なんにもしたくない病
たまに“なんにもしたくない病”になる。昨日までやる気、気力に満ちていたとしても、昨日神社へ行ってすっかり浄化された気分でいたとしても、その翌日、突然発症する。
この病の原因は特定できない。きっといろんなことが重なり合っている。
仕事のストレス、これから世の中はどうなるのかといった不安、やりたいことができない不自由さ。
おまけに、最近、マンションの上の階からの騒音が気になり、管理会社へ相談したら「上の階の人、ここ1か月住んでいないみたいですよ」と言われた。無人の部屋から音がするなんて怖すぎる。そんな謎の騒音で夜中や早朝に目が覚めて寝不足。ストレス発散するために、夜遅くまで動画見たり過食したり。
ひとつひとつは些細なことでも、積み重なると心の中にゴミがたまって負荷がかかる。これ以上ためこまないように、省エネモードになるのだと思う。
な~んにもしたくない。
いつもは大好きなことさえ面倒。
いつもは丁寧にやることもやらない。
食欲だけはわく。自分のご機嫌をとるかのように、高級スーパーで買い出ししてプチ贅沢ランチ。これが功を奏したようだ。散歩する気力は戻った。
公園や神社に咲く花がきれいで写真撮った。ちょっと心が動いた瞬間。
夕方、空をずっと眺めていた。いつもなら感動、感謝、表現したいことがあふれるのに、なにも心に浮かんでこなかった。なにも考えられなかった。
でも、これでいいんだ。
なにも考えないことがあったって。
なにもしたくない時があったって。
無理に楽しいことを探そうとしなくたって。
食べすぎたあとと同じ。なにも受け入れないことで、すでに入っているものを消化していく時間が必要なんだ。
この病の治療法はなにもしないこと。
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