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2023年5月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

5月も毎年激戦地となっている月ですね。大型タイトル、インディーゲームそれぞれで多数の作品、特に多くの人の期待を集めているゲームが出る予定です。ただこの記事を作成するにあたり情報をまとめてみたところ、思ったよりは少なかったなという印象になりました。2、3ヶ月前から期待の新作○○が5月に発売、というニュースを繰り返し耳にしていて「これも5月なのか、相当な激戦地になるな」と思っていたわけですが…。

Age of Wonders 4

  • 5月3日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (4X、ターン制)

  • 日本語あり

いきなり有名どころでこの紹介記事の路線から外れていますが1作目から購入しているシリーズなので…。簡潔に言うとファンタジー世界が舞台で戦闘にフォーカスしたCivilizationです。プレイヤーは自らの分身となる魔術師を外見、性能両面でカスタマイズして作成、1つの勢力の当主として周囲を探索、資源を集めて都市に投資、軍隊を編成して付近の敵を駆逐し新たな都市を築いて領土を広げ国力を高めていきます。やがて自らと同じ魔術師によって率いられている他の主要国と遭遇し、その後は外交や戦争により排除、時には協力しあって勝利条件の達成を目指していきます。

軍隊同士が接触すると別マップに遷移し、所属するユニットを1つずつ動かして戦わせる戦術バトルになります。各ユニットは魔法を含む射撃攻撃や支援アビリティが使えたり、一部の属性に耐性を持つなどの個性が多数設定されており、それをいかに使いこなせるかが勝利の鍵となってくるでしょう。

戦闘よりの4Xなので内政についてはCivilizationほど深くはないもののその分戦闘がそれ単体でも楽しめる点が魅力と言えます。同じジャンルの作品としてはGladius - Relics of War、Spellforce: Conquest of Eoとかがありますね。開発元のTriumph Studiosは元々は独立系の会社でしたが2014年に3を出した後、2017年にストラテジーの雄であるParadoxに買収されその子会社となっています。その恩恵かグラフィックは3と比べるとかなり強化され、日本語もありとなっています(一応買収後、2019年にSFのスピンオフのPlanetfallというのも出てますが)。

このゲーム、公式の日本語化は実はこれが初めてではありません。2002年に出たAoW2が、カプコンから日本語版が発売されていたのです。カプコンは他にもDiablo 2などいくつかのゲームの日本語版を出していましたが翻訳の質に問題があり、当時のPCゲームユーザーからは蛇蝎のように嫌われていたものでした。そのため正当な批判に混じって誹謗中傷レベルの話とかも結構流れていて、Empires: Dawn of the Modern World(国内タイトル「エンパイアーズ ~近代の夜明け~」)の日本語版が発売された時は日本海呼称問題で韓国よりの立場を取っている!(マニュアルに"日本海/東海"と併記されていた、タイトル画面背景の地球儀に"East Sea"と書かれている等)とデマを流されてバッシングされたりもしてました。その背景としては陣営の1つとして朝鮮が登場し、豊臣秀吉の朝鮮半島出兵を題材とした朝鮮キャンペーンがあるという厚遇っぷりもありましたが…。それが今やPCにも自前のゲームを出すようになり評判は概ね上々、他のメーカーで問題となっている最適化問題もあまり起こしていない(バイオ8のDRM問題とかはありましたが)ということで国内外のユーザーからの評判も上々、優良メーカーとみなされているというのは諸行無常、時代の流れの面白さというやつでしょうかね。

Showgunners

  • 5月3日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (ターン制戦術バトル)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

