
2024年12月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム
今月は発売される新作ゲームが少なく正直該当作を見つけるのに苦労しました。原因としてはSteamでは4日までオータムセール、19日からはウィンターセールと2回の大規模な季節イベントが行われ、この期間に新作を発売しても注目を集めることが難しいため避けられる、また海外では既にお休みモードに入っているといった事情があります。
…と思っていたんですが11月も残り数日という段階になってから再チェックしてみたら、後から12月に発売日が決定した作品が結構あって最終的な本数としては他の月とあまり変わらない結果となりました。
Symphonia
12月6日発売
正式リリース
ジャンル: アクション (2D、プラットフォーマー)
日本語あり
体験版あり
フランス、カナダなどにあるゲーム、アニメ制作技術を学ぶ学校ISARTの卒業制作として作成されたゲームの有料、豪華版のようです。なおその卒業制作版はこちらよりダウンロードが可能です。
Steamで販売されるものは新たなマップとストーリーが追加され、音楽、グラフィックなどは全く新しいものに差し替えられているとのことです。
かつて美しい音楽により平和と繁栄がもたらされていた世界、しかしそれを奏でていた名演奏家とそのオーケストラが姿を消したことで停滞、そして衰退が始まってしまいます。そんな中でフィレモンという1人のオートマトンが愛用のバイオリンを持ち、姿を消したオーケストラのメンバーを探す旅に出るという物語のプラットフォーマーです。
プラットフォーマーですが純粋にジャンプアクションとパズルで先に進んでいくタイプのゲームなので戦闘は一切ありません。マップはそこそこの広さの小エリアに分割されており、棘にぶつかったり穴に落ちないようタイミング良くジャンプしたり、ステージに配置されたジャンプ台などのオブジェクトを利用したりしてうまく通り抜けて先に進んでいくというもので、ライフはなし、ミスすると即死ですがエリアの開始地点から何度でもやり直しができます。既存作品としてはSuper Meat Boy、Celesteとかに近いゲームです。
このタイプのゲームは先に進めると新たな道具やアビリティが手に入ってそれにより二段ジャンプとかの新たなアクションができるようになったりするのが普通、それがゲームプレイに変化をもたらし飽きの防止になるわけですが、このゲームは体験版をプレイした限りではそういうのはあまりなさげ、ジャンプ台とかのオブジェクトについては進むにつれて新しいものが登場するでしょうが、プレイヤーキャラの能力としてはひたすらバイオリンの弓で飛び跳ねていくだけっぽいです。
プラットフォーマーとして多くを求めると肩透かしをくう恐れがありますがシンプルながらそこそこ難易度の高いアクションを、美しく雰囲気の良い世界、ストーリーを味わいつつ進めるということが楽しめるのであれば、あとは価格次第なところもありますがなかなか良さそうでした。体験版も日本語で遊べるので、気になった方はまずそちらを試してみてください。



