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2025年1月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

ゲーム情報メディアのGameIndustries.bizでゲームB2B部門の責任者であるクリストファー・ドリングという人曰く2024年のヨーロッパにおけるゲームの販売は堅調であったものの、2024年発売の新作の売上が不調、上位10位に入ったものは3本だけだったらしいです。
うち2本はFIFA(現在はタイトルをEA Sports FCに変更)、CoDと年刊化している人気シリーズの最新作で、残り1本はHelldivers 2でした。注目作であったFF7リバース、Star Wars Outlaws、Dragon Age: The Veilguardなどは上位30位にも入っていないようです(Dragon Ageは10月末の発売という事情もありますが…)

アメリカでの結果についてはこちらの記事で見られますが傾向としては大体同じ、非年刊の新作としては他にドラゴンボール Sparking! ZERO、ドラゴンズドグマ2も入ってヨーロッパと比べると若干健闘しています。

他に主要市場としてはアジアがありますが、ここはF2Pのゲームが強いので新旧問わず買い切りのゲームの比重は軽いはずです。今年はアジア市場の中でも特に大きな中国限定で黒神話: 悟空が売れまくったので少し事情は異なるでしょうが。

この新作が売れにくくなってきているというのは数年前から言われだしている傾向で、年末に公開されたSteamリプレイでも

  • 今年発売されたゲームの購入数の中央値は4本

  • 今年発売されたゲームのプレイ時間は全体の15%

という数字が明らかになっています。これは去年も似たような結果となっていました。

こうした話題に対しての反応としてよく見るのが
「ゲームの進化が止まり新作に価格相応の価値がない。
 旧作をセールで買ったほうがコスパが良い」
という声です。この意見はそれなりに説得力がありかつ耳あたりも悪くないため、新作不振の理由として受け入れられがちではありますが理由としては半分弱くらいでしかないと思います。

私としてはゲームの進化が止まったとは考えていませんが、ゲームが既にかなり高度なレベルまで発達した結果、グラフィックや表現技法などはもちろん、ゲーム内容についても各ジャンルにこだわりとある程度の知識を持つ人でなければ違いが実感しづらいということは増えてきているかなと。

しかも以前は販売上の制約からどんな人気作品も何年かすると入手困難にななるなどして消えていったものが、今はデジタルプラットフォームの普及により消えることがなくなった、競合作品は増える一方になっているという問題もあります。

そしてただの旧作よりも厄介な競合相手となっているのが、何年にも渡りシーズン、期間限定イベントを続けて、以前では考えられなかったほど長期に渡り収益を上げているライブサービス型ゲームの存在です。
去年は年初のSuicide Squad、そして秋のConcordなど大型のライブサービス型ゲームの失敗が話題になり、そのビジネスモデルの終焉を口にする人も増えてきましたが、CoD、GTAオンライン、Fortniteなど既に成功している作品については未だ安泰であり、多くのゲーマーの金と時間がこれらに押さえられた固定層化してしまっている状態には変化は見られません。

これはかつて日本のソシャゲブームと色々な面で似ていると言えます。その発展の結果、大手ゲーム企業はそちらに躍起になり、それ以外の作品はなかなか出なくなりました。人気シリーズ待望の続編が発表されるもソシャゲだった、というパターンに繰り返し落胆させられた人も多いでしょう。
そのソシャゲも競争激化、開発コストの増大で次第に難しくなってきたわけですが、その結果旧来のタイプのゲームが復権したかというとそんなことはなかったのです。

2023、2024年はあちこちでレイオフや会社の閉鎖が相次ぐなどゲーム業界にとっては厳しい年でした。その原因はコロナウイルスの影響によるゲームの需要拡大に対する反動と言われ、2023年の時点では翌年も回復は望み薄、本格的な回復は再来年の2025年からと言われていました。
ようやくその2025年を迎えたわけですが、私としてはもはやそういう一過性の問題ではない、レイオフや会社の閉鎖はある程度落ち着いて表面的には回復に向かっているように見えても、新作を脅かす旧作という重石がますます積み上がっていくばかりのゲーム業界の苦境は、業界の構造改革を促すような何らかのパラダイムシフトまたは完全な破局といった大きな変化がもたらされるまで続くような気がします。


