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2023年6月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

先月までと比べるとめぼしい作品は大分減ったなという気がします。先月が激戦区だったのと、あとは前回のSteam Next Festから間が空いて元々目をつけていたタイトルが枯渇してきたせいというのもあるでしょうね。これはSteamで毎年2、6、10月に開催されている、発売を間近に控えたゲームの体験版が大量に公開、紹介されるというイベントです。次回は日本時間で6月20日午前2時から27日同時刻まで開催される予定となっています。これでまた7~9月に発売予定の期待作をいくつか見繕っておきたいところですがはてさて。

Myriads: Renaissance

  • 6月2日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (4X)

  • 日本語なし

  • 体験版あり (60ターンまでプレイ可能)

プレイヤーの国は元々は普通の大陸に存在していて宿敵のカテナ帝国と4世紀に渡る戦いを繰り広げていました。しかし突如発生した謎の大災害で大地は裂け、世界は無数の浮島からなる世界へと姿を変えてしまいました。カテナ帝国は生き残っておりばらばらになった世界の掌握を目指しています。プレイヤーの国も負けじと勢力を拡大しカテナ帝国の征服を目指すというターン制4Xゲームです。

プレイヤーが行えることは首都島の開発、飛行船での探索と散らばっている知識、資源の回収、空白地となった島への入植、そして定期的に襲ってくるカテナ帝国の飛行船からの防衛などです。

まず首都島はヘックスが集まってできた専用のマップになっていて、食料を産出する湿地、生産力を産出する森林、資金を産出する山岳といった地形があります。余剰の食料が20貯まるごとに人口が増え、人口1につき1ヘックスの地形改善が行なえます。また軍事、開発用の新たな船を作る造船所、入植した島からの収入を受け取るための倉庫などの上級施設もありますがこれらは技術研究をしなければ建設できません。また首都島は最初は15ヘックスの土地しかなく、これらはすぐに埋め尽くされてしまいます。そこで技術研究により島サイズを拡大し、造船所でタグボートを建設して周りに浮いている浮島を曳航し、くっつけていくことで利用可能な土地が増えます。

隣接するヘックスの地形により強化される建物もあるため
どの地形の浮島をどこにくっつけるかが重要です。

全体マップではゲーム開始時点では首都島しか見えませんが、ここから空路を介して他のエリアへ渡ることができます。ただし空路は最初は全て閉鎖されており、兵士を載せた飛行船を使ってそれを打破しなければなりません。またいくつかの浮島には知識、資金などが落ちておりこれらも飛行船で回収可能ですがそのためには宝を守る敵を倒す必要があります。

船は乗せる部隊の種類と数で攻撃力、耐久力が決まります。
強力な部隊の雇用には技術研究が必要かつ
1ターンあたりの維持費も高くなります。
戦闘はごくシンプルで各ターン、互いの船の総攻撃力分
相手の船の耐久力を削り、どちらか片方の
耐久力が0になると戦闘終了です。

封鎖された空路を突破して隣接するエリアに渡った後は中心となる島を見つけ、そこに入植用の船を送り込むことでそのエリアを自分のものとすることができます。一部の島には敵の拠点があり、その場合は戦って破壊する必要があります。これらの島でできることは資源を集めて首都島へ送り出すことだけで首都島のように別マップで開発していくことはできません。エリアにもいくつか種類があって食料、生産力、資金を生み出すもの、研究力を生み出すものなど予め設立可能な入植地の種類が決まっているようです。一部のエリアは単に入植するだけでは足りず、首都島に入植地の種類に応じた受け入れ施設が必要なものもあります。

Exploitation Colonyを建設するとそのエリアの資源産出を
首都島に送り出して収入を高めることができます。
中央島にExploitation Colonyを建設後
他の浮島に地形に応じた地形改善(島改善?)を作ると
首都島に送られる資源の量も増えます。

船の移動力は1ターンあたり3ですが、隣のヘックスに移動するために移動力2を消費します。つまり1ターン1ヘックスしか動けません。しかし既に自分の領土に加えたエリアでは各浮島に灯台を置くことができ、それにより消費移動力が1に減り、1ターンで3ヘックス移動できるようになります。版図拡大と同時に灯台ネットワークを構築して速やかに移動できるようにする必要があるわけですね。

