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水族館にうってつけの日 【詩】

誰が何と言おうと
水族館へ行くのは雨の日に限る
梅雨ならなおいい
少し後ろめたくなくなるから
それに昔を思い出すから
ずっとずっと昔を

私が私じゃなくて
君も君じゃなくて
ヒトがヒトじゃなかった頃を

あの頃は 
今ほど雨音は聞こえなかったけれど
もっと自由だった
小さかったけれど
からだ全部で世界を泳いでいた
たとえ巨大な口に
飲みこまれる運命にあったとしても

今すっかり大きくなって
耳は雨音を聞くためにある
それからクラゲのおしゃべりも
雨の日は水族館にうってつけの日

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