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内観の目的は「原因探し」ではない

原因を探して安心するな

病名がないまま不調が続くのは不安です。
この不調はどこからきていて、どれだけ続くのか、
原因と先の見通しが立たないから
非常に辛いものです。

だから原因不明の不調
は病名が分かるとホッとします。
病名が分かることで対処、治療ができるからです。
安静にするとか、リハビリが必要とか、
炎症を抑えるとか、痛み止めを飲むとか。

でも所詮それは対処療法です。
原因が分かったら終わりではないように、
ここからの取り組みがとても大切です。
生活習慣の見直しをするなどして
再発防止を目指しますよね?

心も同じ事です。

原因がわかると自分で納得出来ます。
そうなってしまったのは仕方ない、
あれだけのことがあったのだから、
と自分を擁護することもできます。

原因を探すのは、その先の
感情をキャッチするためです。
原因探しは手段です。
原因を思い出すことで、その時に
味わった感情を見つけだすのが目的
です。
だから原因を突き止めて安心しては
本来の目的を果たせず非常に勿体ない訳です。

〈具体例〉を出しましょう。
私はある時、体格のいい人を見ると
ザワザワすることに気づきました。

どうしてこんなに反応するのだろう?と
思いを巡らせます。

すると子どもの頃、いつも父が母に
「そんなに食べると太るぞ」
「食べ過ぎだ、もうよしな」
とよく言っていたのを思い出しました。

母は私を産んでから体重が戻らなかったのか、
ぽっちゃりしていました。
菓子折りのお土産をいただくと
嬉しそうに食べていました(たまにしかないことです)。

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なのに、いつも否定的な言葉で止める父。

太ると父に愛されない
太ると人は価値が無くなるのだ

私は決めてしまったのです。
原因は幼少期のこの体験です。
次に私の感情を見ていきます。

父から愛されるためには太ってはいけない
愛されないことへの恐れがあり、
私の感情は【愛されたい】ことにありました。

愛されたいと思うのは
愛されている実感がないからです。
そこで、愛されていた証拠集めをします。

◉誕生日には電話をくれる

◉小さい頃どこにも連れていけなかった代わりに
 大人になってからお城巡りをしてくれた

◉私が中学一年で入院し、メッセージカードを
 くれた級友全員に配るノートを学校まで
 運んでくれた

◉目が悪いのに、夏休みの自由研究のための苗を
 買いに連れて行ってくれた

◉一人暮らしをしたい私の希望を
 叶えてくれた

このように思い出していくと、
私の欲しい形や姿ではなかったけれど、
愛されていたことに気付きました。
この作業を丁寧にすることで、
私が仮に太っても大丈夫、愛されると思えます。

恰幅が良かったり、ふくよかだったり
そんな人を見ても、もうザワザワしなくなります。

原因は幼少期の父と母の会話から、
【太ると愛されない】という信念を持ったからです。

なぜそれを作り上げたかと言えば、
愛されたい思いがあり、
愛されなくなる恐れがあるからでした。

原因の先のこの感情をキャッチしなければ
意味がないのです。
原因を見つけただけだと
父のせいだ!と、他責にしてしまいがちです。

この信念を作った裏にある感情をキャッチし
愛されていたことを思い出し
不安を解消したことで対処出来ました。

このように、私は内観してきました。

原因がわかって安心して、
その後のことをしないことも沢山ありました。 
でも「原因探しをしても意味がない」
ある人に言われ、ハッと気付くことができました。

内観ってどうやるか分からない、
または原因だけ突き止めて
満足している方がいらしたら
何か参考になれたら幸いです。

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