実線で繋がっている部分が構築済みのネットワーク、
破線が現在灯台設置中の場所です。
灯台は収入施設や塔などとは別枠でどこでも設置可能です。

技術研究も重要です。研究には知識と科学の2つが必要で、前者はいわゆる技術レベル的な要素です。首都島に地図工房を作ると知識が増加し、より高度な技術が研究可能になります。これは研究しても減りません。もう1つの科学は各技術ごとに必要コストが設定されており、手持ちの科学の範囲内で新たな技術を購入していく必要があります。科学は序盤は生産が不可能で、全体マップを探索して落ちている科学を回収するしかありません。探索と入植を進めていくと毎ターン、少量の科学が得られる特殊なエリアが見つかります。

技術研究画面です。
本アイコンの知識が増えると時代(Era)が進みます。

全体マップ上には敵の拠点がいくつかあり、そこから定期的に敵の飛行船が現れ首都島や入植した島を攻撃してきます。首都島が攻撃され耐久力が尽きるとゲームオーバーです。また入植した島から首都島までの経路が塞がれると資源が送られてこなくなってしまいます。自国の飛行船をぶつけて戦闘で撃破することで対抗できますが、飛行船の数は限られているため全てはカバーしきれません。そこで防衛拠点である塔を要所に配置して敵を迎撃させます。塔は隣接ヘックスに侵入した敵飛行船を毎ターン攻撃し、一定のダメージを与えてくれます。

敵の飛行船が襲撃してくると経路の予告が表示されます。
黄色は通常の敵、赤色は脅威レベル増加に伴い現れる強力な敵です。
脅威レベルは一定ターンが経過するごとに増加し、敵の戦力が増加します。
塔は隣接ヘックス上にいる敵に
毎ターン60のダメージを与えます。
これだけで撃破も可能です。

ゲームの最終目標としては領土を拡大、技術を研究して戦力を強化し宿敵であるカテナ帝国の本拠地を陥落させることです。ストアページの説明によれば初回クリアは難しいかもしれないということでしたが宣伝目的でキーが配布された配信者のプレイを見ると普通にクリアしてました。一応難易度は3段階、ゲームモードも3つあるようです。

4Xといっても代表格であるCivilizationとかと比べるとやることは内政、戦闘ともに非常にシンプルですし、体験版をプレイした限りだと1回のプレイ中に驚いたり興奮するような場面が訪れたりということはなさげでした。どちらかというとボードゲームに近いプレイ感覚でしょうかね。ただルールはしっかりしていて内容を把握した上で買えば外れにはならないかなと。興味を持たれた方は体験版を一度プレイしてみることをお勧めします。

Killer Frequency

  • 6月2日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ウォーキングシミュレーター (ホラー、コメディ)

  • 日本語あり

舞台は1980年代のアメリカ中西部の街ギャロウズ・クリーク、プレイヤーはそこでラジオ局のDJをしています。いつものように曲を流しつつ街の住民たちからの電話を受けているとその中に「今殺人鬼に追われている」という衝撃的なものが混じっていました。

プレイヤーはこの人に的確なアドバイスを与えて危機を乗り切らせる一方で曲をかけ、その他の住民からの電話にも受け答えを続けなければなりません。その中には殺人鬼自身も混じっているかも…というゲームのようです。
プレイヤーは基本的に狭いラジオ局の中から出られずそこで様々な物体にインタラクトしていくことでゲームは進みます。一応ホラーものですがコメディタッチのストーリー主導型ゲームらしいです。

Pile Up!

