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2025年3月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

これまでこの記事では毎回、はじめの挨拶としてゲームに関するあれこれを述べていたのですが、はじめの挨拶としては分量が多すぎる、しかも紹介するゲームと特に関連性がないし記事自体のボリュームも大きくなってきた…ということで、今後はなくして単体の記事として公開していくことにしました。というわけで今回は早速ゲームの紹介に入ります。


Knights in Tight Spaces

  • 3月4日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (デッキ構築、ローグライト)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

2021年に発売された位置取りを工夫して多数の敵と戦っていくデッキ構築型戦術ゲーム Fight in Tight Spacesの続編です。

前作は現代が舞台でしたが今作は中世ファンタジー世界、また大きな変更点として前作は1人で敵集団と戦っていましたが、こちらではプレイヤーも複数(最大3人?)の部隊で敵と戦う集団戦となっています。

ローグライトでおなじみのネットワーク図状のマップで
待ち構える敵や報酬などを確認しつつ次の移動先を選択、
戦闘したり店でアイテムの購入、カードの強化などを行って進んでいき
最終地点で待ち構えているボスを倒せれば次のステージへ進むことができます

プレイヤーの部隊は開始時に選んだクラスの1キャラのみで始まり、途中で店に立ち寄って手持ちのコインを使って仲間を雇っていきます。

初期キャラとして選択可能なクレリックは
物理、魔法の複合クラスで
アンデッドなど超自然の敵との戦いに長けています
他のキャラを雇うと同時にデッキに数枚のカードが追加され
以後新カード入手時にもそのクラスに応じた
候補が出てくるようになります
(魔法使いを仲間にしたら魔法攻撃カードが出るようになる等)

戦闘はターン制で、ターン開始時にデッキよりカードが配られ、それを使って移動、攻撃、防御などの行動を行っていきます。カードにはそれぞれ使用するためのコストが設定されており、毎ターン補充される行動ポイント的なモメンタム(勢い)の範囲内でカードを使っていきます。このモメンタムは雇ったキャラが増えるごとに毎ターンの補充量が増加していきます。動かさなければならない駒が増えるので当然とも言えますね。

どのキャラを動かすかは自由に選択できて
1ターンのモメンタム全てを1人のキャラで消費したりもできます。
ただ2人以上いる状態だとまずキャラを選ぶ→行動を選ぶと2ステップ必要で
前作と比べるとちょっと煩わしさを感じなくもありません

この集団戦で新たに追加されたのが支援攻撃の要素です。各キャラはクラスごとに支援攻撃可能な範囲が設定されており、ある味方の支援攻撃範囲内にいる敵を別のキャラで攻撃すると、その攻撃後に味方も自動的に追加で攻撃してくれます。これが結構重要なダメージソースとなっています。

支援攻撃は大体隣接していると発動するので
仲間2人を隣接させて総攻撃状態にすると
体力の大きなボスでも1発で3分の1くらい削れます

またもう1つの大きな変更点として武器、鎧などの装備アイテムが新たに登場、店で購入してキャラに与えることで攻撃力の強化から敵の防御の貫通、毎ターン自動的にブロック値の獲得などの特殊効果を得ることができます。クラスごとに装備可能な装備の種類、構成が決まっていて、重装甲の戦士は武器、盾、鎧ですが、盗賊は武器2つと補助アイテム1個といった具合です。

各戦闘ステージには必須目標1つ、任意目標2つが設定されており
達成するとそれぞれ報酬がもらえます
基本的にアイテム購入や仲間の雇用に必要な資金は
この追加目標の達成で稼いでいくことになります

舞台の変更と集団戦への変更、装備以外は大体前作と同じ…に見えますがなにげにあまり目立たない、しかし人によっては前作と比べたときに評価が分かれそうな変更点があります。それは戦闘の比重というか、何をもって戦力で上回る敵に勝利していくかという点です。

前作は位置取りが非常に重要で、何しろ多数の敵を倒さなければならないうえ、ボスはプレイヤーキャラよりはるかに高い戦闘力を持っており正面からぶつかるのは困難でした。そこで位置の入れ替えやノックバック効果を持つカードを使って敵に同士討ちをさせる、盤外に追い出して即死させるといったテクニックの活用が必須レベルだったのです。
一方でKnightsの方ではそれらの要素自体は残っているものの、どちらかというとより直接的な攻撃が重要になってきているように感じられました。位置取りの工夫についても、前作と比べて移動、ノックバック効果を持つカードの数が少なくて、盤外に追い出すことよりもいかに味方の支援攻撃を発動させて効率的にダメージを与えるかにフォーカスしているように思えます。
総じて敵をばったばったと倒していく爽快感のあるものから、普通のSRPGのようにダメージを蓄積させて倒していくみたいな感じになっています。