Sea Fantasy

  • 1月7日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: RPG (スローライフ、釣り)

  • 日本語あり

2022年に名古屋で設立されたインディーゲーム会社の処女作で、釣りを中心としたRPGです。大戦争で陸地の7割が海中に没した世界でロッド、アクセルという2人の青年が海に住んでいるシーアズ(SeeAZ)という生き物を釣りながら旅をしていたところ、傷ついた光の竜と出会い、これと対立する闇の竜の復活を阻止するために世界中を冒険していくというストーリーらしいです。

やることとしてはどこでも呼び出せる船を使って陸地と海を探索し、魚影を見つけたらそこで釣りをする、釣りはよくあるバーが左右に動いてタイミングよくボタンを押すと魚側にダメージ、失敗すると自分にダメージというミニゲームで、自分の体力が尽きる前に魚の体力を削りきれたら釣り上げることができます。釣り上げた魚や貝などを素材として釣り竿や釣り針などの道具をクラフトすることができ、より手強い魚を釣れるようになります。

パズルチックなパートがあったり、横スクロールのプラットフォーマーになったり、釣りではなくアクションで戦うボス戦が始まったりもするようで、良く言えばバラエティに富む、悪く言えばどこがメインなのかはっきりしない作りになっているようです。

釣りのスローライフゲームではなく、戦闘のかわりに釣りのミニゲームをするRPGという点に若干注意が必要ですが、RPGとしては懐かしいタイプでそれが好きな人にはいいかもしれません。
あとゲームの内容についてはSteamのストアページより公式サイトの商品説明を読んだ方がわかりやすいかと思います。


Airborne Empire

  • 1月14日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ストラテジー (街作り)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

2020年12月にEpic Games Storeで、その後2022年3月にSteamで発売された都市建設、探索ゲームのAirborne Kingdomの続編です。
前作同様、自由に動き回れる空中都市で世界中を旅しながら資源を集め、都市を拡張し、地上の都市と交流して話を進めていくゲームです。

資源は小型飛行機を使って
地上にある森や鉱山から採集します。
比較的短時間で枯渇してしまうので
新たな産出地を求めて移動し続ける必要があります
都市では新たな労働者の雇用、
クエストの受注と実行が行えます。
クエストは文章量が多めで純粋な街作りゲームと言うよりは
ストーリーありきなところがありますね

街作りの要素は前作からほぼ変わらずライト寄り、資源とその加工はごくシンプルですし物流チェーンの構築、効率化といった要素はありません。かわりに空中都市独特の要素として設置可能な建物の数を制限する揚力、移動速度といった要素があり、資源を入手、加工してこれらの能力を強化するための施設を随時増やしていく必要があります。

技術研究要素もあります。
建物は重要なものはクエストで入手、
それ以外は地上の街の研究所で設計図を購入します。
建物の種類はあまり多くはありませんが
能力向上の技術はいろいろと用意されています
重量バランスの要素があり
前後左右いずれかの方向に偏らないよう
建物を配置していく必要があります。
重量バランスが傾くと住民から不満が出たり
揚力にペナルティがかかったりします

Empireになってからの新要素としては戦闘の要素があり、マップ上にいくつかある空賊の拠点から時々敵が発生して襲ってきます。これを撃退するために都市に砲台を設置して迎撃、また大砲を設置して空賊の拠点などを破壊していく必要があります。

前作の売りとして
戦闘がなく雰囲気にひたりながら
ゆったりと旅や物語が楽しめる、というのがあり
その続編で戦闘要素が追加されるというのも
若干皮肉な気がします

全体的な感想としてはゆったり旅して世界各地の街を歴訪し、クエストを実行、その会話やストーリーを楽しむゲームですね。軽度のゲーム要素を併せ持つナラティブ主導型ゲームで、ガチの街作りゲームとして期待すると肩透かしをくうことになるかもしれません。
戦闘要素の追加以外は本当に前作との違いが感じられず、前作そのままでいいという人にはいいでしょうが進化、変化を求める人にとってもいささかもの足りないゲームになるでしょう。


ブレードキメラ

  • 1月16日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (2D、メトロイドヴァニア)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

