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大学事務組織における生成AI導入のリスクとリターン

💡 大学事務組織とAIの関係を過去の事例に基づき整理しました
📣 大学事務組織における生成AI導入のリスク・リターンを整理しました
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🎈 はじめに

国内の各大学から生成AIの利用方針・ガイドラインが矢継ぎ早に発表されている。2023年6月3日時点で既に139大学がガイドラインや方針等をWebサイト上に公開した。なお短期大学等や学部単位での表明を含めた場合、高等教育機関による公表数は約150にまでのぼる。

2023年5月末には私立大学情報教育協会より「生成系 AI 使用ガイドライン」国立大学協会より「生成 AI の利活用に関する国立大学協会会長コメント」が公表された。

私立大学情報教育協会のガイドラインでは大学における教育・研究活動のみならず、大学の業務への導入について言及されているが、以下の通り生成AI運用のリスクに対する簡素な指摘に留まっている。

教職員や法人組織の業務への導入については、法令上、倫理上、また社会通念上の違反や非常識のない、標準的な使用手続き及び使用責任者を決め、組織内で共有して使用する 必要があります。

https://www.juce.jp/edu-kenkyu/gaiguide.pdf
学生、教員、職員、法人組織の使用者責任と使用上の注意点

おそらく生成AI利用における大学教育的配慮とも大学のアカデミック・インテグリティに対する配慮とも異なる特有の配慮が大学事務組織に必要だと考えられる。

では具体的に、大学事務組織において生成AIを導入する際には何をどのように考慮すれば良いのか。その中でも考慮されるべきリスク・リターンや、AIと大学事務組織の関係についての知見はまだ整理されていない。

よって本記事では大学における事務・業務に焦点を当て、生成AIの背景およびそのリターンとリスクについて包括的に整理した。

⚓ 本記事の前提
東京大学 大学院工学系研究科の吉田塁先生がChatGPTの基本情報および大学教育における利用について公開されています。ChatGPTについて基礎から応用まで網羅された素晴らしい講座資料ですので、本記事はそちらで言及されている内容と可能な限り重複しないように書きました。ご了承ください。




■ 生成AIの背景と大学事務組織との関係

まず生成AIの基本的な特徴を提示した上で、
これまでのAIと大学事務組織の関係を整理する。

生成AIが世間を賑わせている主な理由を2つ挙げよう。

  • 第一に、ChatGPTを始めとするAI生成サービスが公開され、これにより自然言語を用いた自由で汎用的な入出力が可能となったことである。具体的には、これらのAIサービスは人間と変わらないレベルの文章生成や、様々なデータ処理を行うことが可能になった。

  • 第二に、これらのAIサービスがAPIを公開し、一般の開発者でもこれらの機能を利用できるようになったことである。これにより、大学の事務組織でもAIを自由にカスタマイズし、自身のニーズに合わせて利用できるようになったと考えられる。

このようなChatGPT/生成AIの特徴は各所で取り上げられており、その導入・活用事例や案が世間を賑わせて数か月が経つ。しかし大学事務組織とAIとの関係について詳述されたことは未だない。

そこで本セクションでは第三次AIブームから続く系譜を参照の上、AIに相対する大学事務組織の動向を調査した結果に基づき、大学事務組織とAIとの関係を整理したい。



◆ AI / 生成AIの基本的理解

まず出発点としてAI・生成AIの定義、第三次・第四次AIブームを概観する。

〇 AIの定義

例えば平成28年版情報通信白書では以下の通りに記載されている。
なおAIに対する認識が文化的社会的背景に大きな影響を受けることは既に指摘されているが、ここでは日本における定義を取り上げる。

人工知能(AI)は、大まかには「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と説明されているものの、その定義は研究者によって異なっている状況にある

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142110.html
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142110.html

上記した定義をベースとして、従来よりAIの定義は多様であったと言えよう

〇 生成AIの定義

AIの定義の一方で、生成AIの定義を参照したい。サービス・アプリとしての生成AIの定義は各メディア等で紹介されているが、2023年1月時点で以下の通りに定義されている。

生成AI(Generative AI)とは、一般的に、写真、テキスト、コンピュータコード...など、ユーザーからの指示に基づいてオリジナルのコンテンツを生成できる人工知能(AI)の一種である。

https://core.verisk.com/Insights/Emerging-Issues/Articles/2023/January-2023/Week-4/Generative-AI
(筆者により翻訳)

この「ユーザーからの指示」が自然言語で可能になったこと、出力される成果の品質が従来と比べて高い傾向にあること、極めつけはサービスとして広く公開されたことが、生成AIが強い話題性を獲得した要因だと考えられる。

〇 第三次AIブームの要点

AIには過去に3つのブームが存在した。各ブーム詳細やブームの間に存在した冬の時代については平成28年版情報通信白書等を参照いただくとして、ここでは昨今まで世間を席巻していた第三次AIブームの要点にのみ言及する。

