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#6 歌舞伎町 Rくん
ポイです
↑の写真はブルゴーニュのシャロンという街での一枚
住んでいるリヨンからは電車で1時間かるかな?くらいのとこ
春も終わって暑くなってきたし
ゆっくりしようと買い物へ
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ヤギチーズ生ハムとにんにく入りソーセージ
呑んでつまんでゆっくり思い出しながら書き記していこうと思います
Rくん
体重3桁超えの巨漢
ポイと同じ歳の気の良いパチプロ予備軍
前歯がほぼ全滅してて歯茎のみ
(理由は後述)
定期的に職場に来なくなり、しばらくするとまた現れるという謎の行動を繰り返した後失踪した彼
Rくんも立場的にはポイと同じで
朝からのシフトを担当してました
ほぼ同期ですね
早く仕事が終われば(早いときでも10時間)一緒にスロット打ちに歌舞伎町のパチンコ屋へと向かい
一緒にオイシイ台が落ちてないか探し回ってました
彼の隣には座りにくい
座席からはみ出ちゃうんでねどうしても
繁忙期じゃなければ休日は何とかもらえたので彼と徹夜で並んだり
彼の友達とグループで行動してイベント狙いで動くのが楽しかった
失踪前まではRくんが金欠になることはほとんど無く、いつもどこかの店でパチスロ打って稼いでる
仕事はポイよりも経験があって
要領も良くあまり大きなミスはせずに
無難にこなしていくタイプ
ポイは不器用、ミス多い、要領も悪い
のダメなタイプ
そんな彼と妙に気が合って仲良くなるのは本当に早くて、1週間立つ頃にはポイの家に泊まりに来てました
寝るとアザラシみたいなんだよなぁ〜
進行していく崩壊
Rくんはお母さんと姉弟と暮らしていたらしいけど、あまり家族間の仲は良いものではなくそれは彼の素行が原因だった
彼は地元ではかなりの不良で、10代の頃喧嘩の頻度も半端ではなく、歯がないのもそれが理由
そんなRくんだけどポイと一緒にいるときは笑顔が素敵なラーメン大好きふとっちょさん笑
1度も誰かと揉めたとか喧嘩したとか荒事なんて一切なかった
R「ポイ〜ラーメン食べにいこ〜?」
ポ「博多天神いぎだい!」
「ポイ〜イベントだから打ちに行こ〜?高設定あるよ〜?」
ポ「ほんとぉ〜?どこイベントぉ〜?」
ってな感じで日々過ごしてたんですが
ある時を境に欠勤が多くなってきて
料理長と話して何か決め事をしたようですが、朝からのシフトだと問題があるようで徐々に来なくなっちゃって
それを何回か繰り返したあと1ヶ月程誰も連絡が取れなくなってた
しばらくして辞めたと思ってたら
彼から電話かかって来た
警察の世話になっていた
新宿駅のホームで喧嘩になり相手を階段から落として傷害で逮捕拘留されていて
家族以外に連絡は取れなかった
家族間での仲が良くなく自宅にいられないから泊まらせてくれと
とりあえず会ってラーメン食べに行くことにした博多天神+替え玉
正直びっくりだった
優しいふとっちょさんがそんな荒事やっちゃったのか、と言うよりも
体重3桁超えから20キロ以上痩せてゲッソリしちまって、アザラシやめてた
R「ポイ〜しばらく泊めさせて、もう家に帰れなくなっちゃって、そろそろお金もなくなりそうでお願いだから」
ポ「うーん、週に2日くらいならいいけど大家さんうるさいし、ずっとはポイも無理だよ」
R「それでもいい!助かる!ありがとうポイ!あと仕事に戻りづらいからポイから何とか言ってもらえるかな?」
ポ「うん大丈夫だと思うよ、昨日も新しい外国の人速攻で辞めていったし人足りないもん、言っとくね替え玉ください!」
仕事には問題なくRくんは戻れたし
ポイとRくんのシゴキは激しくなったけど、愚痴をこぼし合ったり、一緒にラーメン食べに行ったりスロット打ちに行ったりと、仕事とプライベート共に半年程はRくんと密な生活を送っていた
本当に
本当に少しずつだけど
やっぱりギャンブルやっててずっと上手く行くわけなんてなく
ポイの家と友人宅を転々としていたRくんは仕事をしていたにも関わらずお金が無く、おそらく借金もしていたんだと思うけど、かなり困窮していった
自分がパチスロで大勝ちしたときは乗り打ちにして勝ち分半々にしたり
お金がないときは借金をしてまでやろうとは思わなかったから、最低限の生活基準は保てて、一緒にご飯を食べたりはできたけど、お金を貸すことは出来なかった
最後にRくんと会ったのは
歌舞伎町セントラルロード
R「ポイ…お願いがあるんだけど….
3万円でいいから貸してくれない?」
ポ「ごめんね、ポイもそんな余裕ないし
仕事もあんなのだから給料も少ないし、Rくんに貸せるほどお金はないよ」
R「そっか…..わかった…」
それが彼との最後の会話でした
Rくんはその後
仕事には来なくなり
誰が連絡しても彼の携帯電話に繋がることもなく、親元に会社からの連絡を入れても「こちらも行方がわからない」としか返答されなかった
自分が携帯電話から連絡したときは
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」
ポイにはもう、どうすることもできませんでした
今どうしてるのかな?
願わくばRくんが今も元気で過ごせてることを