ロシア・アート・アーカイヴ・ネットワーク(RAAN)
Russian Art Archive Network (RAAN)
https://russianartarchive.net/
ロシアの代表的な現代アートセンター「ガラージ」(モスクワ)が中心となって、ロシア国内外でロシア現代アートに関するアーカイヴ資料を所蔵している美術館など10館(記事作成時点)が共同で構築しているサイト。ロシア現代アートに関するアーカイヴ・コレクションの所蔵情報や、そのアーカイヴ・コレクションの資料を活用した研究論文などが読めます。
参加館は以下のとおり(2022年11月現在)。これだけの機関と協力し、共同でこのようなサイトの立ち上げという成果に至ったその努力に頭が下がります。文化が残るには、当の実践者だけでなく、それを残すための周りの人の努力も同程度に必要であり、一つひとつは地味かもしれないこういう努力の大切さ・難しさを実感します。それを破壊しているのがロシア政府による戦争であるわけですが…
現代アート美術館「ガラージ」(ロシア・モスクワ)
ブレーメン大学附属東欧研究センター(ドイツ・ブレーメン)
ラトガース大学附属ジマリー(Zimmerli)美術館(アメリカ合衆国・ニュージャージー)
ギャラリー「ヴィクトリヤ」(ロシア・サマーラ)
現代アートセンター「チポグラーフィヤ」(ロシア・クラスノダール)
現代アート美術館「PERMM」(ロシア・ペルミ)
トリヤッチ美術館(ロシア・トリヤッチ)
「文化センターЦК(ツェーカー)19」(ロシア・ノヴォシビールスク)
エリツィン・センター(エリツィン大統領センター)(ロシア・エカチェリンブルク)
ニージニイ・タギール美術館(ロシア・ニージニイタギール)
日本の研究者、神岡理恵子さんが長年上記の機関と共同研究を行なっておられます→[参考]。だから何度も繰り返さなければいけないが、こうした学問的な積み重ね=文化を無惨にも破壊し、全国民を巻き添えにしながら、破滅への道をひた走っているのだから、プーチン政権は今すぐに戦争をやめろ。
追記:ガラージの「ラジオ〈スターンツィヤ〉」について(22.11.6)
上にも挙げた「ガラージ」がやっているネットラジオというものが公開されていた。「ガラージ」が持つオーディオ・アルヒーヴ資料をネット公開するというもので、ソ連解体前後のアンダーグラウンドカルチャーの音源が聴けるようになっている。第1期は、10本の番組が今後公開予定とのこと。
https://station.garagemca.radio
現在公開されているのも大変よろしくて、
#1:「キノー」や「ズヴーキ・ムー」など90年代ロックバンドのライヴ音源ミックス(キュレート:プロジェクト「No Wave!」)
#2:90年代ロシア・エレクトロニック音楽のミックス(キュレート:エヴゲーニイ・ゴルブノーフ…ГШ、Kate NV、Интуристなど)
#3:ゼロ年代オムスクの実験的エレクトロニック音楽のミックス(キュレート:Margenrot)
#4:80年代のペテルブルクのアーティストたちによるヴィデオ・プロジェクト「パイレーツ・ラジオ」へのオマージュ(キュレート:RAUMTESTER)
いずれも1時間程度なので、作業用BGMに大変おすすめで、個人的には#3がとても面白かった。