Tower of Mask
12月7日発売
正式リリース
ジャンル: RPG (3D、ダンジョン探索)
日本語あり
体験版あり
国産の3D視点ダンジョン探索RPG、古くはダンジョンマスター、新しいものでいえばLegend of Grimrockみたいなゲームですね。プレイヤーキャラは1人だけ、成長は敵を倒して経験値を溜めてレベルアップすると体力、腕力など6つの能力値にポイントを割り振れるタイプ、魔法はプレイヤーがMP的なものを消費して自由に使うものはたぶんありませんが、魔法が込められた杖を振って発動させるものはあるようです。また武器として銃も登場します。オートマップ機能ありです。
トレイラーを見ると一見自由に動けるタイプにも見えますが、ダンマスのようなグリッド制でプレイヤー、敵、アイテムなどはいずれかのマスの上にのみ存在して、その中間には留まれないタイプです。視点はマウスで自由に動かせて(体験版へのフィードバックで追加されたらしい?)また画面中央に照準が置かれています。これは銃などの投射武器だけでなく近接武器もここに当たり判定があるようで、単に敵の方を向いて武器を振るだけでは当たりません。敵には弱点となる部位もあり(主に頭?)、そこに照準を置いて武器を振ることで確定でクリティカルヒットが発生します。アイテムを投げる時もおそらく向きだけではなくマウスで正確に狙いをつける必要があります。
若干癖が強かったり、荒削りな部分があります。
最大の点としては資源が有限なことでしょう。体力の自然回復はなし、休憩して回復することもできず、ダメージを受けたら回復ポーションを使うしかありません。そしてポーションはあらかじめ配置されている分だけなので使い切ったらそれ以上回復できないものと思われます(動的な難易度調整の仕組みでもなければ)。また武器や盾、松明など手に持って使うタイプの道具、装備には耐久力があり、使っていくうちにやがて壊れます。プレイの仕方によっては使い果たしてしまうこともあり得て、一応素手でも戦えますがかなり不利になります。ただポーションにしても装備にしても、体験版をプレイした限りでは過度の無駄使いをしなければある程度の余裕はあるように感じられました。しかしバランスどうこう以前に有限資源という時点で性に合わないという人もいるのではないかと思います。
少し変わった点としてはイベントリはスロット0個の状態で開始、途中で落ちている鞄を拾うことで拡張されていきます。マップを隅々まで探索して拡張していかないと進めていくうちに支障があるかもしれません。
雰囲気はなかなか良いのですが、上記のようなちょっと注意が必要な点もあり、どれもきちんと理解すれば大きな問題とはならないもののその前にロスの積み重ねでやる気が失せてしまう、問題にならないとしても気になる的な問題となる可能性はあるかもと感じました。また戦闘、探索、パズルなどについては同タイプで高評価を得ている既存作品と比べて特にここが優れているという点が体験版をプレイした限りでは見当たらず、このタイプのゲームが好きでその新作に飢えている人にはいいものの、特に思い入れのない人には物足りないかもしれません。



Industrial Annihilation
12月11日発売
早期アクセス
ジャンル: RTS (工場建設)
日本語あり
大量のユニットが複数の惑星で激突する、なんでも300万本以上売れたらしい人気RTSのPlanetary Annihilationの開発元の新作で、今度はスケールこそ小さくなったものの新たにFactorioみたいな工場建設の要素を併せ持つ対戦型RTSとなっての登場となります。
一般的なRTSではユニットの生産に資源を直接消費します。農民や作業用メカで鉱石やガス、木や肉などを集めるとそれは画面上は見えない魔法の倉庫に収納されて、工場や兵舎では必要な資源があればあとはボタンを押して少し待つだけでユニットが出てきます。
しかし工場建設の要素を持つこのゲームでは採掘機で資源を収集、ベルトコンベアで工場まで運んでやる必要があります。時には鉱石のような基本的な資源を製錬所で板や延べ棒に加工して使う必要もあるでしょう。生産指示の必要はなく、必要な資源を運び込めば後は勝手に兵器が出てきます。トレーラーを見ると軽装甲のバギー、戦車、歩行メカなど機械の兵器が登場するようで、中にはど迫力の巨大メカ、核兵器などの最終兵器も製造可能なようです。そうして生産されたユニットをまとめて敵基地に向かって進軍、敵もプレイヤーと同様に資源を掘り、工場まで運んで生産したユニットで迎撃してきます。それを倒し、敵基地を壊滅させることができれば勝利となります。
登場する勢力は多分主人公側のマシーナ、敵役のケイオスの2つが登場する模様です。
ゲーム内容についてもわかっていることがほぼなく、発表時のトレイラーぐらいしか参考になるものがないのですが、ぱっと見の印象としては生産チェーンは一般的な工場建設ものほど複雑ではない、多分天然資源を掘って精錬して、あとはそれらを組み合わせていきなりユニット完成!くらいじゃないかなと思いました。ネジや歯車とかの部品を作って、それを組み合わせて製品を作る的なものをイメージしていると期待外れになるかもしれません。
またRTSとしてもどういった戦術的な要素があるのか、勝利条件や技術研究の要素はどうなっているのか、そのあたりも一切が不明です。
ゲームモードとしては早期アクセス開始時点ではシングルプレイの対AI戦、協力プレイの対AI戦、対人戦でのみ遊ぶことができ、シングルプレイキャンペーンは正式リリース時に追加される予定となっています。
一応実績ある開発元ではあるもののとにかく情報がない、また12月の早期アクセス開始が突如発表された(元々Kickstarterでは年内開始と発表されてはいましたが)ことなどは結構な不安材料かと思います。
この作品については、蓋を開けてみたら予想外にすごいゲームだったという可能性もありますが、基本的には要注意物件の匂いがします。とりあえず注目だけしておいて、発売後の反応、評価を見ての購入をお勧めします。



