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🎞️⌇ファーストキス -1ST KISS-
お久しぶりです。ぽこぽです。
2025年2月7日に公開された「ファーストキス -1ST KISS- 」がとても素敵だったので、余韻の心地よさのままに感想を書き残しておこうと、2ヶ月ぶりに更新をしております。
脚本: 坂元裕二 × 監督: 塚原あゆ子 というのも話題になりましたし、松たか子 × 松村北斗 ということでも話題になっているこの映画。始まる前からなんだか好きなテイストの予感がしていて、それはもう早くこの世界に触れたいと思っていました。
あらすじ >>
結婚して15年目になる夫・駈(松村北斗)を事故で亡くした硯カンナ(松たか子)。一人残された彼女が新たな人生を歩み出そうとしていた矢先、タイムトラベルのすべを手に入れたことから、戻った過去で若き日の駈と再会する。生前の駈とは長らく倦怠(けんたい)期で不仲だったものの、あらためて彼への思いを再確認し、ほれ直したカンナは、15年後に事故死する駈を救おうとする。
感想 >>
わたしの感じたカンナの印象は、パワフルだけど実は繊細な部分を持ち合わせた人。きっととても駈のことを想っている人。駈の印象は、相手のことを素直に純粋に想える人。言葉をごまかさず受け取れる人。ふにゃっとした雰囲気の中に真っ直ぐな思いを持ち続けている人。最初の不仲な時のふたりも、お互いどこか言いたいことを言えないようなそんなもどかしさが垣間見えていて、だからこそ駈に会えなくなってからのカンナは毎日を慌ただしく埋めながら過ごしているような感じがしてた。そんな中、タイムリープで15年前の駈に会えたカンナ。殴ってやろう、という気持ちで行った2回目の2人の空気がわたしはなんだかとても好きでした。駈のなにも知らないままに、カンナに惹かれていく様子がすごく好きだった。言葉を選ばずに言えば、地味な部類に入るタイプの駈なんだけど、それでも好きなことを話す彼の目はキラキラしてて、カンナの話すことをなるほどぉって聞く駈が愛らしかった。
駈が生存する世界にするために奔走するカンナの姿が描かれていきますが、目的のためとは言いつつ駈とまた恋を育んでいるようなカンナがとってもキュートに見えてきて、くすっとするシーンもあったり…。わたしは、駈がカンナに対してドキドキした時の声の震わせ方と目を合わせられないあの感じがたまらなく好きでした。予告でも流れている「パン屋さんをー…」のところも好きだし、そのあとに出てくるカンナももう1回とお願いしたとある言葉も大好きでした。駈のカンナへの愛おしい気持ちが流れていく様子が目に見えるようで、それはそれは心が撃ち抜かれる場面がいくつもあって幸せでした。同じような気持ちを伝える種類で、1箇所とても心苦しくなるシーンがあるんですが、その駈の表情と声色が苦しいんだけどほんとに良くて。切り取っていったらキリがないほど心に留まるシーンがたくさんでした。
公開して間もないので内容にあまり触れないように詳しい部分はこの辺にして、観終わった感想を。
私たちは「ちゅん」という間の人生をいま過ごしていて、残念ながらこの映画のようにタイムリープすることはおそらく不可能な時代を生きている。何度も聞いたことだけれど、いまという時間は一度しかないわけで、それをどう過ごすかを改めて考えたくなった。結果を求めがちになるけど、やっぱり大切なのは中身で、どれだけ大切な人がそばに居ようと心が離れていたらきっと寂しい。お別れが仮に早く来てしまったとしても、一緒にいた時間が尊い濃い時間だったならば想うことはまた変わってくるのかもしれない。ひとりになった時の寂しさの濃淡はどちらが良いとは言えないけれど、やっぱり伝えることって大事なことだなって。そして、夫婦の物語ではあるものの「大切な人」はその枠に収まらずどんな人でもいいのだろうなとも。いま、結婚することが全てではないし、ここ数年のわたしは結婚の道を選択しなくてもいいかなと思っていた。だけど、この映画を観てたら、想う人・想える人がいることってなんかいいなって思えたりもした。
とても優しくて心地良くて、意地悪な人が目立って出てこない世界。選ばれる言葉がどれもユニークでふたりだから通じ合えるような部分もあるのが好きだった。タイムリープってファンタジーではあるけれど、まるで日常のひとつのような軽やかな感じも、わたしの中では好きポイントでした。
神様、どうか私たちが結ばれませんように。そんなキャッチフレーズがありながらも、わたしはこの2人が何度も恋に落ちて欲しいと心から願わずにいられませんでした。
読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
ぜひ皆さま、劇場で。
おしまい⸝⋆