松尾 豊『人工知能は人間を超えるか』,2015p.61

第三次AIブームの特徴であるディープラーニングについて、鈴木(2018)では具体例が取り上げられている。

ディープラーニングは、音声認識や画像認識などのパターン認識の分野のほか大量のデー タから有益な情報を見付け出すデータマイニングの分野に適用することができるように なっている。
これらのAIは…特定の用途や作業に特化され、その範囲内でのみ認識や探索、予測等を行うもので、その活用は性質上、人の作業や能力を支援する範囲に限定される。
2016年に囲碁のトッププロ棋士イ・セドル九段を破った囲碁AI「AlphaGo」は直観力=大局観を持ったと言われるが、実際には膨大な計算量の結果、まだ人に見付けられていなかった定石を発見したにすぎないとも言われる。

鈴木(2018)

第三次AIブームの間に、囲碁AIから機械翻訳、顔認証システム、自動運転技術、チャットボットまで、現在も実社会で「AI」として幅広い活躍を見せるサービス・システムが誕生した。その基盤技術がディープラーニングである。
ディープラーニングは機械学習(新たなデータからパターンを見つけ出し、それを用いて予測や決定を下すモデルを設計する手法)の一形態であり、その発展にはビッグデータの存在が必要条件である。

ビッグデータの存在は、AIが高度なパフォーマンスを発揮する上で必要不可欠です。AIは大量の情報や知識を必要とし、ビッグデータはその重要な供給源です。その質と量はAIの能力に直接影響を与え、新たなパターン発見や問題解決にとって不可欠な原材料となります。

ChatGPT(20230602,GPT-4)

ディープラーニングの概要や詳細は関連書籍(例えば松尾(2015))を参照いただきたい。

〇 第四次AIブームの要点

第三次AIブームを経て昨今、第四次AIブームと呼称すべき時代がやってきた。そのシンボルがChatGPTに代表される生成AIサービスである。

ChatGPT登場によってAIが明らかに世の中を変えることが確定してしまったので、僕は今年から「第4次AIブーム」と言ってもいいと思っています。

https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/blog/bl/pMLm0K1wPz/bp/pj27knKK8B/

東京大学が公表した「生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について」にてChatGPTの特徴が簡潔に説明されている。この内容だけでも極めて汎用的な性能を発揮するサービスであることが伺えよう。

何ができるかですが、ここでいろいろ説明するよりも、まず皆さん自身で使ってみるのが良いと思います。ChatGPTに何か質問を書き込むと、いろいろな情報を交えて文章を返してくれます。質問・指示文章プロンプトとか呪文と呼ばれます)のやり方を工夫すると、文書作成や文書アウトラインの生成、翻訳、文章の修正・トーン変更、文章要約、コンピューター・プログラムの作成や修正、試験問題作成、調査・分析、ディスカッション・ブレインストーミングの壁打ち相手など、様々なことに使えます。どのような長さやどのような文体(です・ます調、硬い文章、子供向けなど)で回答するか、また箇条書きや表形式で回答を要求することもできます。ネットで使える私設コンサルタントのような使い方ができます。

https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/docs/20230403-generative-ai
「何ができるか、「検索」ではなく「相談」するシステム」

ChatGPTのリリース、GPT APIの解放、GPT-3.5の性能を凌駕するGPT-4のリリース、ChatGPTプラグインの導入、GPT搭載サービスの普及、LLMのオープンソース化等、利用および開発の双方の面から起こる爆発的で急進的なダイナミズムが生成AIの誇大広告的な特性(例えばMiyazaki et al(2023))と相まって、第四次ブームの様相を呈していると考えられる。

また汎用的な性能を発揮する生成AIが労働者に与える影響は非常に大きいと考えられる。
Eloundou et al(2023)はLLM(大規模言語モデル;ChatGPTはLLMの一例であり、その基礎となるアーキテクチャがGPT)が米国の労働者に与えるいくつかの影響を示唆している。示唆のうち2点を引用して以下に示す。

米国の労働者の約80%が、LLMの導入により少なくとも10%の業務に影響を受ける可能性があり、約19%の労働者は少なくとも50%の業務に影響を受ける可能性があること
LLMを利用することで、米国における労働者の全作業の約15%が、同じ品質レベルで大幅に速く完了する可能性があること

https://arxiv.org/abs/2303.10130
(筆者により翻訳)

そして何よりも、こうした現状にも関わらずAIの性能は今もなお発展途上に過ぎないことが指摘されている。2022年12月時点で我々はAIの「歴史の初期段階」にいることが指摘されている。

コンピューターと人工知能は私たちの世界を大きく変えたが、私たちはまだこの歴史の初期段階にいる。このテクノロジーはとても身近に感じられるため、私たちが接するこれらのテクノロジーはすべてごく最近のイノベーションであり、最も深い変化はまだ来ていないことを忘れがちである。

https://ourworldindata.org/brief-history-of-ai
(筆者により翻訳)

以上が「AI / 生成AIの基本的理解」である。
生成AIは第四次AIブームを代表する技術・サービスであり、今もなお発展を続けており、その社会的実態や全貌は明らかになっていないが、今後の社会に大きな影響を与えることは想像に難くない。