Legacy of Kain Soul Reaver 1&2 Remastered
12月11日発売
正式リリース
ジャンル: アクション (3D)
日本語あり
1996年に1作目が発売されたアクションアドベンチャー Legacy of Kainシリーズ、その2、3作目であるSoul Reaver 1、2のリマスター作品です。なんで1作目を飛ばして2作目からなのかというと、シリーズの中で特に評価が高いこと、またこの2作品は同じ主人公の話なので一部切り出すには区切りとしてちょうどよかったという事情もあるのでしょう。
開発元のCrystal Dynamicsは今ではTomb Raiderの開発元として有名ですがそれと関わるようになるのは1998年のEidos Interactiveによる買収後、それ以前はこのSoul Reaverシリーズが初期のヒット作として成長に貢献しています。
舞台となる世界はノスゴスというダークファンタジーな世界で、かつては9人の柱と呼ばれる実力者によってその調和が守られてきました。しかしその間で争いが起こり、シリーズ全体の主人公、中心的人物となるケインもそれに巻き込まれる形で命を落としてしまいます。柱の1人である強大なネクロマンサーの力により吸血鬼として蘇ったケインは復讐のためノスゴス、そしてその過去世界を旅して柱たちと戦っていく…というのが1作目のストーリーでした。
リマスター対象となる続編のSoul Reaver 1、2では前作最後の選択によりノスゴスはケインによって支配されています。主人公はケインが作り出した眷属のラジエルで、彼はとある事情からケインと敵対することになり、ケインやかつての同胞たちと激しい戦いを繰り広げていくことになります。
内容としては当時よくあったアクションアドベンチャー、ダンジョンで敵と戦ったりパズルを解いたりトラップを避けて進むというものです。オープンワールド化する前のゼルダの伝説、Darksidersと似たタイプのゲームです。
武器は常時使えるものは爪とソウルリーバーという敵から魂を奪う力を持った剣のみ、他にそこらへんに落ちているものを拾って一時的に使う、ベルトスクロールアクションの武器みたいな要素が用意されています。
またストーリーを進めることで手に入るグリフというのがあり、これは要は魔法で、ソウルリーバーで敵を倒して集めた魂の力を使って使用します。
ゲームのタイプとしては誕生は大昔ながら今日でも新作が出るようなものなのでそう古臭さは感じないと思います。ただそれら新作は20年間かけて発展、不要な要素を淘汰してきたものなので、新しめの作品と比べると若干不親切だったり理不尽に感じる点はあるかもしれません。またリメイクではなくリマスターなので、高画質化されているとはいってもグラフィックはやはり見劣りはするでしょう。それでも元が名作なので、特に改悪とかしなければ探索、アクション、パズルとかは今でも通用すると思います。
日本語に対応しており、音声もあります。オリジナル版でもあったのでそれらを再利用しているのだと思いますが、ライセンスの期限、あるいは対象機種とかの面で問題はないのかな?と思わなくもありません…。