この戦闘ペースの変更は現代のアクション映画のようなスタイリッシュな格闘から、中世ファンタジー世界でのより泥臭く、血なまぐさい戦いへの変更にはよくあっており、これはこれで面白いと思うのですが、前作と同じテンポを期待していると違和感があるかもしれません。
そこは体験版で確かめてと言いたいところですが、このゲームの体験版は今のところ日本語に対応してないんですよね。システムを理解しないと楽しめないタイプのゲームなのでちょっと惜しいところです…。

2025年3月3日追記:
体験版が更新されて日本語も選べるようになりました。


ツーポイントミュージアム

  • 3月5日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (経営、アミューズメント施設運営)

  • 日本語あり

かつてBullfrog ProductionsでTheme Hospitalを制作したスタッフが2016年に独立して興したTwo Point Studiosが手掛けるシリーズ3作目、これまで病院のTwo Point Hospital、大学のTwo Point Canpusが出ていましたが、今回は博物館で多くの客を迎え入れ、満足させ、付属の施設、店舗を利用してもらって収益を上げていくという経営ゲームになっています。

基本的にやることは前作までと同じで、博物館の敷地の中に展示物を設置すると客がやってきて、それを眺めることで満足度が高まり、帰った時点の満足度により博物館の評価が向上していきます。
客の評価はBuzz(話題性)、Knowledge(知識)、Decorate(装飾)の3種類があり、BuzzとDecorateは博物館の評価増に、Knowledgeは博物館のEnlightment(啓発)レベルの向上に寄与して、このEnlightmentレベルによって新たな施設がアンロックされていくようです。そしてこの全てを高めていくには複数の展示物や施設をうまく組み合わせて設置していく必要があります。展示物は種類や時代などいくつかの属性が設定されており、同じ属性同士または特定の展示物を近くに置くことで相乗効果が発生します。

施設、設備の配置のうえで前作から大きく変わった点としては、客が行き来する展示エリアは特定の部屋の作成を必要とせず、従来廊下と呼ばれていたスペースに展示物を設置します。一方でトイレやスタッフの休憩エリア、ギフトショップや展示物の研究室など、前作までのように専門的な部屋を作ってそこに必要な設備を追加することで機能するものもあります。

前作までは施設、設備はただ買って設置するだけでしたが、今作の展示物は化石や骨格などなので新たなものを入手するには探検を行わなければなりません。探検には必要なスキルを持った専門家(学芸員)を雇い、博物館ごとに用意された(?)探検マップに派遣する必要があります。探検中はイベントが発生して、次にどう行動するか選択を迫られることもあり、その選択により結果が変わったり、派遣した専門家が負傷したりということもあります。

シリーズ共通の仕様ですが、ゲーム全体を通して1つの博物館を経営していくのではなくてステージクリア型、ある程度発展させると星を獲得でき、星を1つ取った時点で次のマップに進むことが出来ます。そのまま続けてプレイしてより高度な目標を達成することもでき、星は各マップ最大5つまであるようです。

同じシリーズの3作目、大きな路線変更はなしということでこれまでTwo Pointシリーズをプレイしてきてそれを楽しめた人なら安牌でしょうし、逆に物足りなかった人が急にハマったということもないでしょう。
こうしたアミューズメント施設の経営ゲームって基本的に金銭面のバランスは緩くて、問題になるのは限られたスペースでどれだけ客の満足度を高められるかになってきます。そしてその目標を達成するためには正解となる施設の種類と数、組み合わせが決まっていて、その通りに満たしていくものが多い、つまり「思い通りの◯◯を作り上げよう!」というキャッチコピーの割にゲームを進行させるという意味においては創造性が求められる場面は少ないんですね。なので悪く言えば途中から作業感が増してくることが多く、それを和らげてくれるのは奇妙な展示物、ユーモラスな客やスタッフの動きを眺めて楽しむこと、そして題材への興味、即ちこのTwo Point Museumであれば考古学に対する関心となるでしょう。それらに魅力と感じないのであれば他に自分の好きな題材のアミューズメント施設運営ゲームを探したほうがいいかと思います。