◆ 第三次AIブームと大学事務組織の動向

以上を踏まえ、第三次AIブームの大学事務組織とAIの関係について、プレスリリースや大学向けサービスを提供するベンダー各社の事例紹介等として公開された事例を取り上げ、その特徴を整理する。
※念のため、ChatGPT登場以前の動向であることに留意いただきたい

本記事では大学の機関構成員(管理運営)、それぞれの取り組みについて鳥瞰してみたい。

  • 機関の取り組み

国内大学の一部では「AI」を冠するサービスを導入してきた。

例えば近畿大学は「日本の大学としては初めて、人工知能(AI)を活用した大学改革・業務改革を実施」すると謳い、2016年にAIサービスの導入を発表した。

人工知能型業務システム「HUE」を大学・附属病院に導入し、各システムを統合することでバックオフィス業務を標準化・効率化することを目指す。

https://ict-enews.net/2016/09/27worksap/

その2年後の2018年、佐賀大学が国内大学で初めてチャットボットを導入している。

入試(受験生向け)、教務・就職(在学生向け)に関する質問や相談に365日24時間、AIが回答するサービスでウェブサイトに設置。Q&Aは約1,500のパターンを作成し、毎年約12,000件の質問に自動応答、約1,000時間の電話対応時間を削減。

https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/62_18.pdf

近畿大学は2023年初頭、近畿大学の学生がStable Diffusion(オープンソースの画像生成AI)で生成した画像を使用した新聞広告を打ち出している。第三次AIブームにおける取り組みと呼ぶべきか定かではないが、参考までに掲載する。

また2022年11月中旬という、ChatGPTのデモ版リリース(2022年11月30日)直前の時期に、ユーザーローカルのAIチャットボットを導入した事例も存在する。

2023年6月現在、PKSHAのAIチャットボットを導入している11大学の事例が紹介されている。

以上の大学のプレスリリースやAIサービスの導入事例を見るに、大学業務におけるAIの導入事例は「AIチャットボットによる問い合わせ対応業務の効率化」が多いと考えられる。ここで一度、AIチャットボットに焦点を当てよう。

各所で提供されているAIチャットボットの仕様は定かではないが、PKSHAのWebサイトより察するに、大量のテキストデータで訓練された自然言語処理のモデルを利用し、特定のタスク(例えば、学生の質問への回答生成など)に対してファインチューニングすることでタスクに特化したチャットボットを提供していると考えられる。
つまりAIチャットボット等のAIサービスは、大学事務組織がディープラーニングに不可欠なビッグデータを保有することなく、ディープラーニング技術の恩恵の享受を可能にしたと言える。

実際、津久井ら(2022)は多くの大学事務組織がビッグデータを保有していない事情を指摘している。
ディープラーニングにおけるビッグデータの重要性は先述した通りであるが、一部の大規模大学を除き、各大学の業務で用いるデータは実態として「典型的なRDBで処理可能な規模のデータ件数となっており、ビッグデータと呼称すべき規模のデータボリュームではない」(津久井ら,2022)。
※ 大学IRに携わる筆者の経験と照らし合わせても、大学の組織情報を活用するためにビッグデータ用のデータベースを取り回す例は今まで発表されたことがないと考えられる。

以上より、第三次AIブームの中では、ビッグデータを保有せずとも、一部の大学ではAIサービスの導入による業務改善に取り組んでいたと考えられる。
特にAIチャットボットの導入事例が多く散見されることから、大学の業務の中でも特に対外的な問い合わせ対応の改善に活用されていたことが示唆される。


  • 構成員(管理運営業務)の取り組み

次に大学の構成員個人の取り組みについて整理したい。なおここでの構成員は教育・研究を主とする教職員ではなく大学事務組織における管理運営業務に従事する者を想定している。

このような構成員の業務と密接な関係にあると考えられる「大学情報・機関調査研究集会」、「RA協議会年次大会」、加えて「大学行政管理学会 定期総会・研究集会」で公表された過去10年分の発表等の題およびアブストラクトを中心に調査し、大学の業務におけるAI等と関連付けられる発表等を取り上げる。

まず「大学情報・機関調査研究集会」ではAIについて直接的な言及が無く、「RA協議会年次大会」ではAIによる「論文等成果物の名寄せ(著者同定)」を行った金沢ら(2021)の研究発表が確認できる。

一方「大学行政管理学会 定期総会・研究集会」では、発表の概略(アブストラクト)の中で「AI や IoT 等」(荒木,2018)、「IoT や AI の導入」(難波ら,2018)という文言を使用し、大学職員を取り巻く環境の一部としてAIに言及している。
なお2018年の「大学行政管理学会 定期総会・研究集会」ではドワンゴ人工知能研究所 所長が発題者の一人である分科会「AI時代の到来がもたらす大学(組織・人材)への影響」を開催し、当会の参加者へAIに対する理解を深める機会を提供していた。加えて当年の全体テーマが「未来予想図を描こう」であることからも、大学事務組織に影響を与えうる技術に対する積極的なキャッチアップが見受けられる。

