🎞️⌇ACMA : GAME 最後の鍵
こんにちは、ぽこぽです。
やっとこさ「劇場版 ACMA : GAME 最後の鍵」を観に行けました。序盤はネタバレを極力せずに感想を連ねますが、お読みいただける方はご注意ください。(また、わたしは原作を読んでおらず、ドラマから楽しませてもらっています。なのでアクマゲームに対する実写化についての善し悪しについては、あまり把握できておりません。)
ドラマが終わり、特別版も地上波放送され、ついに映画!と順を追って楽しめたので、映画の内容にとてもスムーズに入り込めた気がします。
原作を知らないから余計に感じたのかもですが、最初は突飛な設定や少しファンタジーの交わる世界観に戸惑いがありました。でも、「欲望」「希望」「信念」みたいなずっしりとしたテーマに気づいてから、観る角度が変わったんですよね。ドラマのときはそういう内面の部分に物足りなさも途中から感じていたので、映画では各キャラクターの心情の部分が何度も観れたので良かったなぁと。
照朝は、the主人公なタイプと感じていて、1人で突き進んじゃうし、1人で解決しようとしちゃう。相手を守るために突き進むような印象があります。自己犠牲とは違くて、自分を含めた全員でプラスの方向を目指すような人かなって。そんなズンズン突き進む彼を、助け合いながら程よくサポートを続けるのが初くんと悠季。特に初くんは、照朝を信頼しているからこそ、彼に支えられるばかりじゃなくて支え合いたい、一緒に成し遂げたいって強く思っているんじゃないかなと思います。悠季は、2人に守られてるように見えるけど芯がしっかりあって意見を言える人。2人のことを分かっているから、自分は自分のできることを全うしようと頑張る人。そんな3人の心身ともに支え合う姿がたくさん観れたのも嬉しかったです。
この先は主に最終対決の部分だけの感想です。
初くんって、なよなよって程ではないけど、いつも照朝の影に隠れてしまってちょっぴり不憫な人な印象もあったんです。初くんの心はどう思っているんだろうってなる部分もありましたし。でも、この映画では本当にすごくて…すごいっていうのは大活躍!とかとも違うんですけど、初くんの照朝と悠季への気持ちの大きさを真っ直ぐに突きつけられたというか見せられました。最終ゲームの時に、初くんはとある覚悟を抱えて立ち上がるんですけど、その時の表情と言葉に、この2人が彼にとってどれだけ大切な相手なんだろうって、ここでも言葉に表しきれない彼らの絆を全身に浴びました。
「みんな、勝つことだけを考えろ。」
まさか、初くんからこんな言葉が放たれるとは。1番ドラマからの成長を感じたキャラクターでした。相手のために行動をするのは、照朝と同じなんだけど初くんはどちらかというと自己犠牲をしてまでも、相手を守っていく人だと思っています。でも多分本人は自己犠牲とは思っていないような…だからこそあんなに儚くて、納得したような、納得させたような表情が出来るのかもと思うと、今でも目頭が熱くなってきます。
そんな初くんからバトンを受け取った悠季もまた格好良かったんですよね。わたしの勝手な想像ですが、悠季のそばにずっといたのは初くんで、照朝は突然に姿を消した過去があって、だからこそそばに彼が戻ってきてからは「照朝くん、照朝くん」ってなっていたけど、やっぱり初くんあっての3人だってことに改めて強くその時に感じたんだろうなと思ったんです。そんな彼女が罪を背負うと決めて行った行為がまた苦しくて、でもそれしか手立てはなくて。あの時間は胸がぎゅっとなり続けました。
ゲームはなんとか照朝達に勝機が巡ってきましたが、ここで崩心(ほうしん)のもつ悪魔の能力 : ゲームの当事者の時間を巻き戻す を前にして、打つ手をなくしてしまう照朝達。照朝のもつ悪魔の能力 : 1分間の絶対固定 は、対象のものに触れることを条件に発動されるのですが、ここでも知性が光るというか考え方ひとつでこうも変わるのかという気づきに出会いました。ネタバレを避けつつ話すのはもう限界に近いほど、本当にシーンありきで観ていただきたいです。
