟子屈市街地に近いほど悪くなっている現状とマッチします。
結論
星が見えにくくなっている理由のほとんどが、
LEDの普及に伴う意図しない照明の使い方の変化による、光害の増大であると推測できる。
今後の展開
温暖化ではなく、LED照明だということになると、とても良いことがあります。
温暖化対策は地球規模の話なので、なかなかローカルでの対策がすぐに効果を発揮するということにはなりません。
LED照明の普及による意図しない照明の使い方の変化、が原因であるとすると、弟子屈町域の対策は、弟子屈町で判断して実施することができます。
今回のこの考察含めて、星空・光害の現状をできるだけ多くの方に知ってもらうように頑張りたいと思います。
今回は、ここまでで・・・