Touhou Luna Nights(東方ルナナイツ)、ロードス島戦記 -ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-でおなじみTeam Ladybugの新作2Dアクションです。これまでの作品は東方Project、ロードス島戦記と原作ありのゲームでしたが今回はオリジナルの世界設定、妖怪が跋扈して荒廃した日本のオオサカが舞台となります。
主人公のシンは妖怪を狩るマリュード(魔狩人?)の長として妖怪討伐の任務に従事していましたが、ある時主人公に対して害意を持たない妖怪のルクスと出会います。巨大な剣に姿を変えた彼女とともに戦っていくうち、やがて主人公は失っていた記憶を取り戻していく…というお話らしいです。

アクションゲーム、メトロイドヴァニアの作りとしては装備、レベル、スキルありのRPG的要素を含むもので、武器は2種類まで装備可能、近接武器と射撃武器の2系統あり、近接2種、射撃2種とかも可能です。

近接武器には射程の長い鞭、
振りは遅いが威力の高い大剣、
射撃武器には単発、連射など
いくつかのサブタイプがあるようです

もう1つの攻撃手段としてルクスが姿を変えた大剣の妖蛍刀というのがありこれは魔力を消費して使用します。最初は投げつけて攻撃するだけですがスキルを獲得することで攻撃パターンが追加されたり、魔法攻撃ができるようになったりもするようです。またこれで敵を倒すと体力が回復します。通常武器で敵を倒すと魔力が回復して妖蛍刀が使えるようになり、妖蛍刀で敵を倒すと体力が回復するという関係ですね。
この妖蛍刀は壁に突き刺して足場にする、特定のオブジェクトに使用することで時間を巻き戻して足場を作ったり、進めて壁を消したりといった用途もあり、戦闘だけでなく先に進むためにも不可欠な存在となります。

金属板で覆われている壁は
妖蛍刀が刺さらず足場は作れません
単なる足場以外に飛び移るのに使えるロープや
荷台を上下移動させられるフォークリフトなどにも
変化させられます

レベルの要素があり、体力と魔力の上限は成長しませんが攻撃力、防御力が増加、また獲得したポイントでスキルの習得が可能です。

スキルの数は最初から見えるもので全部とすると
数は少なく、成長が楽しめるという感じではなさげです

高評価作品を出してきた熟練の開発者の作品ということで、若干動きの硬さがありスピード感、動かしていての楽しさには若干欠ける(これは前作も同様に感じましたが、逆に言えば前作で問題と思わなかったのであれば今作も大丈夫なはず)ものの手堅い作りかなと思いました。
気になった点としては

  • 壁の端を掴んでよじ登るアクションの判定が少しシビア

  • コヨーテジャンプがない、または弱い
    (ぎりぎりのところで踏み切ってジャンプする際、足場からはみ出しても短い猶予時間内であれば落ちずにジャンプ成功になるシステム)

  • 体力の上限が低く雑魚戦でもそこそこ危険がある
    (行動パターンは単純なものの一撃が重め)

  • 妖蛍刀が入れないエリアがあり、不注意で持ったまま入ってしまうとごく短時間でゲームオーバーになる

  • やられるとセーブ時点からやり直し、稼いだ金や経験値も消える

あたりでしょうか。最後の3つは互いに関連しており、ゲーム全体としては特に高難易度というわけではないのですが、ちょっとした不注意で死んでやり直しが発生、その際に取得した金、経験値なども戻されてそれが繰り返されるとストレスになってくるかもしれません。
上2つも含めて考えると、乗り越えて楽しさを感じる挑戦とは無縁のところで無意味に難易度が上がっているのではないかな?と感じました。
良かった点としては

  • 開始後すぐにファストトラベルが使える。
    ごく一部の移動禁止エリア以外はどこからでも、そしてどこへも移動できて非常に使い勝手がいい

  • ボスの体力が低めで、ボス戦が無駄に長引かない

  • 回復、セーブポイントの利用はその前を通るだけでよく、国産ゲーに見られがちな回復しますか?セーブしますか?どのスロットを使いますか?とメニュー責めにされる煩わしさがない