Shadowveil: Legend of the Five Rings

  • 3月5日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (ローグライト)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

日本の黒澤映画、他に中国やアジアの伝承を取り入れて1995年に作られたテーブルトーク、ボードゲーム用のアジア風ファンタジーであるLegend of the Five Ringsを原作とするローグライトゲームです。
舞台となるのは原作と同じ、7つの氏族が集まってできた六貫(ろくがん)という国で、その南方でシャドウランドと呼ばれる魑魅魍魎の地からの侵略を防いでいたカニ一族が主役となります。ある時、カニ一族に属するヒダ家の前哨基地から家の誇りとも言える旗が盗み出され、基地の守備隊長が部隊を率いてそれを取り戻しに向かうものの消息を絶ってしまいます。そこでヒダ家の当主にしてカニ一族の長でもあるヒダ・キサダの2人の子供、姉のオオウシと弟のスクネがこの事態への対処のために前哨基地へと派遣され、プレイヤーはこの2人の姉弟のうちどちらか片方を選び、他の侍たちを率いてシャドウランドに遠征、奪われた旗の奪還に取り組んでいくことになります。

脳筋姉のオオウシ、頭脳派のスクネ
どちらかを初期キャラとして選びます
ただどちらも高レベルの上級職というだけで
固有クラスとかではないです
ちなみにオオウシという名前は脳筋っぷりからつけられたあだ名で
本名はヨリトコらしいです。
上にもう1人ヤカモという兄がいます
基地で待機しているメンバーの中から連れて行くキャラを選べます。
ゲームが進展するにつれて新たな機能がアンロックされたり
連れて行けるキャラの数が増えていきます

ゲームの流れとしては前哨基地で連れて行く兵士を選んで出発、ローグライトでお馴染みのネットワーク図状のマップで起きるイベント、報酬などを見つつ次の移動先を選び、戦闘やイベントの処理を行っていきます。

マップは構造としては移動3回分くらい先、
そこで得られる報酬は移動1回分しか見えません
そこで画面左下の紫色の旗のボタン、
偵察部隊を使うとだいぶ先まで見られるようになります

戦闘はヘックスマップで行うのですが基本的にプレイヤーができるのは出撃するキャラとその初期位置を決めるだけ、あとは見ていることしかできません。どの敵を集中攻撃しろとか、体力が低くなってきたので逃げろとかそういった指示は一切出せません。各キャラにはアビリティをセットして使用することもできますが、これも使用タイミングや対象は選べずクールダウンごとに勝手に使います。
例外として一部のクラスには戦闘開始時に場所や対象を指定して使うことのできる固有アビリティを持つものがいて、例えば弓兵だと防柵を設置して敵の接近を防いだり、軍師なら自身が向かう場所を指定できます。
戦闘で体力が尽きても死亡はしませんが、以後キャンプで回復させるまで戦闘には参加できなくなります。

戦闘に勝利すると報酬が得られます。新たなアビリティカードの入手、一般資源(遠征内でのみ使用可能な物資、遠征が終わるとリセット)、メタ資源(拠点の強化に使うもの、遠征が終わっても残る)の入手などいくつかのパターンがあります。
また戦闘に参加したキャラは経験値を獲得してある程度溜まるとレベルアップ、それにより能力が向上したり上級職に転職できたりします。

報酬の1つである新規アビリティ獲得、
提示された複数のアビリティカードの候補の中から1枚選びます
各キャラには初期状態で2つ、最大4つのアビリティスロットがあり
初期状態で通常攻撃カードが1枚セット済
残りの空きスロットに追加のアビリティカードをセットします
アビリティカードは同じカード(レアリティも)が2枚揃うと
合成して上位レアリティに変換、強化できます
アビリティ以外に装備アイテムの要素もあり
こちらはレアリティが同じであれば別のアイテムであっても
合成できるっぽいです

遠征中、一般資源の翡翠を1個消費することで、任意のタイミングでキャンプをはって休息することができます。体力の回復や一時的な強化、その遠征中のみ参加してくれる浪人の雇用などが行えます。

休息時はいくつかの回復、強化効果の中から2つまで使用可能、
翡翠を追加消費することでさらに多くの
回復、強化効果を追加で適用可能です

最終地点に到達するか、クエストを達成して帰還を選ぶか、途中で全滅すると遠征は終了、前哨基地に戻され、遠征で手に入れた資源を使って色々な強化を購入、そして参加メンバーを選んでまた新たな遠征に出発します。