Creeper World IXE
12月13日発売
正式リリース
ジャンル: ストラテジー (タワーディフェンス)
日本語なし
体験版あり
ナンバリングではありませんが流体状の敵を食い止め、駆逐していく陣取り、タワーディフェンスゲームであるCreeper Worldシリーズの5作目に当たります。主人公の名前など、固有名詞に一部シリーズでおなじみのものが使われているもののストーリーや世界観上の繋がりはありません。
有機生命体と鉱物生命体の2種族が平和に共存していた銀河、しかしある日鉱物生命体が有機生命体への敵対行動を開始、クリーパーという全ての物を飲み込んでいく恐るべき物質を解き放ちます。プレイヤーは有機生命体側の防衛軍の指揮官の1人となり、数隻の軍艦からなる部隊を指揮してこのクリーパーの脅威に立ち向かっていくことになります。
前作までは見下ろし型の陣取りタワーディフェンスだったのですが、このIXEでは横から見た画面となっています。また施設を次々と建設して領土を拡張していくのではなくて各ステージごとに用意された手持ちの軍艦を配置して戦っていきます。
クリーパーはスポーナーと呼ばれるオブジェクトから吐き出され、どんどん広がっていきます。これを押し返し、最終的にはスポーナー周辺に駆除装置を設置してこれを破壊する必要があります。

高いところから低いところに流れます。
この動きを見極め、どこを狙うか考えることが
戦略上重要になってきます
ただクリーパー、スポーナーの殲滅は必ずしも必須ではなく、各ステージに配置された箱みたいな形をしたIXEコアという重要オブジェクトをクリーパーより解放して母艦で回収すればクリアとなります。
プレイヤーは母艦の他にそれぞれ異なる武装、役割を持った数種類の軍艦を使用することができますが、1つのステージで種類ごとに出せる数は限られています。どれをどこに、どれだけ配置するのかも工夫のしどころです。

射程は短いものの攻撃速度が早く
最前線で近づくクリーパーを押し留めてくれる前衛役です

クリーパーの密集しているところで爆発し
1発で大量のクリーパーを破壊可能です。
またミサイルは自律移動が可能で
射線の通りにくい細い道の先なども狙えます

定期的に発射されるPHANTOMという
クリーパー爆弾みたいなものを迎撃してくれます。
PHANTOMは迎撃に失敗するとその時点でやり直しレベルの
重大な脅威です

ドラッグで掘削範囲を指定、
TAB+ドラッグで埋め戻し範囲を指定できます。
DIGGER以外にも掘削/建設能力も持った軍艦はいくつかありますが
工作用のビーム砲を2つ持つDIGGERは作業が圧倒的に早いです