といったものがありました。プレイしやすさは優れていると思います。

基本的には前作、前々作が気に入ったのであれば同路線の新作なので多分間違いなし、そうでなくてもメトロイドヴァニア好きなら試してみる価値は十分にあるといった印象でした。
体験版もそこそこボリュームがありボス戦2回あり、時間にして1時間ちょっと遊べるので気になったら試してみてください。

ストーリー的には序盤から
人間の味方のはずの教会が実は…的なことが匂わされてたりと
割とありきたりな雰囲気が漂ってますね


IDUN - 前線防衛サバイバル

  • 1月21日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (タワーディフェンス)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

SFもののタワーディフェンスです。タイトルにもなっている惑星イドゥンで資源採掘を行っていたところ、凶暴化した現地生物が群れをなして襲いかかってきます。プレイヤーはタレットやヒーローを活用してこの襲撃を押し留め、資源採掘が完了するまでの時間を稼いでその後脱出というのを面ステージ攻略型で繰り返していきます。

日本語に対応していますが
懐かしのワードアートを思わせる
クソダサフォントが使われていたり
訳も若干こなれてなかったりします

特徴としてはとにかく敵が多く、全方位からなだれ込んできます。それに対処するため、ヒーローだけでなくタレットもいつでもコスト、ダウンタイムなしに再配置でき、敵の出現位置や編成、数に応じて頻繁に再配置が求められます。

こいつはいいぞ!
どちらを向いても敵ばかりだ!
撃てば当たるぞ!
タレットはドラッグ&ドロップで瞬間移動しますが
ヒーローはドラッグで経路を指定すると
そのうえをてくてく歩いていきます

資金的なものはあるものの敵を倒しても収入はなし(例外あり)、主にステージ内に設置されたドリルで資源を採掘して稼ぎます。しかしタレットやヒーローはこの資金を使って購入するのではなく、資金が一定量溜まるごとに支援用のオーブが投下、それを拾うことで新規タレットの獲得、アップグレードなどいくつかの選択肢が表示され、その中から1つ選んでいきます。オーブは拾うごとに次の投下に必要な資金の量が増加していきます。ローグライトの強化的な感じでタレットの購入、強化を行っていくわけですね。

新たなタレットの追加、強化のほかに
次のオーブで手に入るアイテムが増えたり
選択肢を増やしたりというのも候補として出てきます

ランダムではない部分としてはステージクリアによって装備を獲得、次のステージ開始時に装備の残り在庫と輸送船の積載量の範囲内で初期装備を持ち込むことができます。

この持ち込み装備は使い捨てらしく
ミッションに持っていくとその分在庫が減ります。
ただし∞(無限大)のアイコンがついているものは無制限で使用可能です
持ち込み装備はミッション報酬で手に入るほか
手持ちの資源を使って作成することも可能です
おなじみ各ステージで溜めた資源を使って
新たなタレットをアンロックしたり
強化したりも可能です

大量の敵を蹴散らす爽快さ、こまめな再配置で迎え撃つゲームプレイには独特の魅力がありますがTDとしてはそこまで思考を求められるタイプではなくペースの早い、アクションよりのゲームと言えますね。
体験版をプレイして気になった点としてはオーブで獲得できる候補のランダム性が高すぎ、1度プレイしてこれクリアできるの?と思ったようなステージが再度プレイしたら楽勝になったりとバランス面に少し問題があるかも?と感じました。

ただ体験版は結構前に公開されたもので、1月3日には(多分)最新化されたプロローグ版が出るようなので、それをプレイして確かめてみる必要がありそうです。

ちょっと気づきにくいのですが
マップ上で大きく表示されている以外にも
プレイ可能なステージがあります。
丸が表示されたヘックスはストーリーとは無関係の
非必須ステージのようです
ステージの中には採掘要素なし、
プレイヤーがWASDで操作可能なメカを
一定時間守り抜くというものもあります
(この面は敵を倒すことで資源が増加するようです)


Jotunnslayer: Hordes of Hel

  • 1月21日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: アクション (2D、Vampire Survivorライク)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

北欧神話の世界を舞台としたVampire Survivorsライクなゲームです。サブタイトルに含まれているHelは地獄(Hell)のことではなく北欧神話に登場する女神ヘル、あるいは彼女が支配するという死者の領域ヘルヘイムのことです。グラフィックはエフェクト含めてなかなか美しく、簡素なグラフィックの多いこのジャンルの中では見応えはトップクラスかと思います。