とある情報が流されただけで、数秒前の世界とは変わってしまうような現代。映画のなかでも実際になにかが起こっていなくても、人間が惑わされ大混乱する様子が現れています。でも、これは映画のなかだけではなくて、本当にいま実際に起こっていることだと思っています。信じたくても、なにが真実で嘘なのかも曖昧になってしまう。自分の信じるものですら、他人からすれば「おかしい」と思われてしまうかもしれない。「正義論」を振りかざして、言った者勝ちな風潮が生まれている実際の世の中にリンクして怖くなりました。
だからこそ、立ち止まって考える。自分のなかで咀嚼してみる。誰かと実際に話してみる。そんな当たり前のように思っていたことを、思い直したほうがいいなって映画を観ながら考えていました。純粋にハラハラなゲームも楽しんでいたけれど、その奥側にあるものも大事なテーマだろうなぁなんて。ずっとハラハラしてると頭がフル稼働で疲れてしまうけど、程よいバランスで観進められて良かったです。わたしは観て良かったって思える作品でした。
以下、ネタバレありの心の声だだ漏れ感想文です。
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もろもろが片付いて、何も知らない人たちは歓喜に溢れるなか、悲しみから抜け出せない照朝と悠季。直に戦った人だからこそ、なにものにも代えられることのない命の重みとその罪の深さを背負い込んでしまってる姿がもう辛くて辛くてたまりませんでした。
そんな時に黒田妹から悠季にかかってきた電話。いつの間に番号交換してたのよ、って肩の力が抜けた時に舞い降りる黒田兄が戻ってきたという嬉しい知らせ。…てことは?…てことは?ともうウズウズが止まりません。初くんにとっての大切な場所って…と思い巡らせていると、
初くーーーーーん!(大号泣)
照朝の勢いある抱擁がもう、なんかもう…‼︎ ドラマの最初のときは、初くんのほうが照朝が大好きな印象があったけど、やっぱお互い大好きじゃん!ってなりました。そこから照れ臭そうな初くんの言葉がもうね、本当に嬉しそうで幸せそうでなによりすぎました。なんかもう誰よりもヒロインだったよね、初くん。悠季もぶつかる勢いでハグして、それを笑って受け止めて(この時は格好いい側の顔なんだよなぁ)いる姿に、心の底から安心しました。ゲームで初くんが決意を固めた時、目に溜まっていく水分があまりに切なくて、心が切り刻まれそうでした。でも2人のためにって気持ちだけであの場所に立っていた思うと、こうやってまた会えることの意味が何段階にも深みを増しました。だって本当の本当だったらこんな奇跡は願っても出来ないから。
照朝への気持ちももちろんいっぱいあって、演じている間宮くんの凄さもびしばしに感じています。特に外国語での演技は、インタビューでも話されていたみたいに、ちゃんと心をのせた会話になっているのを感じました。イントネーションって母国語ですら難しいと感じるから、相当に大変だったんだろうなぁ。個人的には崩心に負けた時のあの表情がすごいと感じていて、なにも読めない顔というか、なにが起こったか照朝自身も把握できていないあの顔。どうなっちゃうんだろうと心配したけど、眠りから覚めても塞ぎ込まずにまた前に進もうとするその信念の強さが、間宮くんそのものの熱そうな心に通じた気がしました。照朝に惚れる紫の気持ちもすごくわかる。でも、わたしは照朝には悠季とずっといて欲しい。
この世界線では照朝達がヒーローのようなポジションで世界を救ってくれた。誰に言うわけでもなく、密やかに知られないまま48時間のリミットを外してくれた。それを観ていた時にふいに、「すずめの戸締まり」の草太さんの 「大事な仕事は、人からは見えない方がいいんだ」って言葉を思い出しました。照朝達も、自分たちだけでなくて世界中の人たちの命を背負ってくれた。責任も罪もプラスだけじゃないものを背負うってとんでもない重さだと思う。それを自分たちだけで終わらせる、なんて格好いい人達なんだろうと思いました。
3人で新しい旅、ながーく楽しく続けてくれることをひっそりと願っているよって心の中で唱えました。