近未来の闘技場、大勢の観客が見守る前で多数のトラップをかいくぐりながら敵と戦うXCOM系ゲームです。設定については大体Smash TVですね。その設定からくるこのゲームの特徴としては試合にはそれを盛り上げるディレクターがいて、実況するだけでなく例えば有利になったチームのど真ん中に突如時限爆弾が登場!とかの戦闘の形勢逆転に繋がるような干渉をしかけてきます。このゲームはTwitch統合にも対応しており、視聴者もこのディレクター同様に進行中の戦闘に干渉することができるようです。また戦闘にはただ勝つだけでなく試合を盛り上げる、観客を喜ばせるような戦い方をしなければなりません。名声を稼ぎ、新たなスポンサーと契約することができるようになることでキャラクターをより強化していくことができます。

なおXCOM系ゲームでよく議論になる点ですが、このゲームに登場するキャラクターは全て固有の外見、バックグラウンド、スキルなどを持つ、予め用意されたものです。名前や外見、能力を自由に変えて自分だけの部隊を作って戦わせたいという人は要注意です。

Tape to Tape

  • 5月4日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: スポーツ (アイスホッケー、ローグライト)

  • 日本語なし

日本ではあまり馴染みのないアイスホッケーを題材としたゲームです。スポーツものといっても選手の移籍や体調管理をしっかり行って1年間戦っていくリアルよりのものと、アクションの爽快性を重視したアーケードよりのものがありますがこのゲームは後者です。ラフプレーどころか即退場ものの反則なアビリティを使ったりして試合での勝利を目指します。
またリーグ戦やトーナメントを勝ち抜いていくというわけではありません。FTLやSlay the Spireのように新選手獲得、イベント発生とかのノードが組み合わさって作られたネットワーク図状のマップを進み、チームを強化しながら試合を続けてゴールを目指すという流れですね。

アイスホッケーに元々関心があってリアルな試合を楽しみたいという人にはいろいろぶっ飛びすぎていてアレかもしれません。逆に特に知識、関心はないがスポーツもの、アクションが好きな人にはローグライト要素で繰り返しプレイが楽しめていいかもしれません。

Darkest Dungeon 2

  • 5月9日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: RPG (ローグライト)

  • 日本語なし

2015年に発売されたダークな雰囲気の高難易度RPG、Darkest Dungeonの続編です…が内容はだいぶ変わっています。そしてその点がかなり激しく批判されています。元々このゲーム2021年10月からEGSで独占の早期アクセスが行われていたんですがその点でまず多くのユーザーの反感を招き、そのうえで触ってみたら全然違うゲームだった、ということで低評価に繋がりやすかったんですね。しかし私自身の感想を元に言いますと全く別物のゲームになったという点を受け入れられるならば前作に劣らない、人によっては前作よりも楽しめるゲームだと思います。少なくとも私は1よりも2の方が面白かったです。

前作は街で準備を整えていくつかあるダンジョンに冒険者の一団を派遣、キャラを強化しボスを討伐し、最終目標のダンジョンの攻略を目指すというゲームでした。一方2では街の要素はほぼなくなり、最初に冒険に参加するメンバーを選びFTL、StS風のマップを踏破して最終目標地点である山を目指して旅を続け、そこで待っているボスを撃破するというものになっています。ゲームオーバーにせよクリアにせよその後はまたまっさらの状態から新たな冒険を始めることになります。一応新アイテムのアンロックなどのメタ進捗があり、またクリアできた際は同じメンバーを連れて(ただし成長などは失われる)次の冒険に出ることは可能です。1度も全滅することなく1つのパーティで全ての冒険を終えることが腕の見せ所、究極のゴールっぽいですね。

馬車を転がして経路を選びながらゴールを目指します。
正直この部分はルート選択はともかく、運転自体は楽しくはないです。

前作からよくなった最大の点は戦闘でランダム性の低減により結果が予測しやすく、戦略を練りやすいようになったことです。前作では使用可能キャラの1人である犬使いが敵に付与できる「マーク」というのがありました。これを予め付与することで他のスキルの効果が強化されるものです。2では通常の攻撃アビリティでもこのマークのようなバフ、デバフが付与されるものが非常に多くなりました。これらバフ、デバフはトークンと呼ばれ、トークンをいかに活用するかが大きな意味を持つようになっています。