メタ資源のDiplomatic Capital(外交資本)を使って
カニ一族の他の有力氏族の支援を購入できる…
要はアップグレードツリーですね。
新クラスの解放もここで行います
前回の遠征で溜まった経験値でレベルアップできました。
レベルアップするとクラスチェンジ、アビリティ、アイテムスロットの追加
能力値の強化、マスタリー、トレイトの習得が行えます
能力値の強化は近接型、魔法型、バランス型など
いくつかのセットがあってそのうち1つを選べます

和風ファンタジーの世界で侍がゴブリン(ファンタジーでお馴染みのあれではなく、おそらく「鬼」または「妖怪」的な意味)と戦う、なかなか興味深い設定ではあるのですが悲しいかな日本語に対応していません。ただシステム自体はローグライトでお馴染みのものばかりなのでローグライトに慣れた人であれば問題なく遊べるとは思います。

戦闘がわざわざヘックスマップに切り替えて戦う割に指示がほぼ出せないという点が好き嫌いの分かれる点な気がしますが、アビリティのセットや強化、初期配置により結果が結構変わってきたりして、工夫のしどころや、やり甲斐が全くないわけではないように思えました。
またローグライトながら全滅してもキャラはいなくならず、経験値を溜めてレベルアップ、クラスチェンジして地道に強化していける点などは日本人向けかなとも思います。
唯一言語の壁だけはどうしようもありませんが、もしそこが気にならない、そしてローグライトストラテジー、和風ファンタジーの世界に興味がおありでしたらまず体験版を試してみて下さい。


Vanguard Exiles

  • 3月12日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ストラテジー (オートバトラー、デッキ構築)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

ガーフィールドの新作です。ガーフィールドといっても↓ではありません。

Magic: The Gatheringのデザイナー、リチャード・ガーフィールドです。

ゲームのルールはごくシンプル、2人のプレイヤーが各自のデッキを選択してゲーム開始、デッキから引いた駒を部屋に配置して敵と戦わせ、占領していく対戦ゲームです。

配られた駒を配置するしかないのさ

ゲームの各ラウンド(ゲーム内ではスカーミッシュと呼ばれる)はまず配置フェイズから開始されます。ここでは自軍の駒を各部屋に配置していきます。配置は毎ラウンドリセットされ、敵がどのように配置しているかはこの時点では見えません。
両軍の配置フェイズが終わると実際に駒が配置されます。この時点で相手がどのように駒を配置したかがわかります。

配置コストとかはなくて手持ちの駒は全て
自由に配置ができます。
また配置したり、戦闘で敵に撃破されてもなくなりません

部屋にはそれぞれ異なったVP(勝利点)が設定されており、自軍のユニットのみがいる状態だとラウンド内のターンごとに占領が進んでいき、進捗が100%になると占領状態となってその駒の持ち主であるプレイヤーの持ち点に部屋のVPが加算されます。両軍のユニットがいる部屋では戦闘が行われ、これはどちらかのユニットが全滅するまで続きますが各ユニットは1ターンに1回だけ行動して一区切り、その間に他の部屋では占領が進んだりします。敵が全滅した後は残された側のユニットがその部屋を占領します。

いくつかの部屋はVP以外に特殊効果が設定されています。
このElgin Libraryは同じプレイヤーが複数ラウンド部屋を占領し続けることで
VPが1→3→5と増加していきます

戦闘で重要というか多くのカードに登場する特殊効果としてはFirst Strike、Last Strikeという攻撃タイミングに関するものがあります。これは戦闘の行動順を決めるもので

  • まずFirst Strikeを持つユニット全員が行動

  • 次にFirst、Lastどちらも持たないユニット全員が行動

  • 最後にLast Strikeを持つユニット全員が行動

となっています。行動フェイズが同じユニットの行動順はランダム、攻撃相手も(たぶん)ランダムに選ばれます。

ユニットの攻撃力(上に表示されている数字)で
右上に緑の△がついているのがFirst Strike、
左下に赤の△がついているのがLast Strikeです

もう1つがReapで、これは敵味方問わず同じ部屋にいる駒が死亡すると発動するもので、基本的にはそのユニットまたは周囲の味方の攻撃力、体力を強化します。ほとんどはそのラウンドのみの効果ですが、中にはゲーム終了まで効果が持続するものもあって、これでいかに自分の駒を育てていくのかも戦略上1つの肝となってきます。

