note6 ラジオについて
詩人として、いろいろな活動をしてきました。基本は詩をつくり、ポエトリー・リーディングをするというものですが、中には「えっ、ここで?」というところや、「これ、ぼくでイイの?」というものまで、いろいろなものがありました。
その中でも、自分が好きで続けてきて、自分で終わらせたものがあります。それはラジオ番組です。ぼくが活動を始めた90年代後半は、コミュニティエフエムが各地に出来始め、所謂キー局ではないラジオ局が自分たちで番組をつくり、放送を始めた時でした。子どもの頃はラジオから流れてくる音楽を必死に覚えて、レコードを買っていました。また、深夜番組などはテープに録音して、友人と貸し借りをしながら、聴いていました。なので、自分がラジオに出演できるとなった時は、とてもうれしかったです。ある番組の中で詩を読む機会があり、それを聴いてくれた局の方から、自分の番組を持ってみないか、と言われた時はとんでもないことになったと興奮したものです。
仙台も各エリア(各区)にコミュニティ局ができ、そのすべてに出て、一時期は3局でレギュラー番組を持っていました。生放送の帯番組までやっていた時期もあり、あの時はイベントのリハでマイクチェックをしていると「その声は武田さんですよね。ラジオを聴いています」と声をかけられたくらいです。顔バレではなく、声バレですね。なんか、有名になったような気がして、うれしかったなぁ。(勘違い💦)
でも、いつの間にか、ネットで音楽を探すことが当たり前になり、地域に根差した番組というのも珍しくなくなり、スポンサーも離れ、リスナーというのもどこにいるのかわからなくなってしまいました。もちろん、いまでも人気がある番組はあるし、活躍しているパーソナリティもいます。だけど、ぼくは自分の番組をつくることに熱がなくなってしまいました。それでも、昨今のポッドキャストの面白さにハマったりして、自分の番組でもできないか、と再び気合を入れたりもしたのですが、やっぱりダメで、ついにやめてしまいました。気がつけば、最初にラジオに出てから、20年も経っていました。
最後の番組は『手紙』という番組でした。