ゲーム中いつでも見られるトークン一覧。
これの活用がゲームに勝利する、そして楽しむための鍵です。

例えば病気で視力が低下し攻撃が命中しづらい没落者というクラスがありますが、2では命中率が廃止され基本的に攻撃は命中するようになっています。しかし没落者は戦闘開始時、通常攻撃時に高確率で次の攻撃が50%の確率で外れる「盲目」のトークンが自身に付与されます。そのためただ普通に殴っているだけだと結構攻撃が外れます。
しかし攻撃した相手が「コンボ」のトークンを持っていれば盲目の効果は打ち消されます。仲間に「コンボ」トークンを付与できるキャラがいれば強力な没落者の攻撃をリスクなしに当て続けることが可能になるのです。また「盲目」を治療するアビリティを持つ仲間と組み合わせてもいいでしょう。中には特定の不利なトークンを持つ仲間にのみ使用できて、それを除去することで体力を回復させるというアビリティを持っているクラスもあります。

こうした単体では使いづらいアビリティ、あるいは普通にくらうと大ダメージを受けるような敵のアビリティをトークンを活用することで有効活用したり、回避したりできるようになり、戦略の深みが増しているのです。
なおランダム性は完全に排除されたわけではなく、毒や出血、一部のトークンは付与に確率が絡みますし、クリティカルヒットも存在します。それでも前作と比べるとランダム幅は小さくなっており、頭を使って勝つ楽しみはましていると言えます。ただしこのトークンの要素を使いこなすには十分な知識が必要です。最初はそのあたりがわからずただ苦しいだけ、使いどころがわからないアビリティだらけ、といったことはあると思います。そこを乗り越えられると戦闘がぐっと楽しくなってきます。

もう1つの魅力はヒーローパスの追加です。これはゲーム開始時に使用するクラスと同時に選ぶことができ、それによりクラスの性能が大きく変わってきます。例えば敵に毒を付与して削っていくペスト医師というクラスがありますがこれには毒の付与率を低下させるかわりに近接攻撃のダメージと回復アビリティの効果が強化される「外科医」、体力は減少するものの毒付与率が増加する「錬金術師」、攻撃アビリティは全て弱体化するかわりに支援、妨害アビリティが強化される「医師」という3つのパスがあります。それにより本来は後衛の支援役だったクラスが前衛のアタッカーに変化したり、タンク役が攻撃能力は一切捨ててカチカチ、しかも自己回復可能な純タンクに特化したりという面白さが生まれ、これはそのクラス単体だけでなく他クラスとどう組み合わせるか編成の楽しみが増す良システムですね。

没落者はデフォルトの放浪者以外にダメージ特化のテンペスト
自己回復強化の詩人、特定の敵タイプに強い君主のパスがあります。

とまあ2の魅力を伝えてきたわけですが、正直現時点で路線変更やEGSの独占といったことに悪感情を持っている人がこれを読んでプレイしてみても多分印象は変わることはあまりないでしょう。それが気にならない人にだけおすすめしておきます。

もう1つの魅力、各クラスのキャラの過去がイベント戦闘を含む物語で明かされます。
軍事的経験がなく政治手腕だけで指揮官となり実戦に臨む重騎兵、
しかしその結果は…
かつてごく普通の演奏家であったジェスター。
彼が現在の姿になるに至った経緯も語られます。

Cook Serve Forever

  • 5月9日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: タイムマネジメント (料理アクション)

  • 日本語なし

タイトルはちょっと変わってますが2012年に1作目が出たカジュアルお料理ゲー、Cook, Serve, Deliciousシリーズの実質4作目と言えます。なんでも開発者の言葉によれば前作が早期アクセスを経て正式リリースとなり完成した後、やりたかったアイデアは大体盛り込めたし、次はちょっと違うゲームに挑戦してみたいということで路線変更となった模様です。