1つの部屋を占領し終えた状態でまだ他に未占領の部屋が残っていたら、ユニットはその部屋に移動しようとします。一度占領された部屋は、たとえ敵側に駒が残っていたとしても奪い返されることはありません。最終的に全ての部屋がいずれかのプレイヤーによって占領されたらラウンド終了です。

ちょっと面白い機能として
ラウンド終了時に全ての可能性を計算してシミュレート、
そのラウンドで起こり得た全ての結果および確率が確認できます。
これで自分が順当に勝ったのか、たまたま勝ったのか
知ることができます

ラウンドが終了すると両プレイヤーはそれぞれデッキより選ばれた3つの駒のうちから1個だけ持ち駒に加えることができます。3つの駒は1つの標準駒、2つの上級駒からなり、標準駒は無料で獲得できかつデッキから何個でも出てきて、上級駒は購入にコインが必要かつデッキ内の個数が有限です。
コインは特殊効果としてコインのアイコンが表示された部屋を占領すると1個手に入ります。

上の南京錠のボタンをクリックすると
次の駒選択まで候補を持ち越せます。
リロール(再抽選)はなさげです

新たなラウンドに入ると部屋の占領状態はすべてリセット、さらに新たな部屋が追加されます。そして再び駒の配置、戦闘、占領…というのを繰り返していき、最終的にどちらかのプレイヤーの持ち点が80点を超えたらそのプレイヤーの勝利、両プレイヤーが同時に80点を超えた場合は持ち点の多いほうが勝者となります。

前ラウンドまでは78対71で勝っていたんですが
最後で逆転を決められてしまうの図
でも次は大勝利

ルールはシンプル、駒の持つ特殊能力もそう奇抜なものはない、また戦闘は自動解決なのでプレイングによる差が生じないなど全体的に地味なゲームではありますがなかなか戦略性は高く、VPの高い重要な部屋に大量の戦力を投入するか、それとも相手側が手薄になるであろう部屋に駒を1個だけ配置して楽々手に入れてしまうか…といった読み合いが楽しいです。
日本語に対応していないもののそう複雑なゲームではないので最初に30分から1時間ほどかけて全体の流れを掴めばあとは直感的にプレイできると思います。体験版ではAI相手のシングルプレイしかできませんが早期アクセス版では対人戦もできる、というかそちらがメインでしょうね。
価格やマネタイズモデル(追加の駒の獲得が有料だったりしないか?)等は現状不透明ですが、ゲーム自体はボードゲーム風のゲームが好きな人にはなかなかお勧めの1本と言えるでしょう。


Pachinko TD

  • 3月14日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (タワーディフェンス、カジュアル)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

パチンコ台の最下段(はずれ口、回収口などと呼ぶらしい?)にある城を、ウェーブ形式で玉のかわりに打ち込まれるモンスターより守り抜くことが目的のタワーディフェンスです。ただしタワーというより障害物、基本的に弾は発射せず、飛んでくる敵をブロックして敵を撃退します。ぶつかると敵、タワーとも相手の攻撃力分のダメージを受け、HPが0なると消えます。
タワーが消えるというのは驚きの仕様かもしれませんが、ウェーブが終わるとダメージはコスト無しで回復して、壊れたタワーも全て復活するので心配は無用です。なので実は最初の方のウェーブでは敵の総攻撃力が城の耐久力未満なので、ノーガード戦法でも良かったりします…。

コインを使って城を設置したりアップグレードすると台の上に新たに障害物を置くスロットが追加されます。スロットの位置は固定かつそこに置けるものの種類もあらかじめ決まっていて、高い耐久力を持ちより多くの回数、敵を(体当たりで)迎撃してくれる塔、壊れやすいもののウェーブ終了時に生き残っていればコインを生み出してくれる家の2つがあります。

城をアップグレードすることでこれら設置物もアップグレードできるようになり、最初はただ頑丈にするしかできませんがステージクリアにより衝突した敵に与えるダメージが大きい塔、一定間隔で敵を追尾する弾を発射する塔、耐久力は変わらないものの生み出すコインが増える家などのアップグレード候補が追加されていきます。