このように、一部構成員の中ではAIという技術が今後の大学の業務における背景知識や将来の展望として認識されていたと考えられる。

また、AIとの厳密な区別が難しいが、機械学習を採用した研究発表として田中ら(2022)の「LMS のログを用いたドロップアウト兆候の予測」や萩(2021)の「機械学習を用いた科研費テキストデータに基づく審査区分の推定と応用」も確認できる。それぞれ大学の組織情報・データを活用した大学管理運営への寄与が特徴的である。

そもそも機械学習は統計学的知見を土台に発展した一手法であり、機械学習とAI、機械学習と統計学の線引きは曖昧だと考えられる。参考までに、野村総合研究所の用語解説を引用する。

統計学と機械学習は「特に違いはない」という人もいますし、「機械学習は統計学の応用版」という人や、「機械学習は統計学からモデルや仮説検証を引いたもの」と表現する人もいます。両者は微妙な関係にあると言えるでしょう。

https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/ka/machine_learning

以上より、第三次AIブームにおける構成員の取り組みとしては、調査の範囲に限るが、金沢らのグループ(2021)がAIを直接活用した唯一の例であったことが確認された。
しかし、構成員の研究発表の題・アブストラクトより、AIという技術が今後の大学の業務における背景知識や将来の展望として認識されていることが伺える。これは、構成員がAIをどのように見ていたのか、その一端を示していると考えられる。
また統計的手法の一つである機械学習は、大学の業務におけるデータ分析や作業効率化に活用されていたと考えられる。

特に後者は大学の業務におけるデータ分析や作業効率化に活用されていたことが示唆される。


以上が「第三次AIブームと大学事務組織の動向」である。
なお未実証の仮説を多く含むことをご承知おきいただきたい。



■ 生成AI導入による内外業務へのリターン

大学事務組織に生成AIを導入することで得られるリターンについて整理する。

まず①AI戦略会議の論点整理、②東北大学のプレスリリースを参照し、大学の業務の枠組みを措定の上、生成AI導入によるリターンについて整理したい。

AI戦略会議「AIに関する暫定的な論点整理」

大学事務組織における職員の仕事と各省庁の職員の仕事との間には一定の共通性があるだろう。そこでAI戦略会議が「AIに関する暫定的な論点整理」の中で挙げた生成AIの利用の例を参照したい。

政府機関では、⽣成AIの利⽤によって機密情報漏洩などのリスクがある⼀⽅で、様々な事務作業や事務⼿続きの効率化、問い合わせ対応の⾼度化を含み、働き⽅の改⾰や国⺠サービスの向上につながる可能性があり、⽣成AIの典型的な活⽤例のひとつとなることが想定される。

AI に関する暫定的な論点整理,
https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ronten_honbun.pdf

省庁向けの内容ではあるものの、筆者が太字で示した3つの活用例は大学における事務作業の効率化、(学生等に対する)問い合わせ対応の高度化、(教員・学生)サービスの向上と置き換えても差し支えは無いだろう。


② 東北大学プレスリリース「全国大学に先駆けてChatGPTを導入し、業務の高度化・効率化を推進」

東北大の同プレスリリースでは国内大学に先駆けてChatGPTの導入が報じられた。そこに掲載されている業務上の活用例を参照したい。

<システム運営業務での活用>
職員が用いるパソコン(仮想クライアント)の管理や運用を行う業務において、RPAのフローをChatGPTと対話をしながら作成し、管理・運用業務を自動化
<広報業務での活用>
本学が発出したプレスリリースを基に、ChatGPTを活用してニュース原稿を作成し、AIナレーターが読み上げることで、新たな音声・動画メディアを作成
その他にも、本学のイベント周知のために、ChatGPTを活用してキャッチコピーを作成するなど、多様な用途で活用しています。また、本プレスリリースの作成の一部にもChatGPTを活用しております。

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press0518_04web_chatgpt.pdf

主に職員が事務組織の内部で行う業務、また事務組織の外部に対して行う業務の2者に分けた説明が掲載されていることが分かる。

上記した①,②を踏まえて、今回は大学の業務を対内的な業務および対外的な業務に区別し、大学事務組織へ生成AIを導入することで見込まれる効果・効用(リターン)を整理したい。

なおChatGPT(GPT-4)を活用することで、各部署ごとの生成AI(ChatGPT)導入によるリターンについて整理を行った。

◆ 業務の全体像

まず各事務部門における対内的業務および対外的業務についてテーブル形式にまとめた。

https://chat.openai.com/share/5b67e797-5e2c-492b-b78c-e78f4c32c31e

部門は筆者の経験から、多くの総合大学に設けられている組織を想定した。特段、対外的な業務の多くが「問い合わせ対応」であることが分かる。

さらに対内的・対外的業務に分けて整理を進めた。

◆ 対内業務の効率化事例

ChatGPTの対内的な業務の利用は、主に業務効率化と情報管理の改善を目指しています。多くの場合、これは日常的なタスクの自動化やデータ分析といった形で見られます。