近接戦闘のバーサーカー、弓兵のレヴナント、魔術師のシーレス(賢者を意味するシーアの女性形)など全4つのクラスの中から1つ選択、その後クラスごとに用意された武器数種類の中から1つ選び、最後にプレイするステージと難易度を選んでゲーム開始となります。

各クラスには攻撃命中時に確率で特殊効果発動、
一定時間ごとに攻撃を防ぐシールド発生など
固有能力が設定されています
レベル11になるとクラスごとに用意された
3つのサブクラスの中から派生先が選べます。
ダメージ強化、クールダウン短縮とかの得意分野を選べます
武器はスタン発生率+5%などの微弱なボーナスと
任意のタイミングで発動可能なアビリティが設定されています。
スキンは外見変更のみです
全体的な難易度の他に
被ダメージが減るけれど資源収入も減る等の
モディファイアを追加可能です

全方位から押し寄せてくる敵を倒して落とす経験値を拾いレベルアップするとランダムに選ばれるアップグレードの中から1つ選んで強化が行えます。この時、まず自キャラのクラスまたはトール、ロキ、フレイヤなどの神々のうちから2つの候補が選ばれ、その中から1つ選ぶとクラスまたは神に属するスキルのアップグレードが候補として表示されます。
この選択はレベルアップごとに行い、自クラスと1つの神のみの特化キャラを作ることも、全ての神から祝福を受けたバランス型キャラを作ることも可能です。

左がクラスのバーサーカー、
右が神のトールです。
今回は両方出ましたが神2つということもあります

使用するアビリティはクラス、神ごとに3、4種類用意されていており、アビリティはクラス用2個、神用3個の計5個まで持てます。
一般的な能力強化、即ちHP上限、ダメージ、攻撃速度、クリティカル率などの基礎能力のアップグレードもクラス、神ごとに固有のものとなっていて、例えばクリティカルビルドでプレイしたい場合はそれを持っているクラス、神を選ばないと何回レベルアップしても候補に出てきません。
特徴的な点としては攻撃命中時に連鎖が発生、あるいは敵から攻撃を受けた時に爆発が生じるなど、一定間隔ごとに自動使用ではなく、特定の条件で発動するアビリティが色々と用意されています。

AUTOCASTタグがついているものがいわゆるアビリティ、
PASSIVEタグのついているものが能力強化です。
この2つはレベルアップ時の強化候補として混在して出ます

使用型のアビリティは最大3レベルあり、同じものを取得することでレベルアップ、3レベルに到達した後でもう1回取得すると上位アビリティに変化します。例えばクールダウンごとに数発の雷が落ちるアビリティは、広範囲にダメージを与える強力な雷単発に変化します。

上位アビリティは各アビリティごとに1種類、
これもまた通常アビリティ獲得、強化、能力強化とともに出てきます
(専用の巻物とかはありません)

全体的に見てクラスによる個性は通常、特殊攻撃のパターン以外はあまりなく、選んだ神とあわせての複合クラスみたいな設計になってますね。

ゲーム時間は難易度ごとに異なり、標準のノーマルでは15分、イージーでは10分、ハードでは17分となります。難易度はステージごとに用意されていて下のものから順番にクリアしていく必要があるようですが、イージーは正直かなり楽で初見でもいけるレベル、わざわざやらせる必要がないような…2番目以降のステージではスキップできるといいのですが。

ゲーム開始後少し経つとイベントが開始、アイテムを拾ったり、重要オブジェクトの範囲内に留まるなどの目標が用意されています。これをクリアすると永続強化の購入に必要な金、ソウルストーンなどの資源を拾えます。

弱めの中ボスのロードを2体倒すか、
強めの中ボスのチャンピオン1体を倒すか…
あるいは同じ目標で
難易度が選べるものもあります

前回のイベントクリア後、また少し経つと別のイベントが始まります。
ボスを召喚するには難易度により決まっている回数イベントをクリアすることが必要で、最後のイベントをクリアするとボス召喚サークルが登場します。ボス召喚サークル内に短時間留まることでステージボスのヨトゥンが登場、倒せればクリアです。制限時間以内にボスが召喚できないと強制終了、未クリア扱いとなります。