タワーディフェンスとしては非常にカジュアルな作りで、できることは限られています。しっかり考えて敵を迎撃したいという欲求は満たしてくれないでしょうが、ゆるい敵キャラのグラフィック、のんびりした音楽と独特の雰囲気があり、肩の力を抜いて楽しむには悪くないかなと。
なんでもこのゲームは2023年8月に早期アクセス開始、現在は正式リリーズ済みの防衛ゲームのThronefallの影響を受けているそうで、確かにゲーム内容やバランス、コインを使ってアップグレードしていくところの操作感などはその影響が見受けられますね。
そうした事情からすると多分価格も1200円前後くらいで、気楽に買って、気楽に楽しめるゲームになるのではないかと思います。


JDM: Japanese Drift Master

  • 3月27日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: レースゲーム

  • 日本語あり

日本が舞台のレースゲームです。開発元のGaming Factoryはポーランドの会社なのですが、リアルな日本の風景ということで、特に日本のレースゲーム好きな人の間ではかなり期待度の高いタイトルとなっています。
舞台となる場所は実在の特定の場所を再現したものではなく、印象的な景色の場所を色々寄せ集めた「群玉県」、そこに市街地、田舎、高速道路、峠、湖、レース場などが用意されているようです。
ストーリーはドリフトの腕を磨くためにポーランドよりやってきたトウマという青年が日本で様々なドライバーと出会い、競争したり絆を深めたり、時には恋愛したりというもののようです。イベントシーンはカットシーン、ムービーではなく漫画風の静止画で進められます。

ゲームの特徴としては今日のレースゲームでもっとも一般的なタイプと思われる、オープンワールドのマップ内をフリー走行したり、イベント発生地点に入ってレースやドリフトチャレンジなどのイベントが開始できます。類似のゲームとしてはTest Drive、The Crew、Forza Horizonなどがありますね。
正直私はレースゲームは詳しくないので他のゲームと比べてどうなのか詳しく比較はできないのですがマツダ、日産などからライセンスを受けて30種類の実車が登場、チューニングではホイールやサスペンションなどの機能面以外にシフトレバーなど内装もカスタマイズ可能、時間帯、天候の要素あり(シミュレーション面への反映については不明)、ハンコンへの対応は発売時点では完全ではないもののアップデートで順次対応機種を増やしていく予定はあるそうな。バランス的にはリアルさ重視、アーケード、どちらでもなくその中間、このタイプのゲームとしては一番多く、人気の高いタイプかと思われます。

とりあえずこれもトレイラーを見て頂くのが一番わかりやすいと思います。レースゲームとして基本的なクオリティ、内容は高水準で安定していると思うので、あとはこれを見て、日本の風景の再現度高い!このマップで走りたい!と思った人には多分安牌じゃないでしょうか。


Grit and Valor - 1949

  • 3月27日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (ローグライト、タワーディフェンス)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

第2次世界大戦で枢軸国軍が架空の巨大な戦闘メカを投入、これにより戦いの趨勢は大きく変わり、枢軸国軍は再びヨーロッパ本土を完全制圧、それに加えてイギリスの本土の大半を占めるグレートブリテン島も支配下においてしまいます。しかしスコットランド沖の島に逃れた連合国軍の残党がこの戦闘メカを鹵獲、それを主力としてグレートブリテン島、そしてやがてヨーロッパ本土で反撃していくという設定のストラテジーゲームです。

ゲームの流れとしてはまず基地で機体とパイロットをそれぞれ選んで出撃、ローグライトお馴染みのネットワーク図状のマップで次の移動先を選びます。戦闘または高難易度戦闘のノードでは戦術マップに切り替わります。

登場するノードとしては戦闘および
その高難易度版が多く
ナラティブ的なものはほぼありません
たまに回復、強化地点が出てきますが
出てくる候補にランダム性はなくて回復、アビリティ強化、
強化材(パッシブ強化)で固定です

戦術マップではウェーブ形式で敵の歩兵、メカが攻撃してきて、目標ウェーブ数まで耐えきればステージクリア、先に進めます。
戦闘で重要になるのがユニットの種類間の相性と高低差、遮蔽物の活用です。敵味方とも各ユニットは弾道、火炎、爆弾の3つのタイプのいずれかに属しており、弾道は火炎に、火炎は爆弾に、爆弾は射撃に強いという3すくみになっており、相性のいい敵を攻撃すると大ダメージを与えられるクリティカルヒットが発生します。
高低差はマップに一部他の場所より高くなっているところがあり、そこから下にいる敵を撃つとこれまた追加ダメージを与えられます。しかしウェーブ終了時に補給物資が投下されてそれを拾いに行く必要があるのと、指定されたオブジェクトの破壊や防衛といったサブ目標を達成するためにずっと同じ高地に陣取っていられないようになっています。

