ダメな男に恋をする #呑みながら書きました
日曜日は仕事だったので、今日は代休です。
やっと後夜祭に参加できる!
前回の呑み書きは面白そうだと思いつつ、右も左も分からないnote初心者、参加する勇気がなかったのですが、今回はお酒の勢いを借りてエントリーします。といいつつ、まあまあ今のところシラフかも。私燃費悪いんです。アメ車かよって言われます。エンジンかかるのも遅いんです。
近所の居酒屋さんで飲んでました。めっちゃ濃いハイボール。日に日に濃くなるの。隣りにひとりで来てた常連のおじいちゃん80歳にあいさつみたいに今日もプロポーズされたけど、すぐに若い女の子のグループがきて、あっさりその約束はキャンセルされました。なにこのムダな屈辱感。
さて、呑み書きで何を書こうかと、考えて考えて、、、好きな本について書こうと思います。
「ニシノユキヒコの恋と冒険」。
川上弘美さんの。なぜか倒置法。
川上弘美さん、すごく好きなんです。芥川賞の「蛇を踏む」で初めて知って、「椰子・椰子」とか、「センセイの鞄」とか。
特にこのニシノユキヒコ。すごく、タイプ。
ダメな男、というのになんでか私は結構弱くて。
この場合のダメ、というのは決して悪い意味ではなくて、どこか「守ってあげなくちゃ!・」みたいな、母性本能をくすぐるタイプで。あ、実際には嫁にも母にもなったことないので、あくまで推測の、母性本能ですが。
この本の主人公のニシノユキヒコも、かなりのダメ男で。どうもそれほど外見がいいとかいうわけでもなさそうで、それなのに女にはだらしなくて、頼りないことこの上ない!
彼はふらふらと色んな女性の間を漂いながら、生涯、悩んでるわけです。あーこういう人にひっかかるんです。私も昔付き合ってた人はそんな感じでした。で、ちょっとお金貸してって言われました。次の給料で返すって言われました。頼まれる金額はそんなに多くないのがポイントですよね。まーいっかってあきらめつきそうな。いやつかないか。そのお金で飲みに行ってたでしょ、私に教えてなかった、店に、私の知らない人と!!!!今あのひとどこにいるんだろ。やっぱり返して。
ニシノユキヒコはいうわけです。「どうして僕は、きちんと女のひとを愛せないんだろう」知りませんそんなこと。とかね、冷たくできないんです、ダメな男に恋するタイプは。
彼はモテるんです。とにかくモテる。それも、人生の最後の瞬間まで、あらゆる年齢層あらゆるジャンルの女性から。
何で、と思いつつ、何か分かる。モテるのは。私みたいなダメ男に弱いヒトがいるからです。需要と供給です。
ニシノユキヒコを巡る女達(というか、女の子も含めて)の中で、いちばん印象的なのは、カノコ。実は名前忘れてて、本をパラパラ読み返しました。カノコです。確認しまさた。
カノコはニシノユキヒコの大学時代の恋人。
カノコに他に好きな人ができて、二人は別れてしまったんだけど、何となく友人よりもちょっと濃い関係は、続いてて。カノコは自分から振ったにも関わらず、どうしてもニシノユキヒコのことを忘れられずにいるわけです。 あーなんか、切ない。切ない。そしてカノコばか。でも、恋するとみんなばかになる。
この短編は連作になっててそのひとつ、「どきどきしちゃう」で、カノコはニシノユキヒコと旅行に来ている。このタイトルもしらべました。確認しました。隙なほんといいつつ、違う、好きな本といいつつ、結構ディテール忘れてますね。おかしいな。妻子世に最初に読んだの結構前だからね。
で、かつて恋人同士だった二人が、夜の浜辺を歩いているシーンで。
「ねえ、宿に帰ってセックスしようよ」
カノコは唐突に言うのです。だめ、そんなこと言ったら。でもでも、いう気持ちも分かる。わかりすぎる。あー私もばか。
そしてニシノユキヒコはどうするかというと。二人はこの上なく近くにいて、二人の間には限りなくそういうムードが漂っていたにも関わらず
「しないよ」
なんと。あっさりことわるニシノユキヒコ。なんで!なんで!はかなの?違うか。ばかなの?いや、かっこいいの?カノコ立場ない。すえぜんいらないの?
「もう、終わったんだもの」
そう言いながら、それでもニシノユキヒコはぴったりとカノコを抱き寄せるわけです。うわ、ずるい男の代表みたいに。ていうか、代表そのもの。ああダメ。こんなのダメ。お金貸してしまうパターン。
で、抱き合った姿勢のまま、カノコは思うんです。
ユキヒコ。戻れなくて、つまらないよ。時間が流れて、さみしいよ。ユキヒコ。あたしたちは、ばかだったね。←この部分も読み返して確認しました。ほんとにうろ覚えだなー。
あ!カノコ自分がばかって自覚あるのね。よかった。や、そうじゃなくて。あ、泣けます。ここ。もうなんか、とにかく。ほんとにカノコばか。そして私もばか。
ニシノユキヒコ。私は言いたい。
あなたは本当に、ダメな男だと思う。あんまりにも恋愛に不器用で、なのに、そのぎこちなさが魅力になっている。そんなのずるい!かっこよすぎる。絶対ほっとけないタイプ。好きになるし、嫌いになれないし、忘れられない。
あー私やっぱりダメなヒトが好きかもしれない。アラタメテ、あらためて自覚。私もニシノユキヒコが目の前に現れたら、好きになってしまう。そしてお金貸してって言われるんだ。いや、もう貸さないけど。
マリナさんの企画に参加しました!自分のダメぶりを露呈した感がいなめません。、