プレイ中に拾った資源で永続強化が購入可能ですが、こちらもクラス、神ごとに4、5種類の強化候補が用意されています。

クラスの永続強化はそれを選んでプレイしているときのみ有効ですが
神の永続強化は最初から全て適用されます
(ゲーム中にその神のアップグレードを取る必要はない)

総合的な感想としては…普通のVampire Survivorsライクと比べ強化、ダメージインフレ幅が小さく若干地味な印象を受けました。画面を埋め尽くすような弾幕を発射したり、攻撃範囲が画面全体になったり、クリティカル率100%とかはおそらく無理です。ダメージ量もこのジャンルでは数百万、数十億とかもざらなところ、このゲームでは、威力高めのものでもクリティカルで50前後にしかなりませんし。

難易度NORMALでクリアした際の
最終的な能力値です。
このジャンルに慣れた人であれば
控えめな数値であることがおわかりいただけるかと

基本攻撃は自動化可能でクールダウンごとに狙った方向に攻撃、範囲内に敵がいたら攻撃が選べ、またどちらの方角を狙うかも手動、自動の切り替えが可能です。自動照準オンでもマウスまたはコントローラーで方角を指定すればそれが優先され、操作の便利さについては十分かなと。

良く言えばバランスは取りやすくなっている、悪く言えばVampire Survivorsライクの魅力の1つであるハチャメチャさには欠けます。このあたり評価が分かれる点だと思います。


Space Engineer 2

  • 1月28日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: アクション (乗り物設計)

  • 日本語なし

2013年に早期アクセス開始、2019年に正式リリースとなった宇宙を舞台としたサンドボックスゲーム、Space Engineerの続編です。ブロックやパーツを組み合わせて好きな機能、形状の宇宙船を作り、それに乗って探索したり惑星上に拠点を作ったりしていくゲームですね。
なお2の早期アクセス開始時点で遊べるのは手持ちの材料とか関係なしに船が作れてそれに乗っての移動もできる、しかし生存、探索、基地建設といった要素は存在しないクリエイティブモードのみです。ロードマップが公開されていますが、サバイバルクラフトとして遊びたいのであれば相当先(年単位?)で待つ必要があるかもしれません。

そのためゲームプレイの面で前作からどう進化したのかは現時点では不明、すぐ実感できそうな前作からの進化、改善点としてはグラフィック、UI/UX、比較的早期に実装される予定となっている、より高度で使いやすいMod対応といった点ぐらいかと思います。
平たく言えば前作と比べて船の設計の自由度、作りやすさが増し、グラフィックのクオリティ向上でより見栄えもするようになったということかなと。

物理特性などにもこだわったリアルな乗り物設計が好き、特に目的はなくても自分で設計した船を動かしてその挙動を確かめるだけで楽しめるというコアな人向けというか、それができない人が手を出すとちょっと触って寝かせておこうということになるでしょう。実績のある会社だけに期待度、注目度は高いですが今後どう発展していくのか未知数でもあり、早期アクセス開始時点での購入をおすすめできるのは前作のコアなファンくらいかなと。

Mod対応がSteam WorkshopではなくマルチプラットフォームのMod.ioなこと、また前作が去年2月に追加されていることを考えるとGame PassにDay 1で来る可能性もそこそこありそうです。こちらであれば追加のコストなしに気軽に試せるので手を出しやすいでしょうね。


Orcs Must Die! Deathtrap

  • 1月29日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (3D、タワーディフェンス、TPS、協力プレイ)

  • 日本語あり

2011年に1作目の発売されたTPSのアクション要素ありのタワーディフェンス、Orcs Must Die!シリーズの5作目になります。ウェーブごとに侵入口より大量の敵がなだれ込んできてリフトと呼ばれる本拠地に向かって進んでくるので、その進行ルート上にトラップや障害物を設置して、またプレイヤーキャラが持つ武器や魔法を駆使してそれを撃退していくゲームです。
敵はこれといった強みはないものの数の多いオーク、体力、攻撃力の高いオーガ、体力が自然回復するトロール、飛行可能なため他の敵とは別に対策が必要なドレイク(小型の竜)など様々なタイプが登場します。
プレイヤーキャラは多分全7人、それぞれ固有の武器、魔法、トラップを持っており、それに加えて汎用の武器、魔法、トラップなども活用して圧倒的な数の敵を撃退していきます。
シリーズの人気キャラであるイケメン、ウォーメイジのマクシミリアンは最初から登場が確定、先輩ことガブリエラは発売時点で使えるかは不明ですが、アップデートやDLCも含めると多分登場するものと思われます。

