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現実世界で自分がNPCでないことを証明できるか?
この記事を書いている人
pokopan_black
動画編集ブーム到来中。仕事も合わせると毎日12時間くらいPCの前に座っているので腰の故障に注意したい。
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NPCとは?
NPC(ノンプレイヤーキャラクター)とは、コンピューターゲームやテーブルトークRPGなどのゲームにおいて、プレイヤーが操作しないキャラクターを指します。
この説明文がAIによる自動生成であるように、近年著しいAI技術の発達により人間と機械の見分けは年々難しくなっています。
チャットでは人間以上の人間味を見せ、芸術の分野では数秒で人間と見分けがつかない作品を生み出してしまいます。
AIが機械を使役し、人類に反旗を翻すスカイネットの時代はもうすぐそこまで来ているのかもしれません。
2018年にはDetroit: Become Humanという自我が芽生えたアンドロイドが主人公のゲームが発売され、日本ゲーム大賞・優秀賞を獲得するなど大ヒットとなりました。
本作のストーリーは人間とそっくりのアンドロイドが友情を育んだり愛を貫いたり人権を主張したりいかにも人間らしい内容となっており、『人間とアンドロイドの違いとは?』を我々に投げかけるメッセージ性も話題を集めています。
何をもって人間とするのか。
これは今後の現実世界でも課題となるかもしれません。
ゲームをプレイしていれば自身が操作しているキャラクターがPC(プレイヤーキャラクター)となります。
あくまでゲーム内で定められた範囲に留まりますが、自分で話しかける相手を決め、攻略するダンジョンを決め、好きな装備を持って冒険に出かけることが出来ます。これが、あなたに与えられた権利です。
逆に、自分以外は基本的にNPCとなります。
事前にプログラムされた行動を取り、話す内容も決まっています。
村人や町人に何度も話しかけたら同じ事しか話さなくなった経験が誰しも一度はあるのではないでしょうか?
では、現実世界ではどうでしょうか?
ゲームと同様に世界で定められた物理法則に基づいて、自身で選択した行動を取ることができます。あなたは好きな時に好きな場所で好きな事が出来ますので、さっそく目の前のスカーフが素敵なおじ様に今晩予約していたホテルの場所を聞いてみましょう。
あなた「このホテルの場所を知っていますか?」
男性「この街には初めて来たのかい?」
あなた「ええ、そうです。素敵な街ですよね。」
男性「この街は漁業が盛んだからね!おいしい海鮮が揃ってるよ!」
あなた「そうなんですね!とても楽しみです!」
男性「この街でしか手に入らないものもいっぱいあるからね!」
あなた「ところで、このホテルの場所を探しているのですがご存知でしょうか?」
男性「ゆっくりしていきな!」
あなた「あの・・・このホテルの場所を探しているのですが・・・?」
男性「ゆっくりしていきな!」
あなた「あの・・・」
男性「ゆっくりしていきな!」
男性「ゆっくりしていきな!」
男性「ゆっくりしていきな!」
この男性は突如同じ言葉を繰り返し始めました。あなたは怖くなり近くのカフェに駆け込みました。
あなた「すみません突然・・・!」
あなた「あそこの人、なんか怖くって・・・」
あなた「近くにお店があって助かりました。ここはいい雰囲気ですね。」
あなた「ご近所ですけど、あの人っていつもあんな感じなんですか・・・?」
女性「ご注文はいかがなさいますか?」
・
・
・
果たして、この物語に人間は何人いたのでしょうか。
極めて人間らしい動きをするアンドロイドとアンドロイドのフリをする人間が同時に存在した場合、あなたはそれを見分けることが出来るでしょうか?
断言します。
あなたの主観で分かることは、あなた自身がPCであること以外ありません。
現実世界で自分がNPCでないことを証明できるか?
ここで新たな疑問が生まれます。
それは『相手も同じことを考えているのではないか?』ということです。
主観で分かることが自分自身がPCであることだけならば、相手も私がPCかNPCか判断できないはずなのです。
その状況において、あなたは自身の潔白を証明できるでしょうか?
まずは見た目。
配膳ロボットのような見た目をしていれば一目でNPCと判断できますが、もしかしたら着ぐるみで中に人が入っているかもしれません。
逆に、Detroit: Become Humanのように人間そっくりの見た目をしたアンドロイドかもしれません。
次に行動。
人類にはTPOという概念があります。誰かに指図されずともその場に合った最適な行動や服装を選べるのが人間らしさの証明と言えますが、全裸で走り回ったり成人式で暴れまわる人間は後を絶ちません。
次に会話。
話が通じない人間は山ほどいます。
西暦2245年にはまともに会話出来る方がアンドロイドとして認知されているかも知れません。
最後に体。
現状、これが最もごまかしの効かない人類と機械の境だと思います。
ただし、現在でも事故により失ってしまった手足を義手や義足などで補っている方がいらっしゃいます。
今後医療が発達し、全身サイボーグとなる人間があらわれるかもしれません。
そうなれば最初の課題のように、何をもって人間とするかという哲学的な問いになっていくと思います。
つまるところ、私は自身が人間であることを証明する手立てを見つけられませんでした。
それは逆説的に他人が人間であることが証明できないこととイコールとなります。
あなたの友人は、もしかしたら人間ではないのかもしれません。
そう思うと、ちょっとスリリングで面白いですよね。
・・・
あとがき
今さらですが、新年あけましておめでとうございます。
いつもお越しいただいている読者の方はもうお気づきかと思いますが、今年はblack以外のメンバーもnoteを更新しています。
年始にPOKOPAN RANGER内で新年会があり、そこで圧をかけたらこうなりましたw
全然縦社会なグループではないのですが、greenの記事がめちゃくちゃ上下関係を感じる文章だったので笑いましたw(身内ネタですみません。)
今年のnoteはかつてない盛り上がりを見せる予感ですので、私も負けないように月1更新を頑張っていきたいと思います。
おいblue、次はお前の番だぞ(特大圧)
それでは、また。