自動化と効率化

ChatGPTは、報告書作成、スケジューリング、ドキュメンテーション、FAQの生成といった日常的なタスクを自動化することができます。これにより、人間のスタッフがより重要な業務に注力することができ、全体の業務効率が向上します。
データ分析
大量のデータを処理し、有用な情報を抽出することは、人間にとっては時間と労力を要する作業です。ChatGPTは、大学の成績データや入学申込みデータなどの分析を助け、パターンを見つけ出し、有意義な結論を引き出すことが可能です。

https://chat.openai.com/share/5b67e797-5e2c-492b-b78c-e78f4c32c31e

対内業務におけるリターンは自動化と効率化データ分析である。

前者は特に革新的な業務経験を大学職員にもたらす可能性がある。
例えばOffice製品に対話型AIサービスが搭載された「Microsoft 365 Copilot」が2023年中にリリース予定であり、従来のRPAでは対応できない業務まで自動化・効率化が進むと考えられる。以下にTeamsの例を挙げる。

会議や会話に Copilot を追加すると、チャットの履歴に基づいて会議のアジェンダを作成したり、フォローアップのために適切な人物を特定したり、次の進捗確認のミーティングをスケジュールしたりするなど、一般的なタスクを強力にサポートしてくれるツールが手に入ります。以下は指示の例です。

「会議で聞き逃したところをまとめて。これまでの論点は? このトピックでメンバーの意見が合わない部分はどこ?」
「<議論されているトピック> のメリットとデメリットを表にして。決定を下す前に他に考慮すべきことは?」
「決定事項と、次に推奨されるステップは?」

https://blogs.windows.com/japan/2023/03/28/introducing-microsoft-365-copilot-a-whole-new-way-to-work/

リターンの後者は従来の活用事例に近く、先述した構成員の取り組みにおける「統計的手法の一つとして採用される機械学習」に対応する。現在も分析活動が報告されているものの、ChatGPTもしくはGPTを実装したサービスの活用により、より多くの関係者にとっての分析が容易になると考えられる。

🍵 余談
ChatGPTは指示された命令の多くを高い水準でクリアできるが、裏を返せば「人間がやりたいことが分からないと何もできない」のである。Microsoft 365 Copilotのような「対話型AIサービスが搭載された既存サービス」は既存の利用者による経験の蓄積が豊富であり、製品ごとにある程度目的が制限されている(≒やるべきことが明確になりやすい)ことにより、利用者による活用が促進されると考えられる。


◆ 対外業務の強化事例

対外的な業務において、ChatGPTは主にコミュニケーションの支援や情報提供に使用されます。これは、一般的な問い合わせの回答、情報の発信、外部パートナーとのコミュニケーションといった形で見られます。

コミュニケーションの支援
ChatGPTは、学生、保護者、外部パートナーからの一般的な問い合わせに対する応答を自動化することができます。これにより、迅速で一貫した対応が可能となり、ユーザーサービスの質が向上します。

情報発信
ChatGPTは大学のウェブサイトやSNSでのコンテンツ作成を支援することができます。これにより、大学のブランドイメージを維持・強化するだけでなく、見込み学生やその保護者に対する情報提供も効率化することができます。

https://chat.openai.com/share/5b67e797-5e2c-492b-b78c-e78f4c32c31e

対外業務におけるリターンはコミュニケーションの支援情報発信である。

前者は従来の活用事例そのものであり、先述した機関の取り組みにおけるAIチャットボットが対応する。従来のチャットボットの性能の更なる向上が見込まれるだろう。

後者は広報部門をはじめとする学外のステークホルダーへの対応と言える。近畿大学のStable Diffusion活用事例は既に紹介したが、同様の事例が今後増えていくと考えられる。その際は後述するリスクを参照の上活用することが望まれる。


以上が「生成AI導入による内外業務へのリターン」である。
参考までに、本セクションで使用したChatGPTのプロンプトを共有する。

◆ 備考:ChatGPTの活用事例

参考までに、ChatGPTの具体的な活用案を紹介する。

New Era of Computing - ChatGPT がもたらした新時代(畠山,2023)
ChatGPTの具体的な利用方法のみならず基礎的な概要まで網羅された発表スライド。


ChatGPTの特性と大学事務業務における活用案
2023年5月22日に筆者が書いた覚書。
大学職員の業務におけるユースケースの例を記載している。

文章生成マシン: メールや公的文書の生成が可能です。事前にフォーマルな文体を複数入力し、そのスタイルをChatGPTに学習させることで、特定のテーマに基づいて文章を作成させることができます。例えば、「打ち合わせに参加できないことを、丁寧に伝えるメールの提案」を敬語で生成するなどです。日程調整でも役立つでしょう。
分析マシン: トークン数の上限までであれば、CSVやテーブルデータを投入し、分析の視点を提供してもらうことができます。
要約マシン: 具体的な文章や概念を与え、それをテーブルデータとして出力することができます。他人への説明や自己の思考整理に役立ちます。
目標実現マシン: 目標を設定し、ソクラテス的質問法を利用します。ChatGPTがユーザーに対して質問を投げかけ、ユーザーが回答を提供します。適切な段階で、「以上の回答に基づいて目標達成のためのスケジュールを立ててください」などと指示すれば良いでしょう。マジで有用です。
情報収集マシン: プラグインを使用すれば、情報収集のツールとしても活用できます。

https://therapeutic-waiter-c3f.notion.site/ChatGPT-5f1b9c638ba54cf2a45076f87ce7651e