開発元のRobot Entertainmentは元々Ensemble StudiosでAoEシリーズの開発を手掛けていた社員が興した会社で、おそらくEnsemble Studiosの後継としては最大の会社になると思います。Microsoftが一旦AoEシリーズの終了を決定して会社が閉鎖された際に設立されました。
AoEシリーズが日本で人気が高く開発側からも日本のユーザーに対する認知度が高かったからか、まだ日本語ありのゲームが少なかった時期から日本語あり、しかも吹き替え付きと日本に対し非常にフレンドリーなシリーズでもありました。そのため1、2あたりまでは国内でも人気、知名度が高かったのですが、3作目のUnchained!が英語のみ、また結構な路線変更をして(一応これは正式な続編というよりスピンオフではあった)それが受け入れられなかった、さらに4作目のOMD3がかつてGoogleが運営していたクラウドゲーミングサービスのGoogle Stadia独占だった…などの事情もあって、今日では国内での存在感はあまりないものと思われます。
シリーズが低迷している頃にOMDからアクション要素を取り除いて見下ろし型の2Dに、他はほぼそのままなDungeon Warfareという韓国産のゲームが出ており、今となってはこちらの方が知っている、プレイした人は多いかもしれないですね。

さて5作目のDeathtrap!の特徴としては基本的にはOMD3の路線を踏襲しつつ、マップが全体的に大規模化(3にあった戦争シナリオが標準サイズになった?)、そしてウェーブ間でランダムに選ばれたアップグレードの中から1つずつ選んでいくローグライト要素の追加が行われています。
ローグライト要素の追加と聞くと安易に流行り物に飛びついて…とあまり良くない印象を抱くかもしれませんが、おそらくリプレイ性の向上の他にこれまで過去作で問題となってきたバランス取りの難しさに対する答えではないかと思います。

このシリーズは複数種のトラップを組み合わせて特定の地点だけで敵を殲滅する、キルボックスと呼ばれる区画を作るのが基本戦術、それを如何にうまく構築するかが醍醐味となっているのですが、反面その作り方でいわゆる最強ビルドというのができがち、どの面も場所は変われどそれを繰り返すだけでプレイ感が似たりよったりになります。
実際にはプレイヤーから見向きされないようなトラップでも使い方次第だったりするのですが、プレイヤー側の固定観念、また攻略情報の流布でこれは使える、あれは使えないみたいな評価が定まってしまい、それが唯一のプレイ方法と思われてプレイの幅が狭くなりがちだったんですね。
3ではその対処としてそうした最強ビルドの構成部品となるトラップの弱体化が行われたものの、弱体化調整というのは基本的に嫌われがちで逆効果になってしまった感がありました。そこでDeathtrap!ではランダム要素を入れることで毎回同じ戦術を繰り返すことができないようにしたのだと思われます。しかしこれも必ずしもユーザーから歓迎される変更とは言えません。「俺が考えた(?)最強ビルド」でプレイする方が楽しい、毎回同じで何がいけないの?と思う人にとっては余計なお世話と感じられるでしょうし。

またもう1つの変更としては敵の通行を阻み、進行ルートを限定するのに使われるバリケードが

  • ロードアウトに追加する必要なし

  • 設置コストは無料

  • 置ける数が限られている(ステージ内アップグレードで増やせる?)

