日々のすてきが積み重なって、そこが私との大きな差だと思うのだ。(『麦本三歩の好きなもの 第二集』)
第二集を読むにあたり第一集も読み返したけど、三歩ちゃんは普通を普通に愛していて、そこが、私にはちょっと眩しい。
1番印象に残ってるのは、合コンの彼と東京タワーに行った時に彼が自分が料理を全部選ぶから奢らせてくれって言ったシーンかな。
私も人に物を奢られるのは苦手で、何故かって言うとフェアじゃないから。
俺の方がお前より稼いでるから奢らせろよって言われたらんじゃ遠慮なく^^って思えるけど、男だから奢るみたいな文化は男が女より給料が多い訳では無い現代においてフェアじゃないなって思う。
私は女なので男の沽券とかは知らない。
そういう変に拗らせている私でも、合コンの彼のように提案されたら奢られてもいいかなって思ってしまう。ちょっと彼を好きになりました。
あとは三歩ちゃんのここが好きって思ったシーンは、派手な服装の彼女の薄い心の膜に気づけるところかなあ。
茶化されても私は私のために服を着ると言った彼女も素敵だけど、そこに隠された傷に気づける三歩ちゃんもいいなあって。
私はどうしても自分基準で物事を考える節があり、こんな言い方されたら(私が)傷つくとか、(私が)腹立つとかって考えて、人によっての基準の違いを考えられない。(私がまあまあ繊細なことによってきっと成り立ってるのだけど)
だから私もこの子はこういうところに無防備だからって、特に大事な子には思いたいなって、(というかまだそういうところを考えられない私は未熟で周囲とも浅い関係値なのかなと少し凹みながら)三歩ちゃんを見習いたいなと思った。
怖い先輩の結婚妊娠めでたいし、優しい先輩がSNS上手なのはちょっと意外に見えて意外に解釈一致だなあなんて思ったりして、おかしな先輩は第一集よりも三歩への当たりが強くなってて、でもそれが先輩なりの接し方や愛なんだろうなむふふと思ったりして、真面目な後輩ちゃんの気持ちを汲み取って接する三歩ちゃんの意外な先輩力すげーなって思ったりしてて、今集も面白かったなあと大満足です。
さてて、冒頭の、普通を普通に愛している三歩ちゃんが眩しいというのは、私の一日の充実度は三歩ちゃんと同じぐらいだけど、幸福度は全然違うなあと感じるという意味です。
私は変なコンプレックスまみれなので、私の日常を愛せていないし、自分のことも愛せていない。
私には理想の自分がいて、その自分との落差に打ちのめされて、私はもっとできる人間だと思い、そこに囚われている間に、目の前の幸せをたくさん見逃してる気がする。
理想家なところとと完璧主義なところをを直して、もっと現実にあるささやかな幸せをいっぱい吸い込んで、そんなものが私の心に入って来れないようにしたい。
きっと三歩ちゃんは無意識のうちにそういう行為ができているんじゃないかなあと思ったり。
だから眩しい。
そんな私と三歩ちゃんの1番の共通点と言えば、辻村深月さんが好きなことです。
えへへ、悪くない共通点でにやにや^^
せめて私を誇れなくても私を誇れるまで私の好きな物は誇れる私はいなくなって欲しくないな。