サブ目標は紫色のアイコンで表示され、撃破、占領、防衛など
いくつかのタイプがあります。
達成するとクリア時に資金が増えて、これを使って
途中でユニットの強化(1回のプレイが終わるとリセット)が行えます
ウェーブ終了時に落ちてくる箱を取ると
司令トラック、出撃中のメカの強化が行えます

最後に遮蔽物は戦術級のゲームでお馴染み、遮蔽物の背後に隠れると敵に攻撃されたときにダメージを肩代わりしてくれます。しかし遮蔽物にも耐久力があり、ある程度ダメージを受けると破壊されて消滅します。

敵の攻撃を吸収してくれる遮蔽物以外に
射線を遮って完全に攻撃できなくする背の高い障害物もあります。
活用には慣れが必要というか、射程だけ意識して配置していると
あれ、ここからじゃ攻撃できない?ということが多発します

バランス面で大きな特徴としてはまず戦闘で受けたダメージはステージクリア後も残り、登場頻度の低い一部のイベントでしか回復しません。またアビリティもクールダウン以外に使用可能回数が設定されており、これも残り回数を回復させる方法は非常に限定的です。なので基本的に自軍の戦力をすり減らしながらどうにかゴールまでもたせるというバランスになっています。

最終地点でボスを倒すか全滅すると本拠地に戻ってきます。ここでは新たな機能のアンロック、メカ、パイロットの強化などが行えます。

メカの強化はメタ資源であるスクラップを消費してモジュールを購入、
それを各メカに装着して行います。
なお一度装着したモジュールは外すことができず
別のものをつけると前のものは消えます
パイロットの強化は実質的にはアビリティの強化です。
パイロットによるパッシブ効果とかはなさげ、
アビリティの効果量や使用可能回数とかが増やせます
最初はメカは実弾、火炎の2機しかありませんが
本拠地の強化で爆弾が追加、
また同じ実弾の中に機銃とマークスマンライフルなど
異なる傾向のメカが複数存在しています

体験版をプレイしての感想としては、他のゲームでもたまに指摘されているのを見かけますが初期戦力を絞りすぎに思えました。
3すくみの相性の活用が重要なのに最初は2機しか出せないのでどうしても有利に戦えない敵が出てくる、また遮蔽物も初期状態では出てきません。
何度かプレイを繰り返して本拠地でアップグレードをすることで出撃数が3に増え、また遮蔽物も出現するようになるのですが、戦術上重要な要素2つの使用が最初は限られているというのは正直無意味な縛りだと思います。
ただこれはコンテンツ量が少ない体験版のみの制限で、製品版では最初から3機出撃可能、遮蔽物も出てくるのかもしれません。

全体的に作品の特徴にカジュアル層向けなのかコアゲーマー向けなのかよくわからないチグハグな点が見受けられます。この手の史実をベースとしつつ巨大ロボが登場する架空の戦争というのは設定としては人気があるのですがその反面ゲーム内容はごく基本的なものに留まっているものが多く、カジュアル層向けなものが多いように思います。このゲームもそのご多分に漏れない内容なのですが、一方で回復機会が少ない、戦力をすり減らしながら進んでいくバランスはそうしたプレイヤーには窮屈に感じられるでしょう。
体験版をプレイしたうえでの感想としては手放しで勧められるゲームではありません。ゲームとしての内容にあまり多くを求めない、巨大メカが闊歩する第2次世界大戦の戦場!という部分だけで6割ぐらい満足できる人ならありかも…といった印象を受けました。


inZOI

  • 3月28日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ライフシム

  • 日本語あり

韓国産のライフシムです。広範な意味では農場経営や任天堂のどうぶつの森などのゲームもライフシムと呼ばれますが、より狭い意味ではこのゲームのようなゲーム世界の中に自分の分身となるキャラを作成、そのキャラを操作、管理して仕事や学習、他のキャラと交流、恋愛、子育てなどをしていくゲームを指します。要はEAのThe Simみたいなゲームのことです。
このジャンルは長らくThe Simsの独擅場状態でしたが、数年前よりそれに挑戦する動きが出てきています。代表的な例としては以下のようなものがあります。