  • 敵の攻撃で破壊されることはない

とだいぶ大きく変更されています。これもバリケードが難易度に与える影響が大きすぎ、何度か調整を試みたもののなかなかユーザーの納得できる形にできず、今回はこういう形にしてみました的なものかと思われます。
この変更が吉と出るか凶と出るかは実際にプレイしてみないとわからないのですが、11月に行われたテクニカルテストの反応を見ると否定的な声が多かったようです。

私はこのシリーズ、番外編のUnchained!も含めて全作やってきているんですが、過去作、そして今作の変更を見るにシリーズにそろそろ限界が来ているというか、TD自体が既にあるいくつかの定番のフォーマットにそれぞれファンがいて、そこからの変化は求めていないし、新たな試みで新規ファン獲得というのも難しい閉じコン的なジャンルと化しているのかもしれません。

でも私はこのシリーズ結構好きですし、Unchained!以降の低迷、存在感の消失はもったいないと思っているので、特に新規ユーザーの人に試していただければと思っています。


Eternal Strands

  • 1月29日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (3D、3人称視点)

  • 日本語あり

かつてBiowareでライター、デザイナーとして働き、特にDragon Ageシリーズの開発で重要な役割を果たしたベテラン開発者のマイク・レイドローが設立したYellow Brick Gamesが開発中の3DアクションRPGです。

ゲームの舞台となる世界メイダでかつて魔法技術の中心地とされていた都市エンクレイヴ、しかしある時謎の魔力の暴走が起こり、それと同時に都市ごと姿を消してしまいます。エンクレイヴの消失後、世界では戦乱の嵐が吹き荒れ、魔法の力はその元凶とされて人々の忌避の対象となってしまいました。そしてようやく世界が平穏を取り戻しつつあった頃、主人公の魔法戦士ブリンとその仲間たちは過去の災害の原因、エンクレイヴはどうなったのかを突き止めるためにその跡地へと旅立ちます。そこにはエンクレイヴが遺した人造の衛兵や危険な獣たちが待ち受けていました。ブリンは仲間と協力して彼らと戦い、探索を進めていくことになります。

大まかな流れとしては毎日ベースキャンプで行動開始、ベースキャンプには旅の途中で出会った仲間たちが集っており、装備の強化などの機能を提供してくれます。まずその日の行き先(クエスト)を選択し、ルームゲートと呼ばれる転移装置を通ってエンクレイヴ跡地の廃墟の一角へと向かいます。周辺を探索し、敵を倒し、素材を回収してそろそろ危なくなってきたなと思ったらベースキャンプに帰還、持ち帰った素材により自身の装備やベースキャンプの機能を強化できます。

装備はアイテムの生産や進化に必要な素材が決まっているのではなくて、剣と盾、両手持ちの大剣、弓などいくつかのベースタイプがあり、それに強化に使う素材を最大4つまで選ぶと、使用した素材によって攻撃力、属性への耐性などの性能が向上するようです。
また重要な装備として魔法の力を与えてくれるマントがあり、これにより火炎、氷、物理(サイコキネシス)の3系統の魔法が使えます。

この魔法により環境に影響を及ぼすことができるのが売りとなっていて、戦闘においてはサイコキネシスで周辺のオブジェクトを掴んで敵に投げつけたり、探索では氷で橋を作り出したりということが可能、また同じ属性の魔法を使い続けることで全体的な環境にも影響があり、炎の魔法を使い続けることで周辺の温度が向上、周りの植生に変化が生じたり、周辺が炎上しやすくなったりもするようです。

廃墟の奥にはアークと呼ばれるボスが待ち構えています。彼らは20メートルを超える巨体を持ち、それぞれ固有の能力、戦闘スタイルをもっています。これを打倒することで彼らの持つ固有能力を手に入れることができ、それにより戦闘能力が大きく向上、また探索においても新たな道が開けたりもするようです。アークは全9体いて、これを討伐していくことがゲームの進行の大きな区切りとなっているみたいですね。

ゲームのタイプとしては2005年に発売されたワンダと巨像にゼルダの伝説 ティアーズオブキングダムをミックスしたような感じと言われており、それほど人を選ぶようなシステムも見受けられないため万人向けというか、アクションRPGが好きな人なら(システムについては)楽しめそうに見えました。
アクションゲームはやはり動いているところを見るのが一番わかりやすいということで、スクリーンショットのかわりにゲームの基本を紹介した公式のトレイラーを載せておきます。説明は英語ですが映像を見ていれば大体の感じは掴めるのではないかと…。



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