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【便りのないのは良い便り】(新釈ことわざ辞典)記事版

便りをまったく出さない人が言い訳に使う言葉。

18で家を出て以来、次女からはほとんど連絡がありません。
たまにメールで、
「生きてるか?」
と送ると、
「生きてるよ」
と返ってくる ── こともある、という程度。
私に電話をかけてきたのは1度しかありません。

「便りのないのは良い便り ── なんちゃって」
というメールが来たこともあります。

まさに、
「おまえが言うな!」
状態でした。

今は地球の裏側で働いていますが、いつ出国するのか、いつ帰国するのか、もまったく知らせてはきません。
まあ、もういいオトナなので、自立しているのはいいことなのですが。

たまに知人から、
「心配じゃないの?」
と聞かれますが……。

これは比較の問題で、例えば同居している年頃の娘が夜遅くなっても帰って来ない、電話連絡もない ── これはたぶん、心配ですよね。

でも、家を出た子供たちはそれ以降、INVISIBLE目に見えない存在なのです。
だから、同居のVISIBLE目に見えるな家族を抱えている人と比べて、

《かえって/はるかに、心配しない》

というわけです。

【便りのないのは良い便り】が常に真理、だとは思いませんが、本当に困った時だけは何か言ってくるでしょう。

これまでの人生で1度だけ、── たった1度だけ、相談されたことがありますから。

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