『わたしの知らない人』
わたしの知らない人よ
あなたもわたしを知らないままに
今日を過ごしたのだろうか
わたしは
あなたを知らないままに
今日まで平気で生きてきた
あなたも同じように
平気で生きてきたのか
まあるい地球を
ただぐるぐると歩き回るだけの
私たちは
なぜ今日も出会わないのだろう
わたしの知らない人よ
あなたも
そんな事をふと考えて
なかなか寝付けない夜があるのだろうか
朝の通勤
帰りの雑踏
日曜の晴れた朝に
わたしは
わたしの知らない人を
世界の端のそのまた向こうに探している
わたしの知らない人よ
もしかしたら
わたしたちは今頃
肩を組んで大いに
笑い合っているかもしれないんだ
でも なんて事だろう
今はただ
あなたの知らないわたしだけが
ここにいる
☆☆☆あとがき☆☆☆
この”わたしの知らない人”は私の大切なテーマです。以前に同じテーマで、”まだ見ぬ友達”みたいな詩を書いたんだけれど、今回の方がうまくいった気がする。だけど、やっぱり何かが足りないような。この詩、誰かに伝わるか?