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誰の価値観?何を優先させる?

デイで、紙をぐしゃぐしゃにして最終的に破ることが好きな子がいます。
職員から、紙を制限をすることや紙を固くしたら長持ちするのではないかなど、その行為をやらない方向で考える話が出ていて、私は聞きました。

なぜその働きかけをしたいの?

なぜ紙の制限をしたいのか?
なぜ紙を長持ちさせたいの?

紙がもったいないから?
それは誰の基準?誰の価値観?

それは子どものためになること?

その子は紙が欲しいと職員に要求をしてきています。
せっかく他者に要求する機会になっているのに、制限をすることで要求する機会が失われてしまうのではないか。
「今日はもうおしまい」ということが上手く伝わらず、今日だけでなく今後ももうできないんだと思えば、これから要求しなくなってしまう恐れもあります。

また何よりその子の好きなことを奪ってしまうことになります。
どんなに好きでもやってはいけないことならば別のことに変えないといけません。
だけど、紙をぐしゃぐしゃしているだけなら、誰かに迷惑をかけているとか周りが困るとかはないので、ただ大人の価値観だけで好きなことを奪うことは人権にも関わることです。

発達凸凹さんの中には、興味が狭く少ない人も多いです。
その中で好きなものがあるのはとても素敵なことなので、好きなことはとことんやってほしいと私は思っています。


もし、紙を消費する枚数が多すぎるならある程度制限をすることは必要かもしれませんが、それが多いか少ないかは人それぞれの価値観によるので、事業所なら支援者で一度話し合ってみるといいと思います。

そして、制限をするなら、本人にわかる形で伝えなければいけません。

子どもに何かを働きかけようとする時には、なぜそれをする必要があるのか、優先することは何なのかを考える必要があります。
今回の例で言えば、子どもの好きなことなのか、コミュニケーションなのか、紙の適切な使用方法なのか。

子どもへの関わり方には大人の価値観が影響していることも多いので、本当に子どものためなのか、大人都合ではないのか、一旦考えてみることが大切だと感じます。

大人の都合が必ずしも悪いわけではなく、時には大人の価値観を優先させないといけないこともあると思います。
大人の都合、価値観だとわかった上で、対応を決められたらいいと思います。

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