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映画「散歩時間〜その日を待ちながら〜」音楽(茂野)

12月9日公開、映画「散歩時間〜その日を待ちながら〜」主題歌「ひとりあそび」について、作詞を担当した草間小鳥子の前回の記事に続き、今回は私茂野がさらに詳しく書いてみます。

この作品の監督は戸田彬弘氏。初めて私が戸田監督作の音楽を担当したのが2016年制作の映画「名前」(公開2018年)でした。演劇の演出家でもある戸田氏は2017年、舞台演劇作品「THE VOICE」を東京芸術劇場シアターウエストで上演します。私が音楽を担当した2作目になります。そして、この「THE VOICE」に妄想女役で出演していた俳優が熊谷弥香でした。

Poetic Mica Dropsは、戸田彬弘氏の作品参加をきっかけに生まれたユニットだったのです。

THE VOICE オープニング
THE VOICE 妄想女

今回、私は「散歩時間」の音楽全体を担当していますが、この作品には劇伴音楽(背景音楽)ともう一つ主題歌があり、その作詞を私から詩人草間小鳥子に依頼しました。上がってきたのが「ひとりあそび」。前半の歌詞はこうなっています。
 
ゆらゆら かげぼうし ひとつ
おわらない かくれんぼ もう いいかい
いいよ
まちがい さがし
さかさま あっち こっち
どこに いるの
こわれた 時計 うたう tick tack tick tack

この前半の歌詞は、初稿では間奏明けの後半にあったのですが、コロナ禍における不安、その先の希望などが上手く表現されていて、人の心にさりげなく刺ささりやすいと感じたので、順序を入れ替えて前半にもってきたりして曲全体を仕上げていきました。
「ゆらゆら」から始まる言葉が耳に残ります。
「おわらない かくれんぼ もう いいかい いいよ」
ここが比喩的に当時の社会状況と人の心の中を描いています。
歌は旧知の歌手リリィ ミンツ(SSMP)さんに歌っていただきました。可愛さと不思議感のある声が印象的です。

映画「散歩時間〜その日を待ちながら〜」は、新型コロナウイルス感染拡大により漠然とした不安が漂う2020年11月、しし座流星群ピークの夜、住む場所も世代も職業も異なる人々が同じ時間に同じ空を見つめる共有体験を描きながら、人の繋がり、想い合う気持ち、明日へ向かってゆっくり前へ歩きはじめる姿を映す群像劇です。
詳しい内容、劇場情報などは公式サイトをご覧ください!
https://sanpojikan.com/
 
この主題歌「ひとりあそび」を含むアルバム「散歩時間 オリジナル サウンドトラック」が12月9日、映画公開と同時に配信リリースされます。Spotify、Apple Music、iTunesなど、主要な配信サービスには全て入りますので、「散歩時間」「茂野雅道」などで検索して見つけてください。みなさんのプレイリストに加えていただけるとうれしいです。

本当はPoetic Mica Dropsのポエトリー・リーディング作品を映画の挿入歌、主題歌にしてみたい、採用してもらいたいという思いがあります。ただ、歌と違い、詩の朗読は映画のセリフと近い聴こえ方になるため、なかなか実現できずにいます。
それならばと、Poetic Mica Dropsの作品自体で映画を作ってみようという企画が実はあるのです。少しずつ動き始めています。実現できそうになってきたときには改めてここでお知らせいたします。そのときをご期待お待ちください!
茂野雅道

「ひとりあそび」後半部分です。前半から続けて聴いてみてください。

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