アンチクリーパー(水色のクリーパー)を放出可能です。
これはクリーパーを押し留める力を持っており
モード切替でDUMP(垂れ流し)モードにすることで
常時放出にしておき、ある程度溜まったところで穴を開けて
一気に押し流す…ということも可能です
このシリーズは元はFlashゲームから始まり、地味ながら高い戦略性、そして大量のステージがありいくらでも遊べると高い評価を得ています。現在Steamでは1から4まで、4作品が発売されていますが、うち3本がSteamのレビューで圧倒的に好評(レビュー件数500件以上、好評率95%以上)となっているという事実からもその人気の高さが伺えるでしょう。ただこのIXEは、それがナンバリングの続編ではない理由にもなっているのでしょうが既存作品から大分変わっている点があります。
見下ろし型から横から見た視点に変わった点はそう問題にならないと思いますが、配置できるユニット(軍艦)の数に制限があり、かなり少ないというのは評価が分かれる点かもしれません。
というのもこのシリーズの面白さの一つとして、収入と建設のバランス取りというものがあったのです。基本戦略として、クリーパーが広がり切る前に要所を抑え、均衡状態を築いてから領土を広げて資源収入を高め、それを使って敵を押し切るというものがありました。そのためには序盤から積極的に建設、拡張を進めていく必要があったのですが、収入が少ないうちに一気に建設を進めようとすると資源不足で建物がなかなか完成しない(オーバービルド、過剰建設と呼ばれています)、完成を待っているうちにクリーパーが溢れ出してしまい崩壊ということが起こりました。そこで限られた資源、時間でまずどこを抑えるか?というのを考えるのが醍醐味だったんですね。
ところがこのIXEでは、少なくとも体験版で遊べる5つのステージでは開始後すぐに上限いっぱいまで軍艦を建造できてしまい、あとはそれを再配置して
いくだけになっています。またエネルギー収入も特定の資源を抑える必要がなく、ただどこかの壁の近くに採掘機を置くだけでいいので陣取り要素もありません。この変更は過去作の熱心なファンからすると改悪に思えるかもしれません…。
結論としては、開発元の実績的に期待はできる、しかしシリーズのファンにとっては少し警戒を要する点もあるといったところでしょうか。日本語はありませんがストーリーはフレーバー程度、システム的にも複雑さはなく戦略次第なゲームなのでそう支障はないと思います。
Heat Death: Survival Train
12月13日発売
正式リリース
ジャンル: アクション (サバイバルクラフト)
日本語なし
体験版あり
舞台が地球なのかどこか他の惑星なのかわかりませんが、主人公は突如氷原で目を覚まします。あたりには無人となった施設、そして線路だけが残されていました。一体何があったのか、そして人々はどこへ消えたのか…生き延びてその謎を解き明かすため、主人公は施設に残されていた列車に乗ってあてのない旅に出る…というサバイバルクラフトです。
サバイバルクラフトといえばプレイヤーが自由に動き回り、好きなところに拠点を築いてそれを足がかりに資源を集めたり様々な道具や装備を作ってさらに探索を進めていくというものが多いですが、このゲームでは基本的に移動は列車に乗って行い、拠点も列車に床や壁などの構造物、加工用の作業台などを設置していくことで行います。
既存のゲームとしてはこちらは宇宙空間(?)を走る列車に乗って旅をするVoidtrain、また移動にはより自由度がありますが筏で海を漂流するRaftなどがあります。
基本的な流れとしては列車にエンジン、制御用のコントロールパネルなどを設置して運行開始、しばらくすると新たな施設が見えてきます。施設で停車して素材や新たな道具、設備の設計図を回収、列車に新たな家具や設備を追加して再び出発して次の施設へ、これを繰り返していきます。体験版は短めでただ1本の線路をひたすら進んでいくだけなので、線路に分岐がありどっちに進むか選べるのかという点はわかりませんでした。
サバイバル要素としては、主人公にはHP、スタミナ、電力という3つのパラメータがあります。
主人公に対する脅威としてはまず氷原を徘徊する敵対的なドローンがいて、主人公や列車を見つけると攻撃してきます。これに対抗するために列車に砲台を置いて直接操作、あるいは自動操作で撃退する必要があります。ドローンは列車上の設備も攻撃してきて、壊されると素材を消費して修理しなければならなくなります。
寒さの要素があり、平常時は特に心配はいらないのですが嵐に遭遇すると体が凍りついていきます。これは列車上に床、壁、天井を設置して部屋を作り身を守る、あるいは施設に停車して嵐が去るのを待つことで対処できます。
こうした脅威によりHPが削られていき無くなると復活装置でリスポーンしますがこ、の際所有物の一部を落としてしまうようです。
スタミナは活動していくうちに徐々に、電力は建設作業を行うことで減少していきますが、施設で見つかる、あるいは自らクラフトした回復アイテムで補充できます。バランス的にはそう厳しくないように感じられました。
列車に乗っての移動で自由に探索できないという点が好き嫌いの分かれる点かと思います。良い面としては進行のペースがある程度コントロールされていて特定のアイテムが見つからないために先に進めないといったイライラがない、また自由に探索できますと言われても何をしたらいいかわからないという人にはあっているでしょう、逆に自由な探索こそが醍醐味ではないかという人にとっては出来不出来以前の問題ですし、またどうしても進行の変化が乏しい、同じことを延々繰り返すだけといった印象もあります。
このジャンルはかつて未完成、荒削りな状態で早期アクセスが開始されることが多く、非常に危険なジャンルでした。品質については今は多少ましになってきていますが、ボリュームについてはあまり改善されておらず、どうしても集中して遊ぶと数時間~十数時間で現時点の終端まで到達してしまう、そこからはアップデート待ちという問題は残っています。おそらくこのゲームも同様の状態での発売になることが予想されます。なのでこのジャンルが大好きで新作が出たらなんでもやってみるという人以外は、少なくともちょっと様子を見てから買ったほうがいいのではないかと思います。