元々このゲームは客から次々と来る注文に応え、正しいキーを順番通りに押して時間内に料理を完成させていくというゲームでした。例えばBLTサンドであればベーコン(Bacon)のB、レタス(Lettuce)のL、トマト(Tomato)のTといった具合に主に材料の名前の一部から取ったキーを押す必要があり、また一部の料理は材料を選んでフライヤーに投入、待っている間に他の料理を片付けつつ、焦げる前に戻ってきて今度はトッピングで正しいキーを入力、というふうに1つの料理に複数の工程があって、操作の正確性だけでなく立て続けに入る注文をいかにさばいていくかの立ち回りも重要なゲームでした。

こちら前作の画面です。
下にずらっと並ぶ材料を、右上の材料リストから探し出し
対応するキーを正しい順番で押していかなければなりません。

このForeverではそのあたりがシンプル化されており、どの料理もごく限られた共通のキーを画面に表示された順番通り押していく普通のQTEに似た操作になっていますし、料理も一旦作り始めたら完成させるまでそれにかかりきりでタイムマネジメントの複雑さは薄れています(このあたりは体験版からの経験なので後半のステージでは複雑になってくるかも?)。

料理はなかなか美味そうに見えます。
料理ゲーとして非常に重要なポイントかなと。

根幹となる部分がだいぶ変わってしまったため、1つ前のDarkest Dungeon 2同様、既存のファンからは評判はいまいち、新規プレイヤーには受けるということがあるかもしれません。実際体験版が公開されたときはSteamの掲示板などでコレジャナイとか言われてたりもしました。まあ元々カジュアルなゲームなのでDD2と比べるとそこまで路線変更への拒否感は強くなさそうな気もしますが…。

今作は料理は完成すると自動的に客に提供されます。
そのため「ならタイトルにServeはいらないでしょ、Cook Delicious Foreverにしたら?」
などとも言われてました

Mechabellum

  • 5月12日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: オートバトラー

  • 日本語あり (*)

  • 体験版あり (*)

オートバトラーといっても「おらの農土が拓かれた」の歌で有名なあのアニメとは関係ありません。ラウンドごとに追加される資金でユニットを購入、戦場に配置して準備完了したらあとは基本的に指示は出せず、自軍と敵軍のユニットが自動で戦闘を行い、片方が全滅したらラウンド終了、敗者側の残り耐久力が勝者側の残存ユニットのランク、数に応じた分減らされます。いずれかのプレイヤーの耐久力が0以下になるとそこで試合終了です。

ユニットを配置すると自身と敵ユニットの位置関係により
戦闘開始後にどちらへ進むかが自動的に決まります。
なお配置を変更できるのは基本的に購入したラウンドのみです。
ユニットの配置では同じ構成の他のプレイヤーの配置例を真似る
お手軽設定も用意されているようです。

ゲームのモードとしてはAI相手のBOT戦、対人戦(単発の試合の他にトーナメント等もあり)、他プレイヤーと協力して敵の大軍に立ち向かい、どこまで生き延びられるかを競うサバイバルといったものが用意されています。

プレイヤーの耐久力や1ラウンドごとの追加資源の量など
自由に設定して戦闘テストを行う機能もあります。

ストアページの表記では日本語なしとなっていますが実際にはゲーム内の言語設定で日本語が選べます。まだ不完全、発売時に間に合うか不明ということでなしになっているのだと思います。また体験版はありませんが長期に渡りプレイテストを実施中で、これに当選すれば遊べます。私の場合は応募して即当選だったので実質オープンベータ状態ではないかと思います(さすがにもう発売目前なので新規参加は無理かも?プレイはまだできてます)。

