工藤順 / Нао Кудо
くどうなお(ロシア語翻訳労働)。プラトーノフ『チェヴェングール』とか。HP:https://junkdough.wordpress.com/
(illust. by misato fujita)
最近の記事
-
- 再生
『枯れ葉』のバンド:Maustetytöt
アキ・カウリスマキの『枯れ葉』に出てくるバンドMaustetytötがめちゃ良かった。で、YouTubeで歌詞の字幕をつけてくださっている人がいたのでいろいろ見ていました。歌詞が全部暗いのと、ニューウェイヴ歌謡が確実にツボを押してくる……映画の曲は「Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin」(Google翻訳=Born in sorrow and clothed in disappointment)で、あれもめちゃいいのですが、この曲「Jos jäisin onnibussin alle」(同じく=If I got hit by an ambulance)はMCで(たぶん)言っているように、The Smithsの彼女たちなりの「翻訳」になっていて、すごくいい。あと、IKEA批判の「Ne tulivat isäni maalle」も「Tee se itse」(Do it yourself)もいい(後者はPVもめちゃいい)。いい、しか言えなくて笑ってしまう。 フィンランド語をぜんぜん知らない耳からすると、子音と母音の粒が揃っている感じが日本語のシラブルにたぶん似ていて、どのメロディにも日本語を乗せられる感じがし、メロディのレトロな感じがまた妙に懐かしさをそそる。うっかりフィンランド語の教科書を買った。 印欧語耳的には、(意味は分からないけども例えば「Näkymätön Anna」の歌詞で)「lentoon」(れんとーーん)と「sudenkorentoon」(すでんこれんとーーん)で、「あっその音で韻踏むんだ!」という驚きと楽しさがあってよい。意味がいっさい耳に入ってこないのもまたいい。元外大生にしかピンとこないかもしれないけど…