はにかまなくてもよいのなら
昼食にひとり、サブウェイに入る。
「アボカドベジー」という野菜だけで構成されたサンドイッチを頼み、出来上がったそれが載せられたトレーを受けとって、席へつく。
サブウェイのサンドイッチは、細長いパンの片側に切り込みを入れ、そこに具材をはさんでゆくスタイルだ。
パンの片側が、ぎりぎりつながっているあの形。
トレーの上で、そのパンはがばりと口を開いてこちらを見ている。
あふれんばかりの野菜を、その上に載せられて。
そう、あふれんばかりの……って、ちょっと待った。
野菜、多すぎやしませんか。
紙おしぼりのビニール袋を破こうとした姿勢のまま、思わず動きをとめて、わたしの「アボカドベジー」を凝視する。じっ。
……やっぱり、多い。
どう見ても、あふれんばかり。というか、あふれている。
その量を見てわたしはむしろ、そういえば今日は店員さんに「野菜多めで」と伝えそびれたという事実に気づかされた。
いつもは「野菜多めでお願いします……」とか、なんなら「多めだとうれしいです……(ニコッ)」とちょっと控えめを装って言ってみたりするのに、今日はぼうっとしてすっかり忘れていたのだ。
それなのに、いったいこの量はなんだろう。
過去最高じゃないか?
腑に落ちない気持ちを抱えながら、わたしは紙おしぼりのビニール袋をぴりぴりと破く。
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