The Spirit of the Samurai
12月13日発売
正式リリース
ジャンル: アクション (2D、剣戟戦闘)
日本語あり
体験版あり
時代的には戦国時代頃の和風ダークファンタジー世界を舞台とした剣戟アクションです。主人公の武はこの世界で守護者的な役割を果たしてきた人々の暮らす村で修練を積んでいましたが、ある時神秘的な狐より危険が迫っているとの啓示を受けます。その直後に妖怪たちの襲撃で村は滅亡、生き残った武は使命を果たし、また自らの妻子を守るため妖怪たちとの戦いに身を投じていくことになります。


視点は2Dでキャラが大きめなこともあって若干源平討魔伝の横モードに似てますね。しゃがみ、ジャンプとかのアクションはあるものの本格的なプラットフォーマーではなく、たまに出てくる障害物ごとに対応したアクションで通り抜けるぐらいです。メインは戦闘、中でも近接戦闘で、攻撃はアナログスティックの上下で上段、下段攻撃、左右でそれぞれの方向への斬りつけが行えます。他にガードしながら、ダッシュしながらの攻撃でもそれぞれ違った攻撃が発動します。
近接攻撃以外に標準装備の弓(RBまたはR1で構えて発射)と苦無などの投げ物を使った攻撃も可能です。

最初の1発だけは種類ごとに固定、
残り2発は覚えた技を配置して自由に構成を決めることができます
技はレベルアップ、能力値が一定値以上に到達、また途中で拾える巻物で新たなものが習得できるようです。それぞれ攻撃力、出の速さ、体勢崩し効果、攻撃範囲などが設定されています。
3ポイントのライフ制、それにスタミナを組み合わせたシステムになっています。スタミナは技の使用、ダッシュ以外に敵の攻撃を受けると減少し、敵の攻撃によってスタミナが0になるとライフが1個減ります。ただし弓などの射撃攻撃はスタミナ関係なしにいきなりライフが減ります。

右の横方向バーがスタミナ、
左の横方向バーは経験値です
敵を倒すことで経験値が得られ、溜まるとレベルアップ、腕力、技量など全4つの能力値に割り振るためのボーナスポイントが獲得できます。能力値の割り振りは社で行います。

敵を倒したりオブジェクト破壊などで落ちる
香という通貨的なものを使って
回復薬、攻撃アイテムとの交換が可能です
雰囲気は和風ホラーでなかなか良いのですが日本語訳が若干微妙、会話シーンで主人公の名前が「武さま」になってたり、体力回復薬の説明が「人生+1」になってたりします。ただ会話は概ね自然ですし、ところどころ気になる点はあるもののストーリーが頭に入ってこないということはないです。



戦闘システムは仕組み自体はなかなか面白そうですが、悲しいかな体験版で出てくる敵は動きが単調、ボス戦などもないため面白くなるのかな?という疑問も残りました。動きはリアル寄りで見応えはあるものの、アクションゲームとして重要な動かしていての楽しさには少し欠ける感じでした。
純粋にアクションゲームとして楽しむにはちょっと物足りなさはありますが和風ホラーの世界観が気に入ったのであればありかなと思います。