工藤順 / Нао Кудо

くどうなお(ロシア語翻訳労働)。プラトーノフ『チェヴェングール』とか。HP:https://junkdough.wordpress.com/ (illust. by misato fujita)

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くどうなお(ロシア語翻訳労働)。プラトーノフ『チェヴェングール』とか。HP:https://junkdough.wordpress.com/ (illust. by misato fujita)

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New Order来日、ありがとうありがとう

いちばんすきなバンドのいちばんすきな曲

    • ロシア文学会プレシンポの後に

      10月25日のロシア文学会プレシンポにわざわざ足をお運びくださり(あるいは遠方より想いを寄せてくださり)、ありがとうございました。そして時間の感覚が狂っていたために皆さんにご迷惑をかけてしまい、申し訳なかったです…… 最近たまたま戸川純さんの仕事を聞き直していたのですが、ヤプーズにこういう歌詞があります。 この後には「さあ もう 傷は癒えた 立ち上がり いざ行かん」とあり、「凄い」はこの場合人間に備わる恢復する力のことを言っているようです。戸川という人のパーソナルヒストリ

      • 【翻訳】戦争には反対だけど黙っている(ロシアの地方に暮らすある女性の声)

        独立系ロシア語メディア「ホーラト」(Holod; “Cold”の意)に2024年8月12日付けで掲載された下記の記事を許可を得て翻訳したものです。無視されがちな声を丁寧に汲み取ったとてもよい記事だと思いました。 Я против войны, но молчу (Редакция «Холода», 12/8/2024) Статья переведена с разрешения редакции. 自分を取り巻く状況が変わった時に、平凡な私たちがとる行動は多くの場合ク

        • 何か発表する機会のある人はとりあえずUDフォントを使っておくといいです

          WindowsではUDフォント(UD=ユニヴァーサル・デザイン)がデフォルトでインストールされていますが、Macだとデフォルトでは導入されておらずお悩みの方もいると思います。わたしもそうでしたが、一工夫するとUD教科書体もBIZ UDフォントも導入できることが(ようやく)わかったので、何か外に向けて発表する機会のある人はとりあえず最初の選択肢としてはUDフォントを使っておくといいと思っています 「UDデジタル教科書体」については、Morisawa Fontsのフリープランで

          ロシアの独立メディアХолод (Kholod)に大切な記事が2つ公開されています(こういう視点は忘れないでいたい) ・ロシアの公務員でありゲイである私 https://holod.media/2024/07/30/ia-gey-i-chinovnik/ ・戦争には反対だけど黙っている https://holod.media/2024/08/12/ya-protiv-vojny/

          ロシアの独立メディアХолод (Kholod)に大切な記事が2つ公開されています(こういう視点は忘れないでいたい) ・ロシアの公務員でありゲイである私 https://holod.media/2024/07/30/ia-gey-i-chinovnik/ ・戦争には反対だけど黙っている https://holod.media/2024/08/12/ya-protiv-vojny/

          『文藝』2024年秋季号のアンケート企画に参加しました

          河出書房新社のMさんから締め切り3日前に依頼をいただき(ヤバい)、『文藝』2024年秋季号・世界文学特集のアンケート企画に参加しました。 補遺として、回答したものへのリンクなど貼っておきます。 ③いま注目している作家期待に添えなくて申し訳ないのですけれど、わたしはほんとうに本をあまり読まないので、広く表現者として下記の3人を挙げました。それとは別に、2022/2/24以降ロシアの文学に触れても戦争の事実が頭を離れず「トカトントン」って感じになってしまって困っています、同じ

          『文藝』2024年秋季号のアンケート企画に参加しました

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          The xx - A Violent Noise (Live in Seoul, 2018)

          YouTubeではときどきこういう最高の動画を見つけることができます

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          ロシアにおけるサミズダートの現在をウクライナ侵攻開始後の状況も含めて当事者(アンナ・ディアルさん)が語るとても良い記事。アングラ出版物からアートブックへ、という同人誌の傾向はロシアでも同じようです。 https://meduza.io/feature/2024/05/10/rossiyskiy-samizdat-segodnya-ne-podpolnaya-literatura-kak-v-sssr-a-vid-sovremennogo-iskusstva

          ロシアにおけるサミズダートの現在をウクライナ侵攻開始後の状況も含めて当事者(アンナ・ディアルさん)が語るとても良い記事。アングラ出版物からアートブックへ、という同人誌の傾向はロシアでも同じようです。 https://meduza.io/feature/2024/05/10/rossiyskiy-samizdat-segodnya-ne-podpolnaya-literatura-kak-v-sssr-a-vid-sovremennogo-iskusstva

          明晰であろうとすればするほどに、いっそう不明瞭さが増していくタイプの文章について

          こころみとして、ここに3冊の本を挙げてみます 夜、このうち2点目の島尾伸三さんの『生活』を読みおわって、いまいち何かことばにしきれないものを感じながら眠ったところ、悪夢のようなものをみて冷や汗をかきながら目が覚め、アッと思ったので、午前2時にこの文章をかいています その夢というのは(じっさいには悪夢でもなんでもないかも)、じぶんの実兄とその家族がどこかに引っ越しをしたというもので、霧のふかい丘のうえのその町では――その風景はさいきんみた映画『悪は存在しない』の風景に影響さ