またまた余談です…🍵

この他にも非常に多くのプロンプト例・活用事例がWeb・SNS上で散見されるが、先述の東京大学の公表にも記載されていたように「ここでいろいろ説明するよりも、まず皆さん自身で使ってみるのが良いと思います」という意見に全面的に同意する。
ChatGPTは一サービスに過ぎない以上、他の生成AI(Microsoft 365 Copilot等)が大学事務組織における支配的地位を確立する可能性も大いにありうる。その際も利用者自身がまず触ってみてトライアンドエラーを経て納得する/しないプロセスが、出力の予測不可能性を持つ生成AIを活用するために必要なのではなかろうか。



■ 生成AI導入に伴うリスクと課題

大学事務組織に生成AIを導入することで想定されるリスクについて整理する。

生成AIリスクの4分類

市川(2023)はChatGPT等に対する社会的リスクを「出力内容に係る社会的リスク」と「入力(学習データ等)関連のリスク(各種法令関係)」に整理している。それぞれの要素を引用すると以下の通りである。

  • 出力内容に係る社会的リスク

    • 正確性・信頼性

    • 公平性・社会的妥当性

  • 入力(学習データ等)関連のリスク(各種法令関係)

    • オーサーシップ・盗作と著作権

    • 個人情報、企業秘密

この「正確性…」から「個人情報…」までの4つのリスクを枠組みとして援用し、具体的な例や各種資料をまとめることでリスクの整理を試みる。

◆ 正確性・信頼性

生成AIが出力した結果の正確性・信頼性を担保するのは人間である。
そもそも2021年時点の訓練データが反映されているので、プラグイン等を使用しない限り、最新情報を拾うことができない。

ChatGPTはインターネットに接続されていないため、時折、誤った回答を出すことがあります。また、2021年以降の世界や出来事に関する知識は限られており、時折、有害な指示や偏った内容を出すことがあります。

https://help.openai.com/en/articles/6783457-what-is-chatgpt
(筆者により翻訳)

【例】生成AI利用時のハルシネーション(幻覚):
日本最古の大学についてChatGPT(GPT-3.5)に繰り返し聞いてみた結果を共有する。 極端な例であるが、間違ってもこの手の判断をChatGPTに委ねるべきではない。

実際に、教員がChatGPTに「学生がChatGPTで論文を書いたかどうか」を尋ねた結果を信頼・使用し、クラスの半分以上が不合格となり、大学が彼らの卒業証書を保留にした事件も起きている。


◆ 公平性・社会的妥当性

ChatGPT等のサービスが一企業のサービスである以上、公平性と社会的妥当性への配慮が課題として残る。

例えばUNESCOの"ChatGPT and artificial intelligence in higher education: quick start guide"ではChatGPT利用時の「課題と倫理的含意」の一例にジェンダーとダイバーシティ、アクセシビリティを挙げている。参考までに掲載する。

ジェンダーとダイバーシティ:

ジェンダーやその他の差別に関する懸念は、ChatGPTに限ったことではなく、すべてのAIの形態に当てはまります。一方では、AIに関連するテーマやAIの研究・開発への女性の参加が少ないことを反映し、他方では、ジェンダーやその他のステレオタイプを差別したり強化したりするコンテンツを生成し発信する生成AIの威力を反映しています。

https://www.iesalc.unesco.org/wp-content/uploads/2023/04/ChatGPT-and-Artificial-Intelligence-in-higher-education-Quick-Start-guide_EN_FINAL.pdf
(筆者により翻訳)

アクセシビリティ:

ChatGPTのアクセシビリティをめぐる懸念は主に2つあります。1つ目は、政府の規制や検閲、インターネットに対するその他の制限のために、一部の国でツールが利用できないことです。2つ目の懸念は、インターネットの利用可能性、コスト、スピードの不均等な分布という点で、アクセスと公平性のより広い問題に関連するものです。また、AIに関する教育や研究/開発は、世界中に均等に広がっておらず、一部の地域では、このトピックに関する知識やリソースを開発できる可能性が非常に低くなっています。

https://www.iesalc.unesco.org/wp-content/uploads/2023/04/ChatGPT-and-Artificial-Intelligence-in-higher-education-Quick-Start-guide_EN_FINAL.pdf
(筆者により翻訳)