このゲームで戦うのは車両、航空機、そして巨大ロボでそれぞれ「敵集団に強い」「高火力だが脆い」「地上に対しては圧倒的だが対空攻撃ができない」などの強み、弱みをもっています。それをユニットの組み合わせ、配置により有効活用していくのが勝利の鍵ですね。またユニット同士の戦いを支援するため数ラウンドに1回、指定したエリアにシールドを張ったり敵ユニットを爆撃したりという支援アビリティも用意されています。

ラウンド開始時に提示された候補の中からアップグレードを1つ選べます。
ユニット1つを強化するパーツ、1度取得すると数ラウンドごとに使用できる
強力な支援アビリティなどがあります。
両軍の陣地には2つの研究施設がありアップグレードを購入できます。
しかし戦闘時にここが破壊されると短時間、自軍の速度が大幅ダウンします。
制限付きですが敵の側面にも自軍のユニットを配置して、これを狙うことができます。

オートバトラーというジャンルはおそらくDota 2のModとして登場し一時大人気となったオートチェスの流れを汲むものかと思います。オートチェスの方はその後あまり話を聞くことはなくなってしまいましたが、バトラーの方は主に低価格帯でコンスタントに新作が出ているという印象ですね。その中でもこちらはグラフィックも充実したなかなかの有望株と言えます。元はセルフパブリッシングの予定だったはずですが当時からそこそこ期待を集めているタイトルで、その結果今年1月になってParadoxのインディーゲームレーベルであるParadox Arcが販売を担当することが発表されています。

ジャンル全体としてはF2Pで課金要素ありの作品も多いのですがこの作品については一応は買い切り、開発者の言葉を信じるのであれば勝敗を左右するような課金要素はなさげです。ただユニットのスキンとかの販売やそれらを含むバトルパス的なものの販売はあるかもしれません。

ゲーム開始前のメニューで見られるユニットビューア。外見や性能を確認できます。
以前は性能の微調整機能があったと思ったんですが削除されたのかも?
こちらは少し前のバージョンでとったスクリーンショットです。
今はHPになっているところが「馬力」(HP=Horse Powerと解釈した?)になってたりと
怪しい訳が目立ちました。
現在は修正済みですがまだ一部問題は残っています。

I Am Future: Cozy Apocalypse Survival

  • 5月19日発売 (2023年5月5日更新: 8月9日に延期)

  • 早期アクセス

  • ジャンル: サバイバル (アイソメトリック視点)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

主人公が目を覚ますとそこは高層ビルの屋上、街は水没しあたりには誰もおらずどうやら文明は崩壊してしまったらしい、さてどうするか…という設定から始まるサバイバルものです。場所が場所だけにあまり自由にあちこち探索を行うことはできず、またその行く手は大抵何らかの障害物に塞がれていてそれをどかすには探索可能エリアで特定のアイテムやそのレシピを見つけ、時に自らクラフトしなければならないと、どちらかというとサバイバルものというよりサバイバル、クラフト要素を含むアクションパズルに近いかもしれません。サバイバルものの諸要素としては農業、釣り、料理、クラフト、基地建設、防衛(?)といったものは用意されているようです。

正直、特徴だけを並べるとこれといった特徴はないゲームに見えますが雰囲気はよく、長時間、繰り返しのプレイを求めなければ、あとは値段がお手頃であれば悪くない選択肢かと思いました。手探りで初回プレイを進め、最後までクリアしたらそこで終了という印象ですね。自由度やボリューム、やりこみ要素を求めなければそれはそれでありかもしれません。

Inkbound

  • 5月23日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: アクション (ローグライト)

  • 日本語なし

スクリーンショット、トレイラーを見るとHadesみたいなローグライトアクションに見えるかもしれませんが実は違います。ランダムに生成された部屋をクリアして進んでいくという部分はその通りなのですが、戦闘がターン制です。自分のターンでは使用可能なポイントが決まっており、その範囲内で移動やアビリティ使用を行います。その間敵は動きません。ポイントを使い切ってターン終了すると今度は敵が動いて攻撃してきますが、その間もプレイヤーは回避行動は取れません。あらかじめ攻撃予告が出るので、攻撃しながらも危険地帯から逃げることで敵の攻撃を回避するわけですね。

