『less is more: 少なく豊かに』 てくてく通信+🎈 #33
こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。
Less is more
寒さもたけなわです。仙台では雪が降りました。今年は雪が少ないですが、それでもしばれ(かじかむ、凍え寒いの意の仙台弁です)ますね。
今日は価値観のお話。
先日、英会話をしていて、生徒さんのお一人で高橋広さんが、”Less is more”という言葉を教えてくださいました。その方はインソールを作る仕事をされているのですが、少ない筋肉の動きで、より効果的な動きが出ることを例えて、less is moreとおっしゃいました。
この言葉は、もともとは、建築の言葉です。ミース・ファン・デル・ローエという人が提唱しました。ファン・デル・ローエについて詳しくはこちら。
そのless is more の代表作品はこちら。
簡単に訳すと「より少ないことはより豊か」という意味です。
ちょっと話は飛びますが、お正月にこんまり(近藤麻理恵さん)さんがアメリカのネット番組で、アメリカの家庭を片づける番組をしていました。深く眠りながらそれを見ていたのですが、物持ちのアメリカ人がこんまりさんの哲学である「ときめくものを持つ」というプロセスを経て、たくさんの何を持っているかわからない状態から、ある一定のわかったものを大事に責任をもって持つという状態に変化していく過程を収めた番組でした。それは、思い出の物を大事にする過程や、家族の役割や絆を再確認する作業、故人の思い出をどうやって整理して持つかということを考えること、そして、そもそもどうして自分たちが家族なのかということを思い出す作業でもありました。
物が少なくなるにつれ、家族の絆が深まるその過程はとても感慨深いものでした。これぞ、less is moreの一つの形です。
これは、私が考える幸せの形の一つでもあります。私は、たくさんのものを持つことよりも、持ちたいものを大事に一生かけて持つことに興味があります。だから、100均で買った糸で帽子をたくさん編むより、ひとつひとつ手染めのいい糸で一生着られるスカートを時間をかけて作りたいです。作っている時間も至福だし、着ているのも、持っているのも、手入れをするのも楽しいです。例えば、それが、私にとって私を大事にするという哲学の実践です。
ミニマリストまで行かなくても、例えば、17歳の時にできたように、スーツケースひとつで1年間暮らすこともできます。今でも、少なくとも3週間は暮らせます。その中のきちんと選ばれた靴は、足が痛くなることもなく、歩けば歩くほど、身体の調子が良くなるように調整されています。服は、組み合わせで20通り以上の種類を描くことができるし、その組み合わせで、その日の私の気分を表すことができます。そこに借り物や、貰い物を足せば、バリエーションは豊かに広がります。借りるということは他人とかかわるということです。それだって面白いです。
最小限の必要な人や物を、最大限に生かして生活する。働く、暮らす、食べる、使う。資本主義は、たくさんのものを短い時間持って、消費することを考えてデザインされています。でも、less is moreの考え方は逆です。シンプルに必要なものを豊かに使うことをless is moreは表しています。クッションがたくさんはいったスニーカーを履くより、よりシンプルで足の機能が活かされる靴やサンダルを選ぶこともless is moreです(このことは先述の高橋広さんが専門です。彼はオーダーインソールを作り、裸足で走る理学療法士さんです)。わびさび文化の茶道の世界も、どれだけマイナスにできるかというところから始まります。例えば、花一輪を花瓶ひとつに。これも、less is more。シンプルな構造の家を自由自在に使って暮らす、例えば、コルビュジェの「小さな家」もそれに当てはまります。
小さな家の設計図
私の小さな夢は、今住んでいる街に小さな家を持つことです。土地が結構なお値段の場所なので、夢は夢にすぎないかもしれませんが、そこで、いろんな家を持つことを想像したのですが(想像するのは無料です)、結局は小さな機能的な家がいいなと思うようになりました。実現するかどうかは10年後のお楽しみです。そんな風にless is moreは私にとってとても親しみのある哲学です。少なく食べて、効率よく体を動かすとか、効率よく集中して英語を学んで、最大限の効果を発揮するとか、3日だけ集中して働くけど、最大限の効果を出し、残りの日を楽しむとか、less is moreはいろんなことに適応できます。
たくさんあることは豊かです。でも、もしそれが、もっと少なくても、より豊かになるとしたら、それは素敵なことではありませんか?これから、人々の労働日数はおそらく減っていきます。人生をより豊かに楽しめることが人々の暮らしの中に顔を出してきます。そんな時、たくさん持つことだけではなく、少なく持つけれども豊かに使うことを選択肢として持っていたら、その工夫ができるようになったら、ちょっと豊かな世界に触れられるのではないかと皆さんも思いませんか?
余談ですが、私は起業する前に、こんまりメソッドを実践して、家じゅうを片づけました。何が私にとって大事か知りたかったのです。何を持ちたいか知りたかったのです。それは、その後とても大きな効果を表しました。原点として、どこに戻りたいかがはっきりわかるようになったからです。いまでも、半日あれば、私はどこへでも引っ越せます。家の中を片づけることは、何か大きなことをやりたいときに脳の空きメモリの容量を増やす意味で、とても有効です。皆さんもぜひどうぞ。
ちょっとしたおすすめ
Merriam Websterというのは、
アメリカの辞書の名前なのですが、特に読みやすいです。
その入門者用のツイッターが毎日一語英語の解説とともに、ツイートされています。
これはとっても便利です。
そして、いい解説です。
ツイッター
https://twitter.com/mwforlearners
入門者用辞書
編集後記
寒いですね。記事を書き終えてから、高橋さんに連絡をしたら、インソール業のための名刺を作ったそうで、屋号にless is moreが入っていました。なんと!おめでとうございます。この概念は私よりも高橋さんにとってはもっと大事な概念のようです。Oneの周りには開業している方がたくさんいらっしゃいます。皆さん特徴的な方です。マニアが集まってきます。でもみんな大事なものを大事にしたいという共通項を持っています。Oneはそういう方たちの架け橋にもなれたらいいなと思います。
(初出:2019.1.26)
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