『いっかいやすみ』のこと (村上式部)
式部です。
劇団のサブコンテンツを増やそうということで、エッセイを書くことになりました。書くなら、『いっかいやすみ』の前段的な話にしようかなと。
いつも公演前はバタバタで記事を書こうにも時間がなかなか取れないのですが、今日は珍しく稽古もない休日なので書けるかもなと。パソコンと向き合っているわけです。
1年くらい前から、休みとそうじゃない日の境目がなくなってきています。自分は、けっこうだらしない性格でして、仕事が自分のペースでできる割合が多くなると、平日でやるはずだったことを土日にまわすことも増えてきました。そして、土日は土日で台本のことを考えなければいけないので、なにも考えない日っていうのが本当になくなってきています。いまも久しぶりの休日ですって言いながら、エッセイでなに書こうか考えています。これはこれでありがたいことですし、そもそも好きで演劇をつづけてるので仕方ないのですが、この「好きでやっている」っていうのがまた厄介で、自分のモチベーションをコントロールするのがむずかしいなと常日頃、感じているわけです。
展開が思いつかない、登場人物が好き勝手喋ってるだけになっている、ここもっと良い言い回しないかな、等々。台本を書いてる時の悩みは無限にあります。そういうことを考えてるとふとこういう考えも頭をよぎります。
「こんなこと考えなくてもいいんじゃね?」
それはそうなんです。この活動は誰かに強制されているわけじゃないし、これで生計をたててるわけじゃないし、これでビックになって儲けてやろうなんて考えもありません。
なんでわざわざ土日に脚本書いたり、稽古したりしてるんだろう?
それよりもキャンプいかない?映画みにいかない?会社の同期はみんなゴルフはじめてるよ。式部くんもゴルフやってみたら?そういう囁きが頭をかすめます。
なぜこんなことをしてるのだろうか。
答えはありません。探してる途中です。
この文章を書きながら思ったのですが、僕にとって、書くということは自分の考えを述べる手段ではなく、考える手段なんだと思います。
僕が気づきを与えるのではなく、僕自身がテキストに気づきを与えられています。
そしてそれが自己完結で終わらず、稽古で座組のみんながそのテキストをもとにコミュニケーションする、取捨選択する、という場があることが、僕のモチベーションの原動力の一つなんだと思います。
『いっかいやすみ』という作品には「なんでこんなこと休日に話してるの?」っていうシーンが割とあります。ともすれば観客の皆さんは「なんでこんな作品を休日に見なきゃいけないんだ?」って思う可能性もあります。けどそういうことを考える時間も大切なんじゃないかと僕は思っています。
だから考えてくれるきっかけになれるよう、残りの稽古でできる限り、色々仕掛けてみたいと思っています。台本だけじゃなくて、自分が持っているもの、できる限り、座組の皆さんに渡したいと思っています。
真面目な文章になってしまったので、一個だけ補足です。
笑えるシーンはいつもより多いです。
って書いて、鬼スベリしたらすみません。
よかったら見に来てください。
ポッキリくれよんズ 第8回公演『いっかいやすみ』
@下北沢・シアター711
[DATE]
7.12[金] 14:00 / 19:30
7.13[土] 14:00 / 19:00
7.14[日] 13:00 / 17:00