また大阪大学の社会技術共創研究センターの「生成AIの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)論点の概観」では生成AIの課題について多角的観点から整理されている。参考までにリンクを掲載する。

https://elsi.osaka-u.ac.jp/system/wp-content/uploads/2023/04/ELSI_NOTE_26_2023_230410.pdf

◆ オーサーシップ・盗作と著作権

「生成AIの利用ガイドライン」の記述および簡易解説を一部掲載する。
より詳しい説明は当ガイドラインを参照していただきたい。

第三者が著作権を有しているデータ(他人が作成した文章等)
単に生成AIに他人の著作物を入力するだけの行為は、著作権法30条の4の「情報解析」非享受利用」に該当すると思われますので、著作権侵害のリスクはかなり低いと思われます。

https://www.jdla.org/document/#ai-guideline
「生成AIの利用ガイドライン」
データ入力に際して注意すべき事項

生成物を利用する行為が誰かの既存の権利を侵害する可能性がある
生成AIからの生成物が既存の著作物と同一・類似している場合は、当該生成物を利用(複製や配信等)する行為が著作権侵害に該当する可能性があります。もっとも、どのような場合に著作権侵害に該当するかは明確な基準が存在しない状況です。

https://www.jdla.org/document/#ai-guideline
「生成AIの利用ガイドライン」
生成物を利用するに際して注意すべき事項

なお「AIと著作権の関係については、「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」では、著作権法の適用条文が異なり、分けて考えることが必要」だとされている。大学事務組織においては特に「生成・利用段階」のリスク検討が不可欠だと考えられる。無論、学習済みモデルを持つ場合は「AI開発・学習段階」においても検討いただきたい。

https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/shiryo.pdf

◆ 個人情報、企業秘密

従来のWeb利用と重複する部分もあるが、機密情報をプロンプトに投入する行為には十分な注意が必要である。

個人情報保護委員会により「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」が公表されている。本記事では行政機関等における注意点のみ抜粋して掲載する。

① 行政機関等が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的のための必要最小限の利用又は提供であることを十分に確認すること。

② 行政機関等が、生成AIサービスに保有個人情報を含むプロンプトを入力し、当該保有個人情報が当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該行政機関等は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該保有個人情報を機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。

https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_kouhou_houdou.pdf


以上が「生成AI導入に伴うリスクと課題」である。
主に正確性・信頼性に重点を置いたことにご留意願いたい。

📄 まとめ

■ 生成AIの背景と大学事務組織との関係

  • 生成AIは第四次AIブームを代表する技術・サービス

  • 【第三次AIブームにおける組織の取り組み】

    • ビッグデータを保有せずとも、一部の大学ではAIサービスの導入による業務改善に取り組んでいたと考えられる。

    • 特にAIチャットボットの導入事例が多く散見されることから、大学の業務の中でも特に対外的な問い合わせ対応の改善に活用されていたことが示唆される。

  • 【第三次AIブームにおける構成員の取り組み】

    • 構成員の研究発表の題・アブストラクトより、AIという技術が今後の大学の業務における背景知識や将来の展望として認識されていることが伺える。

    • 統計的手法の一つである機械学習は、大学の業務におけるデータ分析や作業効率化に活用されていたと考えられる。

■ 生成AI導入による内外業務へのリターン

  • 対内的な業務

    • 自動化と効率化

      • Microsoft 365 Copilot 他

    • データ分析

      • データ分析の敷居が下がり、従来に引き続き改善が期待される

  • 対外的な業務

    • コミュニケーションの支援

      • チャットボットの性能が向上し、従来の取り組みに引き続き改善が期待される

    • 情報発信

      • リスクを考慮した上での活用が期待される

■ 生成AI導入に伴うリスクと課題

  • 正確性・信頼性

    • 生成AIが出力した結果の正確性・信頼性を担保するのは人間である

  • 公平性・社会的妥当性

    • ジェンダーとダイバーシティ、アクセシビリティ等

  • オーサーシップ・盗作と著作権

    • 「生成AI利用ガイドライン」(日本ディープラーニング協会)参照

  • 個人情報、企業秘密

    • 「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(個人情報保護委員会)参照

🔒 本論の範囲と制限

〇 生成AI利活用における組織の運用コストに言及していない
(「ペイできんの?」と詰められると何も言えません)
〇 2023年6月初旬現在の情報を使用している
〇 大学事務組織を極めて単純なモデルに措定した上で論じている
(無論、実態は職階や部署によって多様である)
〇 誤った解釈を避けるため、生成AI導入における法的リスクについては最低限の言及に留まっている

📚 参考文献

- はじめに

森木 銀河,2023,「ChatGPT/生成AIへの対応を表明した国内の大学一覧【2023年6月3日現在】」,https://note.com/pogohopper8/n/n3126b312f209,最終閲覧日:2023年6月4日

公益社団法人私立大学情報教育協会,2023,「生成系 AI 使用ガイドライン」,https://www.juce.jp/edu-kenkyu/gaiguide.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

一般社団法人国立大学協会,2023,「生成 AI の利活用に関する国立大学協会会長コメント」,https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/3210c7acc3d0a978c5f75eab54bc490b.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