このゲームの開発元Shiny ShoeはSlay the Spire風のデッキ構築ゲームのMonster Trainの開発元でもあります。なのでローグライトアクションよりもデッキ構築型ゲームにアクションゲーム風の操作を合わせたという方が近いのかもしれません。その点を把握せずに購入すると思ったゲームと違って評価以前の問題となるかもしれないのでご留意ください。

Monster Trainは国内ではあまり知名度がありませんが世界的にはかなり高い評価を受けており、Slay the Spire以降では最高のデッキ構築型ゲームという声もあります。その意味ではなかなか期待できそうではありますがベータ版を触った限りではどこまで移動したら1ポイント消費なのかがわからなかったりと、オリジナル性のあるゲームにしたのはいいがそれ故に出来たわかりづらい部分へのフォローが不十分、それにより思ったような立ち回りができずダメージを受けたりやられたりしてストレスになるとも感じました。まあこのあたりは単にまだ慣れていないだけかもしれません。

あとCoopに対応していて、最初に最大4人までのパーティを組んで冒険に出かけることができます。野良だと厳しいかもしれませんが知り合い同士であれば互いにシナジーのあるビルドを作って楽しむこともできそうです。

Warhammer 40,000: Boltgun

  • 5月24日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: FPS (ブーマーシューター)

  • 日本語なし

ブーマーシューターというのはFPSの発展期である90年代の作品風の、レトロ調の作りなFPSのことです。名前の由来はベビーブーム世代が青年期を迎えた頃に出て当時彼らがハマったから、らしいのですがアメリカのベビーブームは50~64年あたりで、その世代は90年代には既に3、40代ということになりますからこの説の通りだと適切な名前なのだろうかという気もしなくもありません。

ぶっちゃけブーマーシューターというのはシステム面とかでの大掛かりなゲームごとの特徴はあまりないです。要は大量に登場し襲いかかってくる敵をガンガン撃ち倒していく爽快感第一のゲームですし。たまに固有のギミックがあってそれを使わないと大暴れはできない、みたいな作品も見かけますがその結果爽快感は損なわれて、食い合わせはあまり良くないと思います。

設定としては卓上ゲームのWarhammer 40,000の世界を舞台に人類の守護者、遺伝子改変で生み出された超戦士であるスペースマリーンとしてタイトルともなっているボルトガンなど原作お馴染みの武器を使い宿敵であるケイオスマリーン、ケイオスディーモンなどと戦っていくゲームですね。

最後に一点、価格について注意していただきたいことがあります。このゲームのパブリッシャーはフランスのFocus Home Interactiveですが、ここはゲームを販売する際日本に対しては日本語の有無や元の価格帯などは関係なく為替レートやSteamの参考価格を元にしてさらに+1000円、という価格設定をすることが多いです。そのためこのゲームは日本からだと3300円とそこそこの値段ですが、元の価格は$20です。コンテンツ量と価格は必ずしも一致するわけではありませんが、元は$20、2300円のゲームであるということには留意しておいた方がいいと思います。

Above Snakes

  • 5月25日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: サバイバル (アイソメトリック視点)

  • 日本語なし

アメリカの西部開拓時代が舞台のサバイバルものです。しかしオカルト要素も含まれているようで、詳しくは忘れましたが隕石だか疫病だかで人々がゾンビみたいな化け物に変わってしまい、その脅威に晒されつつ生き延びていくという設定のようです。

