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【顔で笑って心で泣く】(新釈ことわざ辞典)記事版
サラリーマンの日常生活(こんなことばかり……)。
でも、サラリーウーマンは、もっと……。
組織に所属する人間がこの状況に陥るケースは、
① 辛いことがあった。
② でも、弱音を吐いたり反撃することができない。
場合が ── どうでしょうか ── 8割ぐらいを占めているのではないかな?
①の多くが、
A.上司などから批判・叱責された(パワハラ級を含む)。
B.顧客からクレームを付けられた。
なのではないでしょうか。
もちろん、ケースAは辛いけれども、たいていはさらに上の上司がいたり、度が過ぎれば(まともな会社ならば)社内の通報窓口に『パワハラ案件』として相談することも不可能ではありません。
なんだかんだ言っても会社全体としては利益共同体なわけですから、一番のトップ ── 社長がまともな人間ならば最終的になんとかなる。
(話はそれますが、知事がまともでない場合の役所勤めは辛いでしょうね……最近の報道を見聞きして)
より深刻なのはBのケース。
最近、『カスハラ』に対して毅然とした態度を取る、と宣言する小売チェーンが増えていますが、これも、相手は個人カスタマーなので対応できることです。
ケースBで深刻なのは、B-to-Bビジネスでの顧客クレームです。
「最近、ウチの会社で、突然出社しなくなる人が増えてね。これまでは所属部署マターだったんだけど、あまりに多くなったんで、会社として対策に乗り出したんだ」
その話を聞いたのは、営業職だった友人から。
「それって、登校拒否のサラリーマン版? 原因は?」
「クライアントから『担当者を変えてくれ』って言われることがあってね。要はクライアント側担当者の機嫌を損ねたわけなんだけど……まあ、事情は色々で……明らかに過失がある場合もあるけれど、単に相性の問題だったり、向こうの要求が理不尽な場合もあるんだけどね……」
「……変えざるを得ないわけだね」
「そうなんだよ。それがけっこう個人には打撃で……会社に出て来なくなっちゃうんだ……そのまま休職に入る者もいる」
「……それは……打撃だろうな……」
クライアントが明らかに違法な要求をしてくる場合はともかく(いや、そんな場合でもなかなか……)、多くは仕事を発注する側が受注する側より優位に立っており、一度こじれたら担当者を変えざるを得ないケースがけっこうあるのだろうな、と想像できる。
こちらに『理』があっても、言葉で反撃しても、結果としてはあまりいいことはなく、相手がよほど理不尽でない限り、大事にしないで担当を変えるのだろう。
会社勤めをしていた頃、半期ごとの上司との面談に際して、
「全ての会話は録音させていただきます」
と事前に明言してレコーダーをONする人がいた。
その人の上司はパワハラとはまったく縁遠いタイプで、
「ああ、いいよ……どうぞ」
と応じていたが、こんなことをクライアントに対して行うのは難しいでしょうね。
── では、解決策は?
そんなクライアントの担当を外れて、
「超ラッキー!」
と小躍りするのがいいと思う。
そんなヤツを相手に我慢に我慢を重ねて胃を悪くするより、さっさと離れた方がいい。
一番いけないのは、
「自分のどこが悪かったんだろうか……」
と考え込むこと。
相手がまともなならば、あなたに問題があれば、
「変えてくれ」
の前に具体的に指摘してくれるはず。
(メンタルも含め)健康が第一、危なそうな相手に対しては、先方が
「変えてくれ」
と言い出す前に、
「変わりたい」
とこちらの上司に言ってもいいと思うのですよ。