  • 6月3日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: パズル

  • 日本語あり

ランダムに与えられるブロックを落とし、積み上げていくことでビルを拡張していくゲームです。適当に積み上げていくとバランスを崩して崩壊する危険性がありますし、また近くにあるブロックに有益、有害な効果を与えるものもあります。中には互いに近くにあると爆発を起こす組み合わせなどもあるようです。それら相性やバランスに注意しつつどこまでビルを拡張できるかというパズルゲームですね。作りとしてはDorkromantik、TerraScape等に似たゲームかと思います。技術研究的な要素もあるようですがこれが繰り返しプレイして新たなブロックをアンロックしていくのか、1回のプレイ内で完結しているのかはちょっとよくわかりませんでした。

Espresso Tycoon

  • 6月7日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (店舗経営)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

コーヒーショップの経営ゲームです。ただし経営、ビジネス要素よりも店の内装やメニューを思い通りにデザインして自分だけの夢の店舗を作り出す、そしてそこで店員や客の動作を眺めて楽しむという部分を重視した作りになっているように見受けられます。メニューについてはカップや飲み物の配合、トッピングなどを自由にカスタマイズすることができます。選んだアイテムによってどの客層にアピールするかが変動したりもするようですがそれとは関係ない、オリジナルのラテアートを作ったりと見た目の部分にも凝ることができます。

そういった作りなのでグラフィックは他の店舗経営ものと比べて高クオリティです。ある意味、経営ものとお仕事体験ものの中間的位置づけかもしれません。その分、奥深い経営要素を楽しみたい人には物足りなく感じられるかなとも思います。

Nocturnal

  • 6月7日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (プラットフォーマー)

  • 日本語なし

2D視点のプラットフォーマー、要はオリとくらやみの森、Hollow Knightとかああいうタイプのゲームです。敵と戦い、トラップを回避し、パズルを解きながら探索を進めていきます。敵を倒して得られるポイントを貯めて新たなアクションのアンロックやステータス強化などもできるようです。

設定としては炎の力を操る剣士が故郷に帰ってみるとそこは謎の暗闇の霧に覆われていました。主人公は炎の力を使って霧を打ち払い、その謎を解き明かしていく…というもののようです。

ゲームプレイ自体はこのジャンルによくあるタイプで特にこれはといった要素は見当たりませんが雰囲気はなかなか良く、特に炎で霧を焼き払っていく部分は独特で美しい表現となっています。スクリーンショットを貼っておきますが動画で見た方が魅力は伝わると思います。

Brewpub Simulator

  • 6月13日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: シミュレーター (お仕事体験)

  • 日本語あり

プレイヤーは祖父が始めた、自前で醸造したビールを提供するパブの経営を引き継ぎ、ビールの醸造から接客、内装の設計といった作業を行っていきます。一応従業員を雇って一部の作業を任せることはできるようです。

このジャンルは店舗ものに限ってもレストラン、ガソリンスタンドなど色々な題材のゲームが出ていてますが作業内容が違うくらいで基本的にやることは大体一緒です。後はその題材に興味がもてるかどうかですね。動画を見る限りクオリティは悪くないので、パブ経営、ビールの醸造といったことに興味があれば悪くない選択肢かもしれません。一応日本語に対応しているらしいですがこの手のお仕事体験系シミュレーターは機械翻訳そのままが通り相場なのでその面にはあまり期待しない方がいいと思います。

DUBIUM

  • 6月14日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: 3人称アクション (人狼)

  • 日本語なし

韓国産、3人称視点の宇宙人狼ゲームです。プレイヤーはそれぞれ固有のガジェットを持つ5人の隊員から1人選んでゲームに参加、そのうち4人は人間相当のフロンティアとして放棄され無人となった宇宙ステーションで数々のミッションをこなしてコアと呼ばれるアイテムを回収します。コアの他にキーストーンという重要アイテムがあり、コアを全て回収してミッション成功となったときにキーストーンを持っていると追加報酬が得られます。そして最後の1人は狼相当のトレイターとして正体を隠しつつフロンティアが手に入れたキーストーンを奪っていくというルールのようです。

人狼ゲーとしての特徴としては高品質なグラフィック、あとは隊員が持つ固有の能力くらいでしょうかね。詳しい内容はYouTubeの公式チャンネルで紹介の動画が見られますが壁越しでも他のプレイヤーの姿を確認可能だったり自分以外は入ると死亡する低酸素エリアを作り出したりできます。

