『ストレスの閾値』 てくてく通信+🎈 #64
こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。
閾値
五月晴れのゴールデンウィークがやってきました。どこへ行かないにしても、晴れ晴れとした空を感じるのは楽しいものです。皆さんたくさんつかれていると思います。ゆっくり休んでください。
ここ1カ月、新しいオンライン環境にすることや、創造するワーホリ・留学の事業をいったん止めて、事業の方向転換をすることで、とてもてんやわんやでした。今、個人事業主の方はそういう人が多いのではないかなと思います。
なんとなくで生きていた世界が、より明確な輪郭を持ち始めました。その中でどう生きていくか、鋭く問われているように思います。生徒さんの中にも自分の人生を考え直し、改めて、今、英会話は必要ないと考えた方もいらっしゃいます。それも当然のことなので、いいことだと思います。そんな変化の時、私のもとに訪れたひとつのエピソードのお話。
こんな風に、世界が判らないことだらけになると、人々は不安になります。家族の長や、社会の長がそれを収められる実力を持っていればいいですが、そうとは必ずしも限りません。自分が自分の不安を受け止められればもっといいですが、そうとも限りません。そういうとき、誰ものストレスの閾値(いきち)がとっても下がっています。
閾値ってなあに?と思った人もいるかもしれません。閾値とは、例えば、ストレスが溜まって、それが反応として行動に出るときの境目の値を閾値と言います。普段から閾値が高い人もいるし、こういう状況になると、反応が出やすくなって、閾値が低くなる場合も多いと思います。
ずっと家にいる生活。しかも家族が全員家にいる。というような状況が続くと、家族全員の閾値が下がります。そうするとどうなるとかいうと、簡単にけんかが起きてしまいます。いつもなら、やり過ごせる場面のイライラが、双方の閾値が下がっているために、「あ、気に障る!」となって、ついつい口に出してしまって、言い争いが起きるというようなことです。
相手のダメなところがより大きく見える瞬間でもあります。だからといって、それを掘り下げても、あまり成果のあるものは生まれてきません。起きてしまうけんかは小さく些細なことが多いと思います。普段の欠点がより大きくなって、お互いの違いがよりはっきり表れるので、すり合わせをすることが困難になるのです。ああ、そういうことがあった!と身に覚えがある人は多いのではないでしょうか。
現実的な距離は、心理的な距離、心の中の距離と実によくつながっています。だから、そばにいる人はついつい近くの人として考えやすいのです。そして、甘えも出やすいです。それぞれが、言い争いになったとき、他の場所へ逃げて、気分転換して帰ってこられる場合は、良かったのですが、今、子供たちは家と公園以外に行く場所がありません。なかなか気分転換しにくい状態です。そういうときは、子供の閾値も、自分の閾値も下がっているんだなと思って対応するといいです。いつもより、我慢が利かない状態です。
私も仕事でそんな場面に遭遇しました。いつもならやり過ごせるパートナーの起こしやすいミスが、今回はその人の閾値が下がっていて、とても大きな失敗になってしまい、大事には至らなかったのですが、私の閾値も下がっていて、とてもイライラして、そのやり方よくないよ!と言ってしまいました。それをみて、相手も、でもどうにもできないんだ。と反応。じゃぁ、この事業辞めようかというところまで行きました。でも、一回立ち返って、これはもしかしたら、お互いの閾値が下がっているから起きていることかもしれない。考えてみようよ。ということになりました。
そういう会話ができるといいけれども、もう修復が利かないところまで、関係が断裂してしまうと大変です。今の時期、誰の閾値も下がっています。本当にとっても寛容になっていないと、なかなか、通常の交流を続けることがむつかしいのではないかなと思います。言い換えると、誰もが、いつもより大きな失敗をしやすいし、イライラしやすいということです。
そんな中で、サービスを提供する人たちは、私を含めて、お地蔵様のように、微動たりともしないかのように、ふるまうのが仕事です。大変なことだなと思います。私がサービスを受ける側としても、差し出す側としても、どちらも大変なことだなと思うのです。でも、そうやって、日常に、少しずつ杭を打っていかないと、この混乱した社会はもっと混乱した社会になってしまって、みんなであわてて全部の事業やアイディアがなくなってしまったり、平穏な社会の社会としての機能がきちんと働かなくなってしまいます。なんとかかんとかして、この新しい状況にみんながそれぞれの役割を見つけながら、互いに支えあっています。この状況を乗り越えたら、新たな地平が見えると思います。ちょっと大変ですが、いつもより10倍くらい寛容になって、この閾値の低い時期を乗り越えられるといいなと思います。
今は、終わりが見えないこの状態ですが、冷静に考えるといつかは終わりが来ることがわかります。人生の中で、経験したことのない、ちょっとしたホラー映画みたいな状況。ホラー映画が終わるのは映画が終わった時ですが、今回のウィルス騒動は、ワクチンができるか、集団免疫を得られれば終わります。ちょっと長い1年から2年の時間。いつもと違う状態を上手に乗り切っていく術をみんなで作り出していきたいと思います。閾値が下がっていたら、それがだんだん上がってくる状態まで、何とかやり過ごしながら、待てるといいです。
たぶん、一番つらいのは今だと思います。今から、少しずつ状況に慣れて行って、段階的に自粛が解かれて行って、ある平穏を見出せるようになるのではないかなと思っています。そんなに簡単にはいかないかもしれませんが、オンライン生活も、それなりにいいところがあります。みんなでそれを発見していけるといいなと思います。いろいろ我慢しなくてはいけなくて、つらいと思いますが、少しずつ抜け道を見つけ出して、みなさんが心地よく過ごせますように願っています。
ちょっとしたおすすめ
お花
家にいる時間が長くなりました。
家の中に生き物がいると、
ちょっと雰囲気が変わります。
切り花でも、
プランターでもいいです。
お花のある生活をしてみませんか?
人間以外の生き物が生活に加わると、
部屋の中の空気の流れが変わります。
ちょっと息がしやすいように思います。
私は先日トマトの苗を買いました。
無性に何か育てたかったのですね。
庭の隅に植えようと思っています。
みなさんも、何か生き物を生活にいかがですか?
編集後記
生活の様々なところで工夫が始まっています。優先順位も変わりました。何より、家族の安全確保すること、従業員の安全を確保することが、生産性よりも大事になりました。いいことだと思います。長い変化の季節を迎えています。さなぎのように閉じこもりながらも、新しい変化に備えて、いろんなことを考えています。皆さんも、この危機を乗り越えた後、何ができるか考えながら、今を過ごすことは悪くないと思います。
(初出:2020.5.2)
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