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谷川俊太郎さんがポエトリーリーディングでもすごかった話

2024年12月19日深夜、NHK『あの日 あのとき あの番組~NHKアーカイブス~』として「詩のボクシング 谷川俊太郎さんをしのんで」という番組がオンエアされます。

1998年放送の「詩のボクシング 鳴り渡れ言葉 一億三千万の胸の奥に」という番組を、作家・高橋源一郎さんの解説で紹介するというものなのですが。

先日TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」にゲスト出演した際もお話ししましたが、「谷川俊太郎さんはポエトリーリーディングでもすごかった!」エピソードの代表格が、まさにこの「詩のボクシング」でのステージ。日本ポエトリーリーディング史のなかでも貴重な記録映像です。

詩やポエトリーリーディングに少しでも興味があるなら必見。いや、興味なくても観たらがぜん興味わくはず! 

そもそも「詩のボクシング」はご存知でしょうか。1997年に音声詩人・映像作家の楠かつのりさんが日本朗読ボクシング協会を設立してスタートした、日本のポエトリースラム(詩の朗読競技)のさきがけです。のちに一般参加によるトーナメント方式の大会で全国に広まりましたが、当初はマッチメイク方式でした。

その初代チャンピオンが詩人・小説家のねじめ正一さん。そこにチャレンジャーとして谷川俊太郎さんが挑んだのが、今回リバイバル放送される1998年10月10日の第2回「世界ライト級王座決定戦」というわけです。

詩のボクシングはその名のとおり、ボクシングのリングに見立てた舞台で、ふたりの詩人が交互に朗読をします。しかも10ラウンド制。その最終ラウンドは即興対決となっていて、双方にお題が出されることになっていました。

9ラウンドまでの言葉の応酬も面白いのですが、なにより驚くのは10ラウンド。即興でスラスラ言葉が出てくること自体すごいですが、詩の内容が「ポエトリーリーディングとは、声の表現とは」という本質を射抜くような見事さ。まず出だしから…いやいや、この先はオンエアで確かめてください。圧巻です。

1998年といえばアメリカで映画『SLAM』が公開され、日本ではJ-WAVE「ポエトリーカフェ」などの影響で詩のオープンマイクイベントが少しずつ増えてきたころ。現在につながるポエトリーリーディング/ポエトリースラムの黎明期なわけですが、そのタイミングでこんなミラクルパンチを放っていた谷川さん。あらためて敬服します。みなさん、必見ですよ!


と、いうところで便乗して告知をひとつ。
谷川俊太郎さんの詩についておしゃべりする会を開きます。

詩をめぐる対話カフェ⑥ 谷川俊太郎編
案内人:村田活彦
2025年1月26日(日)  14:00~16:00
場所:東京 西荻窪・今野書店地下
参加費:1,500円

詩をめぐる対話カフェ(通称・詩カフェ)は、詩を読んで感じたこと、考えたことを話してみよう...という会。話がまとまっていなくても、途中で変わっちゃっても、聞いているだけでもOKです。

谷川さんがのこした本当にたくさんの言葉について、話したい方はいっぱいいらっしゃると思います。ぜひ一緒におしゃべりしましょう。

ご予約はPeatixからどうぞ↓


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