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『らんまん』 雑草という名の草はない④

寿恵子さんのことが大好きな、うちの夫。

もう30年以上も前になるが、私がつわりで連日気分が悪く、洗面所でウォエ〜とやってた時、肩を震わせ笑っていた。
あれは絶対笑ってた!
「すごいね」って言ったし。

確かに、自分でさえ笑ってしまうほどの爆発力だった😆
何年分かのゲップをまとめたくらいのウォオオオ〜!

にもかかわらず、全然気分はスッキリしない。
そんな日が何日も続いた。

今日の『らんまん』は、寿恵子さんのために藤丸さんがジャガイモを揚げていた。
厚めのポテトチップのような、丸いフレンチフライだ。

最初は躊躇した寿恵子さんも、食べられてよかった。

あのころの私も、やはり揚げ物は無理だっただろう。


ところで、つわりのとき急に食べられなくなるものと、そればっかり食べたくなるものがある。

寿恵子さんのように、ご飯が炊ける匂いがダメなのはよく聞く。

私が食べられなくなったのは、ざる蕎麦だった。
以前は好きだった蕎麦の、香りや食感を想像するだけでぞわぞわした。

その反対に、すごく食べたくなったのはお好み焼き。
スーパーの一角でやっているお店にあるような、持ち帰りのお好みだ。
あれにソースをドバッとかけて食べたいと思っていた。
つわりがさらにひどくなると、ソースが飲みたくなるほどだった。
慎吾ママのマヨチュッチュみたいに。

(おはロックの動画。
慎吾ママ(香取慎吾さん)、ここではマヨチュッチュしていませんね。
田中邦衛さんや橋田壽賀子さんも出ていて、今となっては懐かしい映像…)


というわけで、おたふくソースチュッチュは何とか我慢して乗り切ることができた。

そしてつわりが終わると、何事もなかったようにまた食べられるようになった。

しかし、子どもがすっかり大きくなっても、桜の花の季節になると、なんとなくオエッとなる気がしてしまうのだった。

それも今ではすっかり忘れてしまったけれど。

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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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