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「鍛えること」とゲーム

        2009/06/26  No.26の便りを改変

★こころを鍛えること

 ストレスに関する本を探していたら『大人の心の鍛え方』(下園壮太著 河出書房)というのを見つけました。

 著者は防衛大学卒で陸自初の心理幹部。自衛隊らしい?、ちょっと断言しすぎじゃないかなと思うこともあったり、「若い時の苦労は買ってでもしろ」とか、今の若者には合わなくないか?というような言葉もありますが、切れ味するどくて、わかりやすく面白かったです。

 「がんばればできるようになる」という『子どもの心』(子どもの考え方)だけでは上手くいかない。現代社会では、上手くいかないことがあっても、冷静にしぶとく幸せを追求する『大人の心の強さ』が必要になる。訓練をして心を「鍛える」ことを学ぶのだという内容でした。
 (誤解もあるかもしれないけど)自衛隊もストレスをためやすそうな職場ですよね。うつ病などの「がんばりすぎて」ストレスを抱えやすいタイプには、「がんばらない」というのも難しいかもしれない。ならば「がんばる方向性」を考えてみることは、合っているのかもしれないと思いました。

★7~3バランス法

 この本の中に『7~3バランス法』というのを見つけました。

 人はショックな出来事が起こってまだ時間が経ってない時は、忘れることに7、見つめることを3の割合で過ごす。しばらく経って冷静に出来事を認められるようになったら、見つめる方を7、忘れる方を3の割合に変える。
 ショックなこと苦しいことがあると、それを忘れたいと思うのは自然なことです。その時には忘れたようになって、思い出せなくなることもある。しかし無意識では問題が残っていて、その影響から「自分を守ろう」としてしまうために、生活の中でなんだかうまくいかないということが起きてしまう。
 そんな問題を抱えている人とも良く出会います。ショックな出来事に直面化しないのもまずいけれど、しすぎると辛いのですよね。
 無意識と意識のバランスをとって、折り合いをつける。
 「万事中庸が肝心」という言葉があるんだそうで・・・著者はいろいろなことに、この7~3バランス法の考え方ができるように「鍛える」ことを勧めています。

★努力とゲーム

 小学生の時期は大人に努力を認めてもらい報われることで、勤勉性を身につけていく時期でもあります。でも努力ってイメージ悪いのでしょうか。子どもたちでも「努力は嫌い!」と言ってる子も結構いますね。そのくせ、ゲームには時間もお金も努力を惜しまず労力をつかっていたりして・・・。
 ゲームを見ていると、一つ一つのクエスト(課題)を達成して経験値を上げていけば技のレベルが上がる・・・ゲームって現実の世界よりも、「努力が報われること」が多い世界なんですよね。

 大人に認めてもらうことがうれしい時期を過ぎたら「がんばれば努力は報われる」ことばかりじゃなくなってきます。
 がんばってもできないのは誰のせいだろうか。自分のせい?他人のせい?という風に考えてしまうと、どんどん考えが極端になっていって、やるならやる、完璧にやれないのならやれない。「10対0」の考えも持ちやすくなります。
 しぶとく生きていくためには、自分の力に合った冷静な対処をしていく必要があります。ほどほどのところで折り合いをつけていく、こんなときに「7~3バランス」の考え方ができるといいんだそうです。

 子どもたちにストレスの対処法を聞くと、よく「ゲーム」という答えを聞きますが、この頃は大人でも結構いますよね。(私はゲームを始めると極度にハマってしまいって過去に数々の失敗をしてきたので、極力やらないようにしています。)子どもがゲームばかりしていると、周りの人はイライラしてしまいそうですよね。

 ゲームをしながら、子どもなりに「努力だけではない世界にどうやって向かっていこうか~」というテーマに向き合ってるのかもしれないと考えてみることもできそうです。こんなときに、どんな言葉をかけてあげるといいのかなと考えてしまいました。
           

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 ゲーム依存の考えが出てくる前に書いたものですね。

                           ゆかり

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