このゲームの最大の特徴はマップの構成です。全体マップはいくつかのタイルが組み合わさって作られており、最初は開始地点のタイル1個の中でしか動き回れません。そして周辺のタイルは探索して明らかにしていくのではなく作業台で草原や森といったマップタイルをクラフトしてくっつけていくことで行動範囲が広がっていくのです。ただなんでもかんでもくっつけられるわけではなく多少の制限があります。例えば草原タイルの隣にいきなり森林タイルを置くことはできず、間にまず草原/森林という中間タイルを置く必要があります。また各タイルは縦横につながっていくわけですから、中盤からはこの面は適合するが別の面で既存タイルとあわない、といった制限も出てきて複雑になってくる可能性があります。

このゲームはストーリーが用意されておりクエストを達成していくことで話が進みます。面白いのはそれらクエストで行く必要がある地点も場所は固定ではなく、タイルをクラフトして配置することで行けるようになります。例えば「池に鍵を落としてしまったんだ」というNPCがいたら、専用の池タイルをクラフトして既存のタイルの隣に置けばそこが目的地になります。

マップの構築は面白いですがその他の要素は特に珍しいものや複雑さはなく、3つ前に紹介したI Am Futureと同様、これもおそらく長時間、繰り返し遊べるといタイプではなく1回最後までプレイして終わりといった印象を受けました。ストーリーもあるゲームなのでしっかり楽しむには文章を読む必要があり、それなのに日本語がないのも障害となりうる点ですね。

Railway Empire 2

  • 5月26日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (鉄道会社経営)

  • 日本語あり

19世紀はじめの北米とヨーロッパでまた発展途上の鉄道を使って街と街、農園などの資源生産地を結びつけて金を稼ぎ、発展させていくゲームですね。前作は2018年1月に発売されています。

各街はその発展段階に応じて数種の物資の需要があります。一応馬車である程度運ばれていたりもするのですが街の発展には不十分で、それを成し遂げるには線路で繋ぎ、列車を走らせて必要な物資を運び込む必要があります。それにより人口が増加し、街は発展して新たな物資の需要が生まれたり工場を建てて物資をより高度な製品に加工して別の街に売ったりということが可能になります。そのほかの要素としては技術研究、買収や妨害活動を含むライバル企業との競争などもできます。

とりあえずトレイラーを見る限りだと前作の発展形という感じで特に目を引く新要素はありませんでした。というかこのジャンル自体が結構前に完成されてしまっていて、あとは操作の便利さなどプレイしやすさやボリューム以外にあまり付け足せるものがないんですよね。それに加えて開発元のGaming Mindsは悪く言えば似たようなゲームをずっと作り続けているメーカーでもあります。さすがにシリーズが異なると内容も変わってきますがPort Royale、Patricianシリーズを複数プレイしてきた方であれば多分似たような印象を持たれているのではないでしょうか。

余談ですが前作のRailway Empireはパブリッシャーのカリプソが本格的に日本進出してきたきっかけの1つともなった作品でもあります。Railway Emprieとその前のGrand Agse: Medieval(この2つもともにGaming Mindsの作品であり内容に共通点が多かった)もパブリッシャーはカリプソでしたが日本語版はアサクリなどでお馴染みUBISOFTが制作、販売していました。その2作品の日本語化が全体的に質が良いうえに吹き替えにも対応しているという驚きの充実っぷりでした。その作品でカリプソの代表の人とUBI側で担当した人に繋がりができて(その前から顔見知り程度ではあったそうですが)、カリプソの日本法人に抜擢されたという経緯らしいです。なのでTropicoシリーズやその他カリプソのゲームが日本語に対応するようになったのも実はRailway Empireとかのおかげ、という面もあったりします。ただしTropicoの日本語化については元々スクエニが家庭用ゲーム機向けに行っていてそれをPC版でも利用できるようにしたということなので、カリプソ日本法人の代表の人は直接は関わっていないと思います(実は中の人は一緒だったとかはあるかも)。

しかしストアページにあるスクリーンショットが、一応は実際に動作しているゲームから取られているもののUIを含んでおらず、ゲームの内容が想起できないものばかりですね…。

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