他にThe Sims 2、3の開発者であるロッド・ハンブルという人がParadoxをパブリッシャーとして開発していたLife By Youというゲームが開発中でしたが数回の延期の後、2024年6月に開発中止となっています。

このinZOIをThe Simsと比べた際の特徴としては、The Sims 4は幽霊や狼男みたいな超自然の存在が登場したり、ユーモラスなタッチで描かれていて我々が日々目にする現実のものとは少し違った(そこが魅力的でもあるわけですが)世界での仮想生活となっているのに対し、inZOIではそうした非現実的なものが登場せず、また最新技術が利用されて、より現実的でかつ高精細な都市での仮想生活を楽しむことができます。また同じ東アジアの韓国産ということもあって、美的センスや造形もThe Simsと比べて日本人好みになっているように思われました。

システム自体はごくオーソドックスで、プレイヤーは年齢、性別、外見、服装などを自由に設定して自らの分身となるZOI(キャラクターのこと)を作成してゲーム内世界のどこかに住居を与えます。この住居も元々あるものを使う、自分で1から作る、プリセットを配置してカスタマイズするなどいくつかの方法があります。

生活を送ることのできるマップは今のところ8つあるらしいですがその全てが最初から選べるのかは不明です。都市の安定性スライダーというのがあり、都市の経済状態や衛生、安全、生活さといったパラメータをゲーム中に変更することができて、これにより都市の見た目や雰囲気ががらっと変わったり、プレイヤーが操作している以外のZOIの行動に様々な影響が出たりするようです。

ZOIには空腹やトイレ、清潔さといった8つの欲求があり、それを満たすために料理したりシャワーを浴びたりの行動を指示して幸福な状態を保ってやらなければなりません。便利機能として例えばお腹が減ったら冷蔵庫や調理器具をクリックして料理作成と指示を出さずとも、満たしたい欲求のゲージをクリックすると状況にあわせて回復の行動を行ってくれるというものがあるようです。またこのゲームではThe Sims 4のように対象のオブジェクトをクリックして行動を選択するほかに、WASDでZOIを直接操作したり、車に乗って運転したりということも可能です。

唯一の超自然的な要素としては幽霊の存在があります。ZOIは加齢などで死亡することがあるのですが、この際に生前に取った行動で増減するカルマ値が低いとその不足分を埋め合わせるまで幽霊として街に留まることになります。この幽霊は早期アクセス開始時点ではプレイヤーが操作することができませんが、後々変更される予定があります。またその存在によって街に新たな住民が現れるのが阻害されるようです。開発者曰く必ずしも善の行動を強制したいわけではないけれど、場合によっては幽霊だらけの街になってプレイに支障がでたりもするそうな。

発売時点で恋愛、結婚、出産、子育て、加齢といった要素は存在している模様です。学生として暮らすこともできますが、昨年行われたプレイテストでは学校が1つしかない(小学校、高校、大学とかに分かれていない)、また仕事は職場で色々タスクを実行していく必要があるのに対し学校は後者に入るとZOIが消えて一定時間後にまた出てくるというシステムになっていました。このあたりは多分製品版でも変わらず、今後のアップデート、DLC待ちではないかと思います。

公式のModサポートを謳っていますがSteam Workshopへの対応予定は今のところなし、かわりに大手のMod用プラットフォームの1つであるCurseforgeとの提携が発表されています。これがゲーム内に統合されたMod管理機能が提供されるのか、単に外部のプラットフォームとして利用できるか等、具体的なところはよくわかっていません。

全体的にThe Sims 4を最新化したものと言えて、このジャンルのファンからはなかなかの期待を集めています。プレイテスト版の内容からするに蓋をあけてみたら全然駄目だったということは多分ないでしょう。ただThe Sims 4の牙城を崩せるかというのは現時点では微妙なところかと思います。それはこのゲームに何かが足りないということよりも、The Sims 4には10年以上かけて追加されてきた膨大なコンテンツがあり、それと比べるとどうしてもやれることが限られてしまうという事情があるためです。これはThe Sims自身にものしかかる大きな障害であって、既にThe Sims 5相当と思われるプロジェクトも発表されていますが、こちらがこの問題をどう克服していくかはなかなか興味深いものがありますね。

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