吉田 塁,2023,「イベント「教員向け ChatGPT 講座 ~基礎から応用まで~」 5/13 開催報告と振り返り」,https://edulab.t.u-tokyo.ac.jp/2023-05-13-report-event-chatgpt-course/,最終閲覧日:2023年6月4日

- 生成AIの背景と大学事務組織の関係

総務省,2016,「1 人工知能(AI)研究の進展」,平成28年版情報通信白書,https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142110.html,最終閲覧日:2023年6月4日

Greg Scoblete,2023,“The Promise and Potential Risks of Generative AI”,https://core.verisk.com/Insights/Emerging-Issues/Articles/2023/January-2023/Week- 4/Generative-AI,最終閲覧日:2023年5月25日

総務省,2016,「第2節 人工知能(AI)の現状と未来」,平成28年版情報通信白書,https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142120.html,最終閲覧日:2023年6月4日

松尾 豊,2015,『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』,KADOKAWA,p.61

鈴木 達也,2018「第3次ブームを迎えたAIの現状及び今後― 人工知能の利用に関する研究会・活動報告―」,『立法と調査』,No.405,https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2018pdf/20181001018.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

NHK,2023,「人工知能研究の第一人者・松尾豊さんが語る“第4次AIブーム”【博士の20年】」,サイエンスZERO,https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/blog/bl/pMLm0K1wPz/bp/pj27knKK8B/,最終閲覧日:2023年6月4日

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ICT教育ニュース,2016,「近大が日本の大学初のAIを活用した大学改革・業務改革実施を決定」,https://ict-enews.net/2016/09/27worksap/,最終閲覧日:2023年6月4日

国立大学協会,2021,「「AIチャットボット」、「RPA」などによる業務プロセスの変革と働き方改革」,『国立大学』,62号,https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/62_18.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

PKSHA,2023,「「チャットボット」の導入事例」,https://aisaas.pkshatech.com/success/?tag=チャットボット,最終閲覧日:2023年6月4日

ユーザーローカル,2022,「神奈川工科大学がユーザーローカルのAIチャットボットを導入~5,000名の学生からの問い合わせに24時間自動回答で問い合わせ効率化~」,https://www.userlocal.jp/press/20221122kc/,最終閲覧日:2023年6月4日

近畿大学,2023,「今年の近大新聞広告はAIが制作!?情報学部1年生が、話題の「Stable Diffusion」で近大生を生成してみた」https://kindaipicks.com/article/002575,最終閲覧日:2023年6月4日

津久井 浩太郎 他,2023,「中小規模の大学が"Quick Win"を達成するための大学 IR 基盤の考察」,第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集,p.30-35

金沢 輝一 他,2021,「精緻で直観的な学術情報利用を拓く分析システムの開発と活用の取り組み~情報収集から始める組織の研究力強化~」,RA協議会第7回年次大会,https://www.rman.jp/meetings2021/kojinyokoPDF.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

荒木 利雄,2018,「大学経営におけるアメーバ経営の適用の意義 -経営理念の浸透による組織改
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難波 輝吉 他,2018,「学校法人による公立学校運営の取り組み-名城大学×愛知総合工科高等学校専
攻科-」,大学行政管理学会 第22回定期総会・研究集会,URL同上

大学行政管理学会 研究・研修委員会,2018,「AI時代の到来がもたらす大学(組織・人材)への影響」,大学行政管理学会 第22回定期総会・研究集会,URL同上

- 生成AI導入による内外業務へのリターン

AI戦略会議,2023,「AIに関する暫定的な論点整理」,https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ronten_honbun.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

東北大学,2023,「全国の大学に先駆けて ChatGPT を導入~AI を駆使し DX の最先端を切り拓く~」,https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press0518_04web_chatgpt.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

Japan Windows Blog,2023,「Microsoft 365 Copilot をリリース – 仕事の新たな形を創造」,https://blogs.windows.com/japan/2023/03/28/introducing-microsoft-365-copilot-a-whole-new-way-to-work/,最終閲覧日:2023年6月4日

畠山 大有,2023,「New Era of Computing - ChatGPT がもたらした新時代」,https://speakerdeck.com/dahatake/new-era-of-computing-chatgpt-gamotarasitaxin-shi-dai-3836814a-133a-4879-91e4-1c036b194718,最終閲覧日:2023年6月4日

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- 生成AI導入に伴うリスクと課題

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大阪大学 社会技術共創研究センター,2023,「生成AIの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)論点の概観」,https://elsi.osaka-u.ac.jp/system/wp-content/uploads/2023/04/ELSI_NOTE_26_2023_230410.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

一般社団法人 日本ディープラーニング協会,2023,「生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】(2023年5月公開)」,https://www.jdla.org/document/#ai-guideline,最終閲覧日:2023年6月4日

文化庁著作権課,2023,「AIと著作権の関係等について」,https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/shiryo.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日

個人情報保護委員会,2023,「生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等について」,https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_kouhou_houdou.pdf,最終閲覧日:2023年6月4日


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