Wizardry School: Escape Room

  • 6月15日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: パズル

  • 日本語あり

Wizardryとありますが有名なあのシリーズとは無関係で、ファンタジー世界の魔法学校を探索し、魔法を駆使して数々のパズルを解き明かするという脱出ゲームです。実はサブタイトルっぽく見えるEscape Roomの方がシリーズ名らしく、開発元からは舞台となる場所の異なる別のEscape Room作品が既に4つくらい出ていて全てSteamで非常に好評(81%以上が好評)となっています。また最新作であるこれについては価格は発表されていませんが過去作の価格からすると1000円前後になるものと思われます。

動画を見る限りではなかなか雰囲気が良く、過去作の評価からしてもパズル、脱出ゲームが好きな人には悪くない候補の1つと言えそうです。

Aliens: Dark Descent

  • 6月21日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (見下ろし型)

  • 日本語なし

お馴染み映画のエイリアンの世界を舞台にしたアクションゲームで、植民地海兵隊の部隊を指揮して惑星レーテで待ち受ける数々のミッションに挑戦していくゲームです。敵としてはゼノモーフの他にウェイランド・ユタニ社の工作員なども登場します。

特徴としてはプレイヤーが操作するのは1人の隊員ではなく最大5人からなる分隊です。普段はまとまって移動しますが敵と遭遇すると隊員それぞれがAI制御による自動行動で自らの持つ装備を使って敵と交戦、時には遮蔽物に張り付いて身を守ったりもします。またプレイヤーが個々の隊員に指示を出すこともでき、敵集団の中央に手榴弾を投げ込んだり、重機関銃で制圧射撃を浴びせたりといったことも可能です。アクションゲームですがこれらの指示はスローモーションを発動させた上で落ち着いて出すことができます。

ミッション間では隊員の治療、レベルアップ、装備の改造といった強化も行えます。隊員はクラス制でおそらくリブート版XCOMみたいに自由に作成して外見を変更したりもできるようですが各項目の候補数はそれほど多くはないように見受けられました。

このゲームの開発元のTindalos Interactiveはフランスの会社で以前はWarhammer 40,000の宇宙戦闘RTSのBattlefleet Gothic: Armadaシリーズなどを出してました。評価は賛否両論~ほぼ好評と世間一般的には高い評価を得ているとまでは言えないでしょうが原作の雰囲気再現十分、重厚感のある艦隊戦が楽しめて私のお気に入りの作品の1つです。

難点としては結構なおま値であることです。元々パブリッシャーのFocus Entertainmentは日本語の有無とか関係なしに価格を+1000円する会社ではあったのですがこのゲームでは$40が6000円で+2000円とさらに悪化しています(Valveによる参考レートでも$40は4500円)。どこかSteam以外で安く買える場所があればいいのですが…。

Casino Resort Tower

  • 6月23日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ストラテジー (経営もの)

  • 日本語なし

懐かしのThe Towerに似た建物を横から見た視点の経営ものですね。タイトルはカジノリゾートとなっていますがジムやサウナ、レストランなんかも設置できて総合娯楽施設を運営していくゲームのようです。

ビルに新たなフロアを追加して様々な部屋を設置していきます。客をもてなし収益を得るもの以外に厨房や清掃室、セキュリティルームといった維持管理のための部屋もあります。また電気や水などを供給する配線、配管なども使用量を見た上でしっかり考えて設置してやらなければなりません。経営ものとしてはお馴染み広告、従業員管理、価格設定といったことも行えます。

とまあなかなか盛りだくさん、経営もの好きな人にはなかなか魅力的に見えるタイトルかと思われます。懸念点としては絵柄が若干癖があること、あとは開発元のCyperk Softwareにとってこのゲームが処女作であり、また会社自体も社員2人のごく小規模なインディーゲーム会社なようです。なのでたった2人でここまで色々盛りだくさんなゲームが本当に作れるのだろうか、早期アクセス開始時点でどのくらいの要素が実装済みで、かつその後のアップデートの頻度はどうだろうか…といった不安があることですね。とりあえず特に惹かれた、プレイせずにはいられないという人以外は発売後の評価、反応を待って購入するのが安全かと思います。

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