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          『枯れ葉』のバンド:Maustetytöt

          アキ・カウリスマキの『枯れ葉』に出てくるバンドMaustetytötがめちゃ良かった。で、YouTubeで歌詞の字幕をつけてくださっている人がいたのでいろいろ見ていました。歌詞が全部暗いのと、ニューウェイヴ歌謡が確実にツボを押してくる……映画の曲は「Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin」(Google翻訳=Born in sorrow and clothed in disappointment)で、あれもめちゃいいのですが、この曲「Jos jäisin onnibussin alle」(同じく=If I got hit by an ambulance)はMCで(たぶん)言っているように、The Smithsの彼女たちなりの「翻訳」になっていて、すごくいい。あと、IKEA批判の「Ne tulivat isäni maalle」も「Tee se itse」(Do it yourself)もいい(後者はPVもめちゃいい)。いい、しか言えなくて笑ってしまう。 フィンランド語をぜんぜん知らない耳からすると、子音と母音の粒が揃っている感じが日本語のシラブルにたぶん似ていて、どのメロディにも日本語を乗せられる感じがし、メロディのレトロな感じがまた妙に懐かしさをそそる。うっかりフィンランド語の教科書を買った。 印欧語耳的には、(意味は分からないけども例えば「Näkymätön Anna」の歌詞で)「lentoon」(れんとーーん)と「sudenkorentoon」(すでんこれんとーーん)で、「あっその音で韻踏むんだ!」という驚きと楽しさがあってよい。意味がいっさい耳に入ってこないのもまたいい。元外大生にしかピンとこないかもしれないけど…

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          二人はともだち(グロスマンとプラトーノフ)

          唐突に、しかもこういう形で、自分の担当している作家と出会うことは嬉しい。『黒書』というのは、グロスマンらソ連のユダヤ人作家たちが中心となって、ナチ・ドイツがユダヤ人に対して犯した犯罪をまとめた本(当時は結局出版できなかった)。ソ連でも反ユダヤ主義は根深かったから、非ユダヤ人作家は危うきに近寄らない人が多かった中で、アンドレイ・プラトーノフただ一人がこのプロジェクトへの協力を快諾したという。 それが「正しいと思ったから」というだけではないだろう、たぶんグロスマンの友人だったか

          二人はともだち(グロスマンとプラトーノフ)

          お忙しいところ失礼いたしますの件

          だれかに文句をいいたいのではなくただ事実についてかくのですがさいきん「お忙しいところ失礼いたします」「ご多忙の折恐縮ですが」ということばをうけとることがふえた(じぶん比)実感がありただじぶんはわりとしっくりこないというかこれは「忙しい」のだろうかとおもうことがおおく、というのは「忙しい」ということばでじぶんがイメージするのが 商社 サラリーマン 朝帰り 二時間睡眠 だからかもしれず、しかしじぶんのせいかつをふりかえってみると仕事にいっているまたは生活のためにつかう以外のじかん

          お忙しいところ失礼いたしますの件

          音楽イニシアティヴ・インスティトゥート(ИМИ)

          Институт Музыкальных Инициатив (Institute of Musical Initiatives) 2019年にスタートし、2022年10月まで活動していた非営利・独立団体で、ロシア語圏のロック・ポップに関するプロモーションや調査・研究活動を精力的に行っていました。現在は活動を停止しています。 どれほど精力的に、手厚い活動をしていたかということについては、以下のページを参照いただければいいかなと思います。 わたしたち外人にとってとても有益

          音楽イニシアティヴ・インスティトゥート(ИМИ)

          メモです(性欲と自尊と服のこと)

          たまたまThe Velvet Undergroundを聴きかえしていて、例えば“Candy Says”の歌詞が耳に入った時に心の底からたまげてしまう。Lou Reedはよくわからない人で、とにかく気難しくて性格は最悪だという話はよく聞くし、マッチョなイメージで売っていた時もあるし、しかし何はともあれ、時おりこの曲や“Perfect Day”のように天使のような優しさと残酷さで人の心のほんとうを書くことがあって、そういう曲に出会うと敬意を抱かずにはいられない。この人にしか書けな

          メモです(性欲と自尊と服のこと)

          お分かりになりますか。こういうのが本当に本当に大切なんですよ、と肝に銘じたい。:高橋悠治『ピアノは、ここにいらない──祖父と父とぼくの時代』(編集グループSURE、2010)

          お分かりになりますか。こういうのが本当に本当に大切なんですよ、と肝に銘じたい。:高橋悠治『ピアノは、ここにいらない──祖父と父とぼくの時代』(編集グループSURE、2010)

          詩の同人誌『フラーギ』に寄稿しました

          ご縁があって、ロシアの若い人たちがやっているかっこいい詩の雑誌『フラーギ(Флаги)』(https://flagi.media/)に参加させてもらいました。 詩人アレクセイ・パルシコフの特集号で、詩「Минус-корабль」の翻訳です。正直、とても難しかった…… 下記リンクからお読みください。 パルシコフ(1954-2009)は、以下のマニフェストで言及される「メタリアリズム」という詩の潮流を代表する詩人として知られています。 すばらしい機会をくださった鈴木佳奈子

          詩の